カップ酒研究所「兵庫カップ酒特集」
日本有数の日本酒生産地、兵庫県のカップ酒を2種類ご紹介します。日本酒の生産量が多いだけでなく、酒米の王様ともいわれる「山田錦」の生産量もトップ!豊かな水や土壌など、自然環境が整った兵庫県で醸されるお酒とは…?
カップ酒それぞれの基本情報
まずは商品について
【都美人】商品情報
■直径…6cm
■高さ…11cm
■内容量…180ml
■アルコール度…16度
■特定名称…普通酒
■お米…国産米
ラベルに書いてある「萬緑叢中紅一點(ばんりょくそうちゅうこういってん)」とは、”平凡なものの中に一際目立つものがある”という意味。皆さんは、どんな”美人”を思い描きますか?
【奥播磨】商品情報
■直径…6cm
■高さ…10.5cm
■内容量…180ml
■アルコール度…15度以上16度未満
■特定名称…純米酒
■お米…兵庫夢錦100%(精米歩合55%)
手触りのよい和紙のようなラベルには”手造りに秀でる技はなし”の言葉とともに、蔵人さんたちの想いが綴られています。
酒蔵情報について
都美人【都美人酒造】(兵庫県南あわじ市)
昭和20年、淡路島の南部にあった10軒の蔵が合併して誕生。その10軒にあった様々な銘柄の中から、一番響きのよい「都美人」を採用したそうで、もとを辿ると京都・伏見の酒造家の商標でした。代々指揮をとっていた丹波杜氏から能登杜氏への切り替えをきっかけに、淡路島や兵庫県内だけでなく、全国的に知られる存在となりました。
地元農家と協力して合鴨農法で酒米を有機栽培したり、全国でも稀な「天秤しぼり」というテコの原理でお酒を圧搾する手法を用いたり、”昔ながら”を大事にしながら、現代人が楽しめるお酒を醸しています!
奥播磨【下村酒造店】(兵庫県姫路市)
1884年(明治17年)創業以来、家訓である「手造りに秀でる技はなし」を守り続け、米と米麹を原料とした純米酒のみを醸しています。醸造用アルコールや糖分・香料は一切添加していません。また機械化や大量生産は行っておらず、1年間に製造できるのは600石(一升瓶に換算すると6万本)のみ。手造りによる伝統の酒造りを守るため、奥播磨が手に入るお店も限られています。自然の素材だけを使用した雑味のないお酒なので無濾過方式を採用、貯蔵についても大きなタンクではなく、1本1本瓶に詰めた状態で、少量ずつ丁寧に仕上げています。
【住所】兵庫県姫路市安富町安志957
【営業時間】⽉曜⽇ 〜 ⼟曜⽇ : 午前10時〜午後6時
⽇曜⽇: 午前10時〜午後5時
【定休日】年中無休
【HP】https://okuharima.jp/
【Instagram】@okuharima_official
カップ酒それぞれの楽しみ方
都美人をそのままで…
普通酒ながら山廃仕込みということもあり、とても芳醇な味わいに仕上がっています。チリチリと舌先に刺激を感じつつ、喉を通った後にはお米のしっかりとした香りと甘み、そして若干の苦味が残ります。辛口というよりは、円熟された深い味わいのある甘口(旨口)寄りの印象です。
アルコール度数は16度とやや高めなので、炭酸水で割って”日本酒ハイボール”にしてもいいですね!
都美人と合わせるなら…いかなごのくぎ煮
今回のおつまみは、東京・有楽町にある兵庫県のアンテナショップ「兵庫わくわく館」で見つけてきました!どっしり感のある都美人には、兵庫県産のいかなごを使用したくぎ煮をセレクト。毎年2月下旬〜3月初旬にいかなご漁が解禁され、その限られた期間に水揚げされた新鮮なものを砂糖や醤油、生姜などで甘辛く煮詰めたものがくぎ煮です。
深い味わいのお酒には、濃いめの味付けをされたおつまみがピッタリです!
奥播磨をそのままで…
外観としてはやや黄色がかっていて、透明度も完全なクリアではなく少し濁っている感じです。フタを開けてみると熟成されたようなコクのある香りがしました。一口飲んでみると、お米(兵庫県産、兵庫夢錦)の旨味がしっかり広がります。じんわりとした苦味もありますが、後味としてはふくよかな甘みの方が強い印象ですね。
冷酒も美味しいですが、45度くらいのお燗にすると辛さも引き立ってきて美味しいです!ゴクゴク飲むというより、じっくり味わいたい1本です。
奥播磨×白だしでアレンジ
皆さんは”日本酒の出汁割り”をご存知ですか?最近では、すでに出汁割りしてあるカップ酒が売っています。今回は、飲みきれなかった奥播磨(90ml)とお水を1:1の割合でカップに入れ、そこに白だしを大さじ1。1分ほど電子レンジで加熱したら完成です。
お吸い物のようにスルスル飲めてしまう…ご飯のシメにぴったりなアレンジです!
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