熱燗とぬる燗の作り方を紹介!日本酒を温めた燗酒を楽しもう!
温めた日本酒=熱燗と認識している方が多いと思いますが、実は温度によってその呼び名が変わるのをご存知でしたか?
この記事では燗酒(温めた日本酒)の中で覚えておきたい「熱燗」と「ぬる燗」に注目し、作り方や楽しみ方を紹介します。
また、熱燗・ぬる燗に向いている日本酒の解説や、おつまみや料理などのペアリングも紹介し、燗酒と一緒に楽しみたいオリジナルレシピ2品をピックアップしました。
熱燗とは?
まず、温めた日本酒は「燗酒」と呼びます。
そして、燗酒は温度帯によって呼び名が変わり「熱燗」とは約50℃の燗酒のことを言います。
日本酒の温度は、細かく分類すると10種類の呼び名がありますが、大きく3つ(①冷やす、②常温、③温める)に分けられます。
各温度帯によって、その状態を連想させる素敵な呼び名があるので、熱燗やぬる燗だけでも知っておくと、お店で注文するときも使えるので覚えておくと便利です。
>>関連記事:日本酒の美味しい飲み方とアレンジ8選!基本的な楽しみ方や割り方を紹介!
熱燗・ぬる燗|お酒の状態と味わい
ここでは熱燗とぬる燗の温度、お酒の状態、そして味わいについて解説します。
状態:飲んだ時にぬるいと感じる温度。
特徴:お米の良い香りが楽しめ、さらりとした味わいです。
ぬる燗は、お酒を飲んだときに熱いと感じるよりも「温かい」と感じる、体温と同じくらいの温度です。ぬる燗まで温めることで、香りがもっとも豊かになると言われています。ふくらみのある味わいも特徴の一つです。
状態:お酒の容器から湯気が立ち、容器やおちょこを持つと熱く感じます。
特徴:お酒の香りが鋭くなり、切れ味の良い辛口の日本酒になります。
熱燗までお酒を温めると、徳利やちろりから湯気が立っている状態になり、それらを持つ手が熱く感じます。お酒の香りがシャープになり、キレが増し、辛口に感じやすくなります。
熱燗の作り方
つづいては、熱燗の作り方を紹介します。こだわりの強いひとは、徳利やちろりにお酒を注いで湯煎しても良いですし、手軽に楽しみたい方は、電子レンジを使ってお酒を温めるのがおすすめです。それぞれ確認していきましょう。
【簡単】電子レンジで熱燗・ぬる燗
まずご紹介するのは電子レンジを使ってお酒を温める方法です。電子レンジを使用することで、簡単に熱燗を楽しむ事ができます。
ただし、温度のムラができるのでスプーンやマドラーを使って日本酒をひとかきすることをお忘れなく。
日本酒の分量 1合(180ml)
(常温から) 500Wで約50秒
(冷えた状態から) 500Wで約70秒
日本酒の分量 1合(180ml)
(常温から) 500Wで約60秒
(冷えた状態から) 500Wで約80秒
上記の温める時間は目安です。お家飲みの楽しみは自由に自分の好きなようにお酒を温められること。ご自身の好きな温度帯をぜひ発見してみてください!
電子レンジで熱燗おすすめキット
画像引用元:Amazon
ON℃ZONE 飲みごこちとっくりおすすめポイントは、- ステンレス二重構造で、飲みごろ温度を保ちます。
- ガラス瓶は電子レンジ対応なので簡単に熱燗を楽しめますよ!
- ステンレス外瓶やお猪口の外側に熱を通さないので熱燗を入れても熱くなりません。
「ON℃ZONE 飲みごこちとっくり」を使って燗酒を作ってみました!気になる方はこちらからご確認ください。
>>関連記事:秋を感じるおつまみと旬の日本酒を楽しもう!
