二日酔いにしじみは効果的?飲みすぎた翌日に効く対策を解説
お酒を飲みすぎた翌日に起こる、不快な症状「二日酔い」に悩まされている方へ向け、二日酔いに効果があるとされる「しじみ」について、その理由と、効果的な食べ方を紹介します。
また、しじみの他にも二日酔いに効果があるとされる食材と、二日酔いになりづらいお酒の飲み方も紹介しています。 この記事を読むことで、上手にお酒と付き合う方法を学べるでしょう。
二日酔いに「しじみ」が効果的な理由
二日酔いの原因であるアセトアルデヒドという物質をご存じでしょうか。
お酒が体内に入ると分解の過程でこのアセトアルデヒドが発生します。 この物質の分解を助けてくれるのが、オルニチンです。このオルニチンが豊富に含まれているしじみは、アルコールの分解に大変効果的なのです。
しじみの栄養素について
しじみの代表的な栄養素は、アセトアルデヒドを分解するオルニチンです。
他にも、肝機能を高めるシステインやタウリン、シスチンも豊富に含まれています。
つまり、アルコールをたくさん摂取した体にとって、味方をしてくれる成分なのです。
また、カルシウムの豊富な貝類のなかでも、特に多くに含まれているのがしじみ。このカルシウムは、アルコールを分解する酵素をより元気にする作用がありますので、その点でもアルコール分解に一役買ってくれます。
シジミは他にもビタミンB2が多く含まれ、胃粘膜を保護する作用が期待できます。お酒を飲みすぎた翌日にありがちな、胃もたれや不快感、食欲不振なども軽くしてくれますので、しじみは二日酔い対策のスーパーアイテムといえるでしょう。
二日酔いの原因について
肝臓がアルコールを分解するときに、アセトアルデヒドという毒性の強い物質が発生します。
体がアセトアルデヒドを正常に分解すれば、アルコールは水と二酸化炭素に変わり、体外に排出されます。
しかし、一度に分解できる量以上のアルコールが体内に入ってしまうと、アセトアルデヒドの分解スピードが追い付かず、体内に残ってしまうことに。これが二日酔いです。
血中に残留したアセトアルデヒドの作用で、頭痛や吐き気などの二日酔い症状が起こるのです。 加えて、アルコールを摂取したことで血管が拡張し、血流が良くなりすぎることで頭痛が起こります。
また胃粘膜が荒れることで胃のむかつきの原因にも。水分不足になりやすく、脱水症状も起こることがしばしば。このように、二日酔いは広く複合的な症状を本来は差しています。
二日酔いに効く!しじみの食べ方
しじみに含まれるオルニチンが、アセトアルデヒドの分解を促進することは、上記のとおり。ですが、気を付けたいのは食べるタイミング。
アセトアルデヒドが血流に乗って体内に回ってしまうと、効果が半減し意味がないといわれています。アセトアルデヒドが残った翌日の二日酔い状態ではなく、アルコールと同時に摂取するのが効果的です。
しじみを使ったレシピはたくさんありますが、特に味噌汁で摂取するのが効果的。しじみのオルニチンは肝臓の解毒作用を助け、味噌汁は塩分不足や水分不足を緩和してくれますから、お酒を飲む前や飲んでいる最中の水分調整にもお役立ちの一品です。
「二日酔いになってから食べる」ということではなく「二日酔いを引き起こさないようにあらかじめ一緒に食べておく」という摂取方法にしていきましょう。
二日酔いに効果的なその他の食材
しじみの他にも、アルコール分解を助けてくれる食材があります。おつまみとしても人気の食材ばかりなので、外食時でも気軽に取り入れてみましょう。
枝豆
枝豆に含まれるメチオニンは、必須アミノ酸のひとつ。この成分には利尿作用があり、アルコールを体外に排出させる作用があります。
他にもアルコール分解を促進させるなど、肝機能を高めてくれる嬉しい成分のひとつです。おつまみの定番として人気の枝豆ですが、意外にもきちんとした理由があるのです。
卵焼き
卵にはL-システインという、アルコールを分解する酵素の機能を高める成分が豊富に含まれています。おつまみとして、アルコールと同時に摂取するのが効果的です。
和洋中に関わらずどんな分野でも活躍できる卵は、外食時にもメニューにある確率は高いでしょう。手軽に取り入れられる酔い対策として一品は頼みたいところです。
きのこ料理
