外国人が日本食と日本酒が大好きって本当?人気観光地周辺のおすすめ日本酒
特集「日本酒百景」第2回目は、外国人に人気の観光スポットで飲めるおすすめの日本酒を紹介します!
日本食が世界に広まったことや、VISAの緩和、LCCの発展などなど、様々な要因によって、訪日観光客数は増加してきました。
実は、外国人に人気のある観光スポットは日本の歴史や文化を感じられる場所が多く、日本文化の1つである日本酒も彼らにとって興味が高い観光の目的の1つです。
日本酒をきっかけに、外国人と仲良くなれるチャンスかも?!
訪日外国人数と日本酒の人気について考えてみる
順調に伸びていた訪日外国人数の推移
訪日外国人数は2011年から2019年まで順調に伸びてきました。
2020年も東京オリンピックの効果を期待し、4000万人を目標にしていましたが、結果はコロナウィルスの影響で前年比87%減の411万人。しかしながら、コロナウィルスの収束後にはまた大勢の観光客が日本に訪れると予想されています。
11年連続で記録更新!絶好調の日本酒の海外輸出
海外で人気を博している日本食ブームも影響し、「日本酒/SAKE」の輸出額も毎年連続で順調に伸びています。
2020年はコロナの影響もありましたが、24,141百万を記録し過去最高記録を更新しています。
訪日目的No.1は日本食を食べること!
観光庁の訪日外国人の消費動向調査によると、約70%の訪日観光客の目的が「日本食を食べること!!」と回答し、質問項目の中で1番高い結果でした。
また約25%の人は、訪日目的を「日本のお酒を飲むこと」と回答し、6番目に多い結果となっています。
このことから、日本食と日本酒文化は海外の観光客にとって、とても興味が高い観光目的といえるでしょう。
人気観光地周辺で楽しめる日本酒を知ろう!
酒蔵は日本全国に約1500ヶ所ほど点在し、各都道府県で必ずお酒造りをしています。
少し乱暴な言い方になってしまいますが、人気観光地の近くで必ず日本酒を造っているといっても過言ではありません。
今回の特集をきっかけに酒蔵を訪れ、全国の地酒を楽しんでみてはいかがでしょうか?
外国人に人気の観光スポットTOP3
それでは、訪日外国人に人気の観光スポットと、観光地周辺で楽しめるおすすめの日本酒を紹介いたします!
広島平和記念資料館(広島県広島市)
広島平和記念資料館は、原子爆弾による被害の実態を世界中の人々に伝え、ヒロシマの心である核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に寄与することを目的に、1955年に開館し、国内外から大勢の人が訪れている場所です。
日本酒のまち「東広島市/西条酒蔵通り」へ
Source of photo : ひろしま観光ナビ Web site
広島駅から電車にゆられ約40分。日本酒造りが盛んな安芸西条へ。
安芸西条は、兵庫の灘・京都の伏見と並び称されるお酒造りの街として知られており、JR西条駅の周辺では、現在も7社の蔵元が醸造を続けています。
西条酒蔵通りでは、歴史の趣を感じられる酒蔵見学や日本酒の博物館などを楽しめ、日本酒ファンにとっては夢のような場所です。
お酒造りの時期になると街全体が柔らかいお酒の香りで包まれるそうです。
安芸西条でおすすめの日本酒/亀齡(きれい)
「亀齡(きれい)」は長寿と繁栄の願いを込められ名付けられた日本酒です。
東広島市の西条エリアでは甘口の日本酒が多い中、辛口でスッキリとした味わいが特徴です。 日本酒の味わいを分類すると「爽やかタイプ」に該当する日本酒ですね。
▼参考記事
「爽やかタイプの日本酒」はこちらで詳しく説明しています!
敷地内にある直売所「万年亀舎(まねきや)」では、お酒の試飲はもちろん、日本酒を使ったグッズも多数販売しています!
亀齡のおすすめ銘柄
■特定名称:純米酒
■精米歩合:80%
■酵母:自家培養酵母
日本酒用のお米ではなく、中手新千本(なかてしんせんぼん)というお米(一般米)で造られた日本酒。
20%しかお米を削っていないので雑味を感じそうな製法ですが、純米のコクと辛口のキレが見事に表現されたお酒です!
