甘口ですっきりの日本酒9選。飲みやすいものだけを厳選しました。
ひと口に日本酒といっても、実に色々な味わいのお酒があります。
中でも、「甘口ですっきりと飲みやすい日本酒なら好きだけど、お酒感のキツい日本酒は飲めない」という方も少なくないでしょう。
そんな方に向けてこの記事では、
- 甘口ですっきりした日本酒の選び方
- 甘口ですっきりした日本酒の銘柄9選
について紹介。ミスマッチなく好みのお酒にたどり着けるようにしっかりガイドいたします。
甘口ですっきり飲みやすい日本酒の選び方
結論からいうと「飲まないとわからない」「だから信頼できる人に聞くのが1番いい」というのが正直なところです。
まずラベルから判断する方法ですが、これは意外と難しいです。
「日本酒度」という日本酒の糖分量をあらわした尺度がありますが、この値も甘辛度の絶対的な尺度にはなりません。というのも、人が感じる甘さは、糖分以外に、日本酒中の香り、有機酸、アミノ酸などの様々な成分が関与しているからです。
とはいえ糖分量が多ければ傾向として甘口に感じられるのは間違いないので、まったく参考にならないわけではありません。絶対的な基準はなく著者の肌感覚ですが、日本酒度が3以下であれば甘口である可能性は高いという印象です。
日本酒度に関しては、「意外とラベルに記載されてない事も多い」という問題がある事も付け加えておきます。
そして「甘口」だけでなく、「すっきり」を客観的に表す指標がない、という問題もあります。
酸味の参考尺度である「酸度」、旨みの参考尺度である「アミノ酸度」という数値があり、これらの値が低ければスッキリしている傾向はあります。ですが、やはりこちらも傾向でしかなく、絶対にすっきりしていると断言できるものでしかありません。
これらの数値よりも、ラベルやポップに「甘口ですっきり」などの謳い文句を探した方がまだ参考になります。しかし、そういった味わいの記載も必ずしもあるわけではないので、やはりラベルから探して当てるのは難しいわけです。
よって、飲んで味を知っていて、日本酒のテイスティングにおいて信頼できる人に聞くのが1番ということになります。
甘口ですっきり飲みやすい日本酒8選
「知ってる人に聞くのが1番」という結論に至ったところで、日本酒ジャーナリストの私がおすすめする「甘口ですっきり飲みやすい日本酒9選」について紹介いたします。
みなさんにとって私が信頼に足る人間かは推しはかることはできませんが、誠心誠意をもって銘柄の紹介をして参ります。
風の里 純米吟醸(愛媛・養老酒造)
日本の酒情報館で気に入ってお持ち帰りした「風の里」
フルーティーな香りにひきたてられた程よい甘味。その甘味が全く後をひかずにスッと消えていきます。クドさとは無縁の、キレのある甘口が味わえます。
▼風の里 純米吟醸の詳細はこちら
風の里 純米吟醸(養老酒造公式サイト)
箱根山 純米吟醸(神奈川・井上酒造)
華やかながらも落ち着きのある吟醸香に、バランスの良い甘味と旨味。なめらかな口当たりが水のようにも感じられる、すっきり甘口の日本酒です。
▼箱根山 純米吟醸の詳細はこちら
箱根山 純米吟醸(井上酒造公式サイト)
黒牛 純米酒(和歌山・名手酒造)
甘口の日本酒といえばフルーティーな甘さを想像する方も多いと思いますが、こちらはそうではありません。米に由来する旨みとほんのりした甘みを感じながらもどこか控えめ。後味もスッと引いて尾をひきません。お米のふくよかな香りと、すっきりした甘さを味わいたい方にオススメです。
▼黒牛 純米酒の詳細はこちら
黒牛 純米酒(名手酒造)
日乃出鶴 純米(茨城・井坂酒造店)
旨味と甘味のバランスが見事。甘すぎず、辛すぎず、後味のドライ感もすべてが絶妙で、水のような爽やかさも感じられます。食中酒としても、お酒単独でも美味しく飲める、日本酒界きっての優等生です。
▼日乃出鶴 純米の詳細はこちら
日乃出鶴 純米(SYULIP)
花一匁 純米吟醸(群馬・大利根酒造)
芳醇かつ華やかな、少し甘めの香りを感じます。余韻は結構長いですが、角のない風味だけが薄く伸びていく感じなので、全体の印象としてはすっきりと淡麗に感じられます。
甲子 純米大吟醸(千葉・飯沼本家)
フルーティーで上品なしっかりとした甘み。それでいてクドさを感じさせない、スッときれるすっきりとした後味はあっぱれ。飲めば拍手を送りたくなる純米大吟醸です。
▼甲子 純米大吟醸の詳細はこちら
甲子 純米大吟醸(飯沼本家公式サイト)
本老の松 純米吟醸(長野・東飯田酒造店)
りんごのような華やかな香り、甘さと酸味がふんわり広がっていく。
余韻自体は長いので、これをスッキリと言ったら一部の方からはお叱りをうけるかもしれません。
ただ、輪郭のとぼしいフワリとした甘味が薄くのびていくような後味は、不思議とすっきりした印象を感じさせてくれます。うっすら優しく広がっていく余韻は、芸術的ですらあると感じました。
▼本老の松 純米吟醸の詳細はこちら
本老の松 純米吟醸(東飯田酒造店公式ショップ)
日乃出鶴 純米吟醸(茨城・井坂酒造店)
華やかな香りと、なめらかなほどよい甘味。そして見事なのはその後味です。
薄く残るキリリと爽やかな刺激の余韻と、あとを残さずスッと消える甘味。そのコントラストが素晴らしいキレを生み出しています。薄く残るアルコールの刺激感が、逆に後味のすっきりした印象につながるのは甘口日本酒の特権でしょう。
日本酒初心者や、すっきりした甘口の日本酒が飲みたい人にぜひ飲んでもらいたい1本です。
▼日乃出鶴 純米吟醸の詳細はこちら
日乃出鶴 純米吟醸(SYULIP)
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