商品名:「ON℃ZONE 飲みごこちとっくり」。公式通販サイトはこちらから。
【こだわり】湯煎で熱燗・ぬる燗
つづいて紹介する熱燗の楽しみ方は、昔ながらのお湯につけてお酒を温める方法です。電子レンジに比べ少し手間がかかりますが、温度を確認しながら温めることができ、こだわりの強い方におすすめの方法です。雰囲気を演出できるのも嬉しいですね。
日本酒を湯煎するときに気をつけたいポイントは、火をつけた状態で温めないことです。
これはある一定の温度を超えると一気に日本酒の温度が上がるのを防ぐためです。そのため、まずは鍋のお湯が沸騰したら火を止めましょう。火を止めた状態で、日本酒を入れた徳利を入れお湯につけます。
ぬる燗なら2分半、熱燗(あつ燗)なら3分が目安です。
湯煎のオススメキット「ちろり」
「ちろり」とは、日本酒を温めるときに使う酒器のこと。銅や錫など金属製のコップに取っ手と注ぎ口がついていて、お酒を注いでお湯に入れて温めることができます。
自宅で気軽に使うなら、アルミ製の「ちろり」がおススメです。1,000円前後から購入できるコストパフォーマンスの高さが魅力で、お家で居酒屋気分を味わえます。キャンプなどにも便利ですよ。
燗酒オススメキット「かんすけ」
かんすけ
居酒屋でも見かけることが多い「かんすけ」は電気式の燗酒用湯沸かし器です。ここまで揃えたら本格的に小料理屋を開きたくなりそうです。
かんすけは、ダイヤルで好みの温度を調節でき、一定温度にお湯を保ってくれます。お湯でじっくりお酒を温めるため、お酒がまろやかになると言われています。
さまざまなお燗器が発売されているため、お気に入りの一品が見つかるといいですね。
とっても可愛らしい酒燗器
>>関連記事:「てんてんてん」純米カップ酒とほっこり料理を楽しめる東京都内の隠れ家的お店
自宅で熱燗・ぬる燗の楽しみ方
一番手軽に熱燗やぬる燗を楽しむ方法は電子レンジですが温度ムラが出来やすく、狙った温度にするのが難しいので、一番おすすめなのは湯煎です。
ただ、湯煎は鍋でお湯を沸かすのがとても面倒なのが難点です。
そこで、日本酒ライター「ムラヤマ」さんが教えてくれた、電気ケトルを使った燗酒の作り方を紹介します。より詳しい情報や料理とのペアリングも紹介している内容は関連記事をご確認ください。
>>関連記事:【美味しい燗酒の作り方】道具から作り方まで徹底解説
電気ケトルで燗酒を作る
燗酒をつける一番のコツは「あるものでつける」ことです。特別な道具は必要ないので、自分の持っている道具でつけることが燗酒への一歩です。
今回使用する道具は、電気ケトル、ちろり(空き瓶でもOKです)、温度計(温度計は無くても良いのですが、何度くらいか知りたい時に便利です)。
写真のように準備をして、お燗をつけていきます。
お湯の温度は目指す温度にもよるのですが、約70℃あれば、熱燗やぬる燗をつけることができます。飛び切り燗(55℃以上)にしたい場合は、75℃以上にしてください。
目標温度となる温度にピンポイントでつけるのはなかなか難しいです。少し温度を上げすぎてしまった場合は、お酒を継ぎ足して調整します。
燗酒に向いている日本酒は?
はじめから自分にぴったりな日本酒を見つけることは難しいと思うため、最初は自宅にある日本酒を手軽に温めるところからスタートしてみてはいかがでしょうか。最近では、裏ラベルにおすすめの温度帯が記載されていることが多いので、参考にしてみるのも良いと思います。
濃醇でコクのあるタイプの日本酒
日本酒は原料や仕込み方法によって香りや味わいが多種多様です。
コクがあり、旨みがしっかりのったお酒燗酒に向いているとされています。日本酒の味わいや香りから、わかりやすく4つのタイプに分類することができますが、その中では「醇酒(旨口タイプ)」の日本酒です。
日本酒の温度をしっかり上げることで、キリッと引き締まった香りと味わいを楽しめます。
醇酒(旨口タイプ)は、原料を米、米麹、水で造った「純米酒」が多く該当し、お米由来の旨みと甘みもぜひ堪能してみてください。
>>関連記事:純米酒とは?本醸造酒や吟醸酒との違いは?純米酒の種類や定義を解説し、おすすめの楽しみ方も紹介!