伏見稲荷大社(京都府京都市)
“千本鳥居”でお馴染みの「伏見稲荷大社」。参拝者の思いがこもった鳥居は、いまでは境内全域に約1万基が並びます。
お家の近くに必ずある稲荷神社の総本宮が伏見稲荷大社です。
「外国人に人気の日本の観光スポット」ランキングでは、平和記念資料館と毎年1位を争っている人気観光地。
日本を代表する日本酒の聖地/京都・伏見
日本三大酒どころと知られる京都伏見。伏見エリアは京都市の南に位置し、駅周辺には20軒以上の酒蔵が集まっています。
日本で第2位の日本酒生産量を誇り、名実ともに日本を代表する生産地です。
豊富な地下水が生んだ「伏見の女酒」
伏見エリアは豊富な地下水が湧き出る場所のため、日本酒作りにとても適した地で、江戸時代から酒造業が盛んです。
この地域の水質は軟水傾向のため、「伏見の女酒」と称されています。
軟水を使用した日本酒は、アルコール度数が低く、甘みを感じる味わい。 また、口当たりが柔らかく、なめらかに感じるため、淡麗でソフトな日本酒になりやすいと言われています。 「伏見の女水」という名称がピッタリの酒質ですね。
京都伏見でおすすめの日本酒/蒼空(そうくう)
コンセプトは「青空を見上げるとホッとできるように、飲んだ人が優しい気持ちになれるようなお酒」。
お米、米麹、お水だけを使い、全て手作りで日本酒を造っている藤岡酒造。
酒蔵に併設する飲食店「酒蔵Barえん」では、仕込み蔵を見ながら「蒼空」が味わえます。
蒼空のおすすめ銘柄
Source of photo : 藤岡酒造 Web site
■特定名称:純米酒
■精米歩合:60%
お米由来の甘みや旨みを味わえます。全体的に落ち着いたテイストのため、食中酒として楽しめ、優しくほっこりとした気持ちになる日本酒です。 薄味の和食とも相性よく、上品でまろやかな印象を受けました。
東大寺(奈良県奈良市)
奈良の大仏さまで知られる奈良時代の代表的な寺院で大仏殿は世界最大級の木造建築物です。 学生時代に修学旅行で訪れた方も多いのではないでしょうか。 大人の修学旅行では日本酒も一緒に楽しみたいですね!
日本酒発祥の地と称される奈良県の日本酒の特徴
歴史と日本文化を学べる都市、奈良県。
日本酒も神事と関連が深い歴史ある日本の食文化です。
とりわけ、奈良県は日本酒発祥の地と称され、歴史を感じながら日本酒を楽しめる地域といえます。
奈良県の日本酒製造の歴史①/三段仕込み
日本酒の原料(お米、お水、麹など)を3回に分け、製造タンクに投入する製法を「三段仕込み」といいます。
三段仕込みは4日間かけて行われる日本酒の伝統的な製造方法で、三段仕込み後に本格的なアルコール発酵がスタートします!
奈良県では昔からこの製法を確立し、日本酒作りを行ってきました。
奈良県の日本酒製造の歴史②/火入れ
日本酒の品質を安定させる目的や、腐敗を防ぐために通常「火入れ」と呼ばれる低温加熱殺菌処理を行います。
奈良県では、フランス人がワインの火入れ方法を発見する四百年以上も前に、この火入れを行っていたと言われ、近代お酒造りの基本となる酒造技術が確立されていました。
奈良県の日本酒造りの特徴
奈良県の日本酒は古くから高級酒として親しまれ、江戸時代には兵庫県の酒蔵と同様に、江戸へ運ばれる「くだり酒」として人気を博していました。
現在でも奈良県の風土を生かしながら、28ヶ所の酒蔵が日本酒造りを行っています。
現在では、奈良県唯一の酒造好適米「露葉風(つゆはかぜ)」を使用している酒蔵も多く、深いコクと米の旨味を堪能できる日本酒が特徴です。
奈良県でおすすめの日本酒/風の森
風の森は地元のお米を使い、そのままの生のお酒を飲んでもらいたいという想いから生まれた日本酒です。
無濾過、無加水の生原酒の日本酒を楽しめる銘柄で、お米の種類と磨き具合によって味の違いを表現しています。
風の森のおすすめ銘柄
Source of photo : 油長酒造 Web site
■特定名称:純米大吟醸
■精米歩合:50%
風の森シリーズの中では、最も甘みと旨味を感じることが出来る銘柄です!お米由来の甘みと旨みが好きな人にはおすすめ!
人気観光地と日本酒の特集はいかがでしたか?
冒頭で紹介しましたが、ここ10年で訪日観光客数が急激に増加し、日本食・日本酒への関心は非常に高まっています。技術革新やグローバル化が進み、より一層外国人が日本に訪れることになることでしょう。
街中で偶然出会った外国人に、日本文化や日本酒を紹介し、日本酒をきっかけに素敵な出会いが生まれると良いですね。