浅草のおしゃれ日本酒角打ち店「まるごとにっぽん」飲んで食べるだけじゃない!
こんにちは。石川奈津紀です。
以前、東京・浜松町の角打ちに取材に伺ってからというもの、角打ち熱がふつふつと沸いてきています。
角打ちってなに?というかた、ぜひ以前の角打ち取材記事を読んでいただけたら嬉しいです。
>>関連記事:初心者や女性も楽しめる!浜松町の”ネオ角打ち”「浅野日本酒店」
今回は、角打ち企画第2弾!東京の下町・浅草でふらっと角打ちを楽しんできました。
浅草にある「まるごとにっぽん」へ
今回おじゃましたのは、浅草寺や浅草花やしきからもほど近い「まるごとにっぽん」。
店内には『日本の良いものを通して日々の暮らしを豊かにする』をテーマに、日本全国47都道府県の食品やお酒、伝統工芸品が並びます。
2015年にオープンし、半年ほどの休業を経てことし6月にリニューアルオープンしたまるごとにっぽん。緊急事態宣言が解除された先月からは、角打ちも再開されました。
【住所】東京都台東区浅草2-6-7 東京楽天地浅草ビル1階
【アクセス】つくばエクスプレス浅草駅徒歩1分、都営・メトロ・東武浅草駅徒歩10分
【角打ち営業時間】午後2時~午後7時(ラストオーダー午後6時30分)定休日なし
【HP】https://marugotonippon.com/shop/default.aspx
【Twitter】@MGNP_Asakusa
【Instagram】@marugotonippon
47都道府県のアンテナショップがぎゅっとつまったような場所!日本酒のみならず、食べるのが大好きなわたしにとっては至福…。見ているだけでも楽しめます。
17蔵の日本酒と厳選おつまみが楽しめる角打ち
お店の一角が15席ほどの角打ちスペースになっていて、晴れた日は外に面したカウンターで飲むと解放的な気分が味わえます。 ここで楽しめるのは全国17蔵20種のお酒。日本酒のセレクトをしている唎酒師のかたにお話を伺いました。
店長:藤生安津子(ふじゅうあつこ)さん
藤生さん:約100蔵のお酒を取り扱うなかで、17蔵から角打ちのお酒を自らセレクトしています。おつまみも買い付けているので、季節ごとにおすすめのペアリングを楽しんでいただけますよ。
唎酒師が選んだお酒と各地のおつまみとは、期待が高まります。ワインの飲み比べもあるとなると、日本酒派の人だけでなく、ビール派やワイン派など誰と来ても楽しめるのがうれしいですね!
角打ちのシステム
日本酒のセレクトは全て藤生さんが行っているそう。角打ちでは、20種の日本酒のほか、焼酎やクラフトビール、日本ワイン、国産ウイスキーなども楽しめます。おつまみも1種類から盛り合わせのほか、お店で売っているものを食べることもできます。
- 単品では17蔵20種のお酒からセレクトでき、純米酒:300円 / 吟醸酒:400円 / 大吟醸酒:600円~(70ml)
- 日本酒飲み比べ(純米、純吟):500円 (70ml×3)
- 日本酒飲み比べ(吟醸、大吟醸):1000円 (70ml×3) ※2021年10月末現在
角打ちできるお酒の特長
わたしは純米酒の飲み比べセットをチョイス。
(中)長野・田中屋酒造店「水尾」特別純米 長野県産 金紋錦使用
(右)静岡・英君酒造「英君」ひやおろし 特別純米 静岡県産 誉富士使用
藤生さん:角打ちで飲めるのは、震災や水害、一度倒産して復活しているなど、個人的に「応援したい酒蔵」です。扱うのは百貨店やスーパーで買えるような大きな蔵ではなく、本当に小さい蔵。これから売れていくだろう、おいしいけれどまだ東京で知られていない蔵など、なるべく地方の地酒、その土地でしか買えないものを置いています。
大量生産していない銘柄のため、扱うほとんどが1000石以下、中には50石などの蔵もあるといいます。「知らない」「見たことない」と言われることもしばしば。逆に、お目当ての銘柄を求めて遠くからくるかたも多いのだそう。
100種以上の日本酒が買える!ワンカップも人気
お店のお酒売り場には、100種類以上の日本酒がずらり。飲んだお酒はすべて買うことができます。
藤生さん角打ちを0次会で使われる方のほか「どのお酒を買うか悩んでいるので飲んで決めたい」という方も。
お酒のところにもみじのマークがついているものは、ひやおろしや秋あがりといった、藤生さんおすすめの季節商品。また、数字は角打ちする際の番号なんです。飲んでおいしかった銘柄の数字で覚えればいいので、わかりやすいですね。
見ているだけでも楽しいカップ酒コーナー。もちろんおいしさにもこだわってセレクトしているそうです。お土産やおうち飲み用に買っていくかたはもちろん、すぐ近くにあるウインズ浅草で競馬観戦のおともに、と買っていくお客さんもいるのだとか!浅草ならではの光景です。
ここでお酒を買って、隅田川の花見や花火大会で飲む、なんていうのも素敵…!
