日本料理に欠かせないみりんの代用品になる調味料は?3つの組み合わせを紹介』
毎日のおかず作りにも、本格的な和食にも、みりんは欠かせないもの。しかしみりんがないときは、味がイマイチ決まらず、仕上がりにがっかりすることもあるのでは? そんな時に助けとなる、みりんの代用品となる調味料をご紹介します。
みりんとは?
みりんは、日本料理に欠かせない調味料のひとつ。どこの家庭にもある必需品であり、誰もが知っている調味料といっても過言ではないでしょう。
みりんは調味料としての認識が強いですが、酒税法上の分類は「お酒」です。実際に市販の本みりんにはアルコールが14%ほど含まれています。
酒税法では混成酒に分類されており、酒税が課されています。そのため、調味料売り場でなくお酒売り場に置かれているスーパーも多くあります。
みりんは、蒸したもち米と米麹を混ぜ、焼酎か醸造アルコールを加えて、60日間ものあいだ、熟成させろ過や圧搾をして造られたもの。
薄く黄色い色がついており、まろやかな香りと味わいがある調味料です。
一般的にみりんと呼ばれる調味料には「本みりん」と「みりん風調味料」と呼ばれるものがあります。この呼び方は酒税法上の分類ではなく、一般的な分け方となります。
その違いは、アルコール度数。本みりんが上記のとおりアルコール度数が14%であることに対して、みりん風調味料はアルコール度数が1%以下です。
みりん風調味料は本みりんの味に近づくように、砂糖などを入れて味を調整されたものですが、本みりんより安価で、和食が初めてでも挑戦しやすいでしょう。一般的にみりんといわれるときは本みりんを指します。
みりんの代用になる3つ
みりんがない時は料理が上手にできないのでしょうか。いいえ、代用の調味料を作れば美味しく仕上がります。みりんの代用調味料をご紹介します。
砂糖+酒
みりんの成分である糖分とお酒を合わせて使う方法です。主にこちらで代用できます。砂糖は小さじ1、お酒は大さじ1の、1:3の比率で合わせればちょうどよい味わいになります。
みりんは和食の定番ですが、こちらの組み合わせは和食料理人も使う比率なので、料理好きならぜひ挑戦してみましょう。
はちみつ+酒
白ワインでもみりんの代用ができます。白ワインは、原料であるぶどうの甘みと酸味が大きな特徴です。独特の甘味は砂糖の代用にもなりますので、追加する砂糖を減らして使うとちょうどよい味わいになります。
酸味はそのまま使えばさっぱりした香りに仕上がりますが、レンジなどで煮きったものなら、酸味を飛ばすことも可能です。日本酒とは違った味わいが出ることもあり、白ワインのほうが合う料理もあるでしょう。相性の良い料理を見つけてみるのも良さそうです。
お酒がなかったら?みりんの代用になる2つ
お酒も和食の代表的な調味料のひとつといえます。ですが下戸の人は家にいつでも日本酒があるとは限りません。そんな時に使える2つの代用品をご紹介します。
コーラ
意外に思うかもしれませんが、コーラは調味料としても利用できる優秀な飲み物です。あの独特のカラメルの甘みが熱を加えることでコクに変わり、煮物などはより一層旨味のある仕上がりとなります。
ご存知のように甘味が強いため、追加する砂糖は控えめに。コーラ特有のカラメルの香りと色が残る前提で、醤油味など、色味の強く出る料理に活用してみましょう。あえてみりんではなく、コーラをチャーシューや煮豚の煮汁に使う料理研究家などもいます。
めんつゆ
めんつゆは、醤油、出汁、砂糖がうまく組み合わされた調味料です。元々これだけの材料が入っており、そのままでも味わえるほど、手を加えなくても美味しい調味料といえます。含まれる砂糖の効果もあり、どんな料理でも上手に味付けができる万能さで愛用者も多いでしょう。
みりんの代わりとなるのは、甘みの成分を利用できることで、代理としては問題ありません。見た目どおりに醤油が含まれていますので、主に醤油で味付けをする肉じゃがや魚の煮物などに使うとちょうど良い配合で味付けができます。
みりんの効果
みりんを使うと、普段の料理も一味違った風味と味わいになるのが分かります。プラスの作用があるのは間違いありませんが、では具体的にどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか。
コクや旨味
日本料理には甘みがついている料理が多いですが、これは世界でもあまりないといわれています。そんな日本料理の特徴である甘みですが、みりんに含まれる甘みは代表的な日本料理のコクや風味、旨味を引き出すのに一役買っています。
甘味が強く出ることで旨味となる豚の角煮などは、代表的なみりんを活かせる料理です。みりんを使うことでより深い味わいを演出できるのが大きな特徴です。醤油や味噌、砂糖などほかの調味料との相性も抜群で、旨味をプラスできる効果があります。
臭みを消す
みりんは、魚や肉の臭みを消すことができます。これはみりんに含まれるアルコールの作用でおこなえること。
アルコール度数の高い本みりんのほうが効果は高いため、肉や魚を調理する時は本みりんの準備もしておくと良いでしょう。味も見た目も繊細な日本料理には、この作用は必需品といえます。臭みや雑味をなくし、食材本来の旨味を引き出し、邪魔しないように調整してくれるのです。
照りツヤを出す
みりんは、ややとろみのある調味料。このとろみが、食材に膜を張るようにくっつき、つやを出す作用をもたらしてくれます。つややかな質感はどんな食材も美しく、美味しく見えるようになるのもみりんの良さ。
この作用で食材の表面に味がしっかりつき、とろみの作用で触感もなめらかになるのです。ぶりの照り焼きやカレイの煮物、照り焼きチキン、和風ソースなど、つやを活かす料理には欠かせない、美味しさの決め手ともいえる効果なのです。
料理酒をみりんの代用にできる?
みりんの代用として砂糖とお酒を使うことができますが、調理酒で代用することもできます。ですが調理酒はみりんと違い、塩分や酸味などが添加されています。
みりんよりも甘みが立っておらず、複雑な味わいがあるのです。みりんとまったく同じように使ってしまうと、全体的に甘みが足りない仕上がりになったり、風味が違ったりする結果に。
料理酒はみりん風調味料と同じように様々な味が付けられているので、この特徴を活かせるよう料理によって使い分けるのが良いでしょう。
料理酒の効果
料理酒はお酒ではなく調味料としての働きを追求されて作られたもの。日本酒のような飲みものとしてのお酒ではありません。
みりんとは違い酢や塩を加えられているので、繊細で複雑な深い旨味を作り出すことができるのです。特にうまみ成分であるアミノ酸や有機酸が多く含まれていますので、家庭料理でも本格的な日本料理にも活かすことができます。
入れるだけですぐに味が整いますので、レンジ調理や炒め物など、毎日の時短料理にも活かせます。
まとめ
みりんの代用なら、3つの組み合わせで作ってみましょう。
1.砂糖+日本酒
2.はちみつ+日本酒
3.砂糖+白ワイン
それぞれの特性を引き出しながら、量を加減し狙った味に近づけるように使っていくのがポイントです。
また調理酒は、うまみ成分が効果的に作用し、美味しさが増します。ですが酢が添加されているため、みりんより酸味が目立つことも。みりんも料理酒も使い分けることで、味に深みを加えることができる、毎日の強い味方です。
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SYULIP編集部
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