その一方で、華やかでフルーティーな香りが特徴的な日本酒は冷やして「冷酒」で飲むのが一般的です。これはお酒の特性を一番楽しめる温度帯ということですので、温めることがNGということではありません。
ただし温めすぎると、華やかな香りを感じづらくなるため、吟醸酒、大吟醸酒などは低めの温度(30℃〜40℃)が適しています。
燗酒に合う料理とは?
燗酒と料理を楽しむポイントは、「温かい料理」と「しっかりした料理」の2つです。
温めたお酒ですので、料理も温かい料理と一緒に食べ、温度の同調を楽しんでみて下さい。
日本酒を温めることで、旨味や甘味が引き立ち、しっかりした味付けの料理に負けることなく、お酒と食事の良いバランスを楽しめることでしょう。
また、味の好みは人ぞれですので、和洋中のジャンルにとらわれず、自分好みの組み合わせを見つけてみて下さい。
燗酒とペアリング!レシピ2品
最後に、いままで日本酒と料理のペアリングを2品紹介します。ご自宅で手軽に作れるレシピも掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
秋刀魚とじゃがいものアヒージョ
秋刀魚を使って「秋刀魚とじゃがいものアヒージョ」のキャンプ飯を作りました。秋刀魚のアヒージョって一見珍しいのですが、とっても美味しいですよ!
アヒージョと言ったらワインを合わせがちですが、今回は燗酒に向いている日本酒を合わせました。
・秋刀魚・・・1匹
・じゃがいも・・・1/2個
・ミニトマト・・・4〜5個
・ニンニク・・・2片
・鷹の爪・・・1〜2本
・オリーブオイル・・・適量
・塩胡椒・・・適量
・ハーブソルト・・・適量
コクと旨味を感じる日本酒は、秋刀魚の旨味やニンニクが効いたパンチのある味わいと見事に馴染みます。芳醇系の日本酒があまり得意でないと言う方でも、アヒージョとの組み合わせを体験したら、きっと美味しいと感じると思います。
>>関連記事:秋のキャンプで作ってほしい!秋刀魚とじゃがいものアヒージョ
れんこんのてりたま挟み焼き
れんこんのシャキシャキ感と、お肉のジューシーな味が楽しめるおつまみです。タネにもすり下ろしたれんこんを入れたことで、ふわっとした食感になります。
食欲をそそる醤油の甘辛だれが絶品で、こちらも燗酒に向いている日本酒を合わせました。
れんこん・・・150g
豚挽肉・・・200g
ネギ・・・1/2本
A片栗粉・・・大さじ2
A顆粒鶏ガラだし・・・小さじ1/2
A塩・・・2つまみ
A胡椒・・・適量
ごま油・・・大さじ1
B醤油・・・大さじ2
Bみりん・・・大さじ2
B砂糖・・・小さじ1
卵・・・1個 (お好みで)
おつまみの甘じょっぱさと、日本酒のしっかりとした味で、料理とお酒の味の濃淡が釣り合うことで、とてもバランスが取れた組み合わせです。
ま生酛造りならではの力強い旨味と酸味が醤油の香ばしさや濃厚な味わいとよく馴染むため、口の中に入れたときにとても心地よく味わえます。
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SYULIP編集部
日本酒ECサイトを運営しているSYULIP(シュリップ)です。 サケディプロマ、唎酒師、ソムリエ、栄養士などのライターが日本酒の楽しみ方、豆知識、おつまみ記事などを発信しています。