バイヤーえりすぐりのおつまみ
お酒に合わせるおつまみも、全国からバイヤーが買い付けているこだわりのものぞろい。「わざわざ取り寄せていたおつまみが都内で買えるとは!」とびっくりするものもありました。 なかなか手に入らないものも置いているため、要チェックです。 こちらは「本日のおつまみ3種」和と洋。
- 和セット(上):右から、東京の伊豆大島のあしたば漬け、千葉の金山寺味噌、茨城のあみの佃煮
- 洋セット(下):右から、いぶりがっこクリームチーズのせ、小豆島の新漬けオリーブ、伊達鶏のソフトカルパス
石川:取材した10月に解禁されたばかりという、小豆島のオリーブ浅漬けのおいしさに感動。飲み比べの水尾のみずみずしさとぴったり。金山寺味噌とは、一番左の「おろちの舞」がマッチ!どうしよう、手がとまりません!
藤生さん:できるだけ季節のものを入れているので、来週きたら変わっているかも。もちろんこちらも、店内で購入することができます。「おいしかったから、売り場を教えてください」と言われることもあります。
おつまみセットのおつまみたち。食べたものは全て買えるので、おうちでもお気に入りのペアリングを楽しめますね。
「日本の事業を守りたい」唎酒師・藤生安津子さんの想い
まるごとにっぽんがこんなに楽しめるスポットなのは、唎酒師である藤生さんの存在あってこそ。お話を詳しく伺いました。
石川:藤生さんは、なぜこのまるごとにっぽんで働くことになったんでしょうか?
藤生さん:実は、以前はアパレルで働いていたこともあり、もともと人と関わること、バイヤー業が好きでした。ちょうどそのころ日本酒が好きになったんです。
石川:え!アパレル!?全く違う業種とはびっくりです!
藤生さん:ですよね。笑 そんなさなか起こった、阪神淡路大震災。酒蔵がつぶれるのも目の当たりにしてきました。継承するのが大変な酒蔵を含め、「日本の事業を守りたい」「応援したい」という想いから、転職を決意したんです。そこから酒蔵で10年間働き、いまはお酒や食品などを買い付けて、こうして接客もできる。全部「好きなこと」ができているなと思っています。
たしかに、アパレルの経験がすべて活かせるし、接客、買い付け、ディスプレイ…ぜんぶの仕事を担当できます。なにより「好き」のエネルギーでそこまで動くのはすごいこと。まるごとにっぽんの角打ちの背景には、藤生さんの熱い思いがありました。
ここでしか買えない酒蔵ウェア
見逃せないのが、同じ建物内にある「ユニクロ浅草店」の酒蔵ウェアコーナーです。今年6月にユニクロ浅草店も同時オープンということで、コラボTシャツが発売されました。
いまは秋冬シーズンなので、17蔵のパーカーなどが並んでいます。すべてここでしか買えない限定品!人気は「神蔵」「酒一筋」「ワンワンカップ」のロゴだそうです。 飾ってある17蔵のこもだるも特注品。(残念ながらこちらは販売していません)また、オリジナルの酒蔵パーカや酒蔵バッグを作れるのも魅力のひとつ。 2階にあるUTme!のコーナー。タブレットを操作してデザインします。浅草オリジナルスタンプと酒蔵のロゴを組み合わせるのもおすすめだそうです。空いていれば5分で完成!その日に持って帰れるんです。
角打ちで飲んだ水尾とまるごとにっぽんのロゴのコラボパーカ
今後の展開にも期待!
角打ち、お買い物、酒蔵ウェアと、まるごとにっぽんをたっぷり満喫したところで、藤生さんに今後の展望を伺いました。
藤生さん:この秋からはさらに角打ちできる数が増え、20蔵に拡大!変則的に今後扱う蔵を増やす予定です。日本酒の種類も27種類~季節ごとに提供します。今後は感染状況を見て、蔵元さんに来てもらってカウンターをジャックしてもらったり、おつまみの試食会やペアリングイベントもやっていきたいですね。
日本の下町・浅草から日本の伝統である日本酒を発信している「まるごとにっぽん」。これからもっともっと楽しめる場所になりそうですね。
Profile
石川 奈津紀
仙台市出身でNHK山形、NHK仙台でキャスターを務めたのち2018年から東京でフリーアナウンサーとして活動。 現在はBSテレビ東京の朝の番組「日経モーニングプラスFT」に出演中。 日本酒を健康的に楽しみ、飲みながら痩せる「NOMIYASE」をSNSを中心に発信している。唎酒師。ダイエットプロフェッショナルアドバイザー。