きのこ類にはしじみと同じようにオルニチンが豊富に含まれています。特にぶなしめじやエリンギ、舞茸に多く含まれており、これらはソテーや和え物など様々な食べ方で簡単にとることができます。
火を入れるとかさが小さくなり、たくさん食べられるのもきのこ類の嬉しいポイント。同時に食物繊維もたっぷりとれる食材ですから、急激な吸収を避け胃腸への負担も軽減することができます。
豚肉料理
豚肉に多く含まれるビタミンB1は、肝臓でアルコールが分解される際に、同じように消費される成分です。不足を補うと共に、糖代謝を助けてくれるので、翌日に起こる二日酔い特有の体のだるさを軽減してくれる作用があります。
しゃぶしゃぶサラダや煮込み料理、豚串などの豚肉料理を取り入れてみましょう。また、ビタミンB1は胡麻にも多く含まれます。
おつまみメニューにある胡麻ドレッシングを使った料理や、胡麻しゃぶ鍋など、豚肉にプラスして摂れるようにメニューを選んでみましょう。
なお、二日酔い対策成分として人気のウコンですが、実は医学的な根拠が薄く、はっきりとした効果が分かっていないと言われています。上記のような働きのある食品を、効果が高まるタイミングで食べるのがおすすめです。
二日酔いしにくいお酒の飲み方
飲むタイミングや順番によっても、酔いかたが変わってきます。体に負担をかけずにお酒を楽しめるよう、飲みかたにも工夫してみましょう。二日酔い対策の飲み方のポイントをまとめました。
空腹時に飲酒しない
お腹が空っぽの状態では、アルコールが素早く吸収され、胃が荒れてしまう原因にも。油や酢酸の含まれたお通しを食べることで、胃にガードができ、アルコールを吸収しにくくなります。まずはお腹の準備をしましょう。
水と一緒に飲む
お酒は連続して飲むよりも、水を飲むタイミングを何度か作ることで、毒性の強いアセトアルデヒドを排出しやすくする効果があります。
お酒の分解には水分を必要としますので、知らず知らずの脱水を招かないよう、水も一緒に飲みましょう。
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栄養バランスの良い食事をする
普段の食事も、お酒の場でも、アルコールを分解してくれる肝臓が元気であることが重要です。
普段から肝機能を落とさないよう、健康的でバランスの良い食事をするよう心がけましょう。お酒のおつまみは、つい塩分が多くなったり、脂っこいものが増えてしまったりするもの。
次の食事で調整したりしながら、偏った内容にならないよう気を付けましょう。
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自分の飲酒適切量を知って守る
体質は元々持っているものであるため、アルコールの分解能力は人それぞれ。まずは自身の飲酒適量を知ることが大事です。そして適量を超えそうならストップする、ノンアルコールカクテルに切り替える、周りのすすめを断るなど、その場で回避するよう心がけましょう。
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しじみの味噌汁を一緒に食べる
しじみに含まれるさまざまな成分の力で、アセトアルデヒドの分解をよりスムーズにします。飲んだ後ではなく、お酒と一緒に食べることで、その効果をより高めることができます。
アルコールを分解する食品を一緒にとるる
枝豆、卵焼きなど、アルコールを分解するのを助ける成分を持つ食品は少なくありません。こうした食品をおつまみメニューとして取り入れ、お酒を飲んでいる間もアセトアルデヒドの分解力を高めておきましょう。
まとめ
お酒を飲むことがあるのなら、二日酔いや体調不良を招かないよう、アルコールとの上手な付き合い方を考えることが大切です。
あなた自身の適切な摂取量を守り、二日酔い防止の食品を一緒にとることで、不調に陥らないようケアしながら食事ができます。しかし、くれぐれもしじみの味噌汁だけに頼らないように。健康を害することのないよう、正しい情報を元に、アルコールと上手に付き合えるポイントを抑えておきましょう。
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SYULIP編集部
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