刺身と日本酒のベストマッチを探そう!刺身5種×日本酒3種の組み合わせ&アレンジ
「刺身」といっても、赤身・白身・貝類など味や食感はそれぞれ違いますよね。日本酒も同じように、フルーティーな香りが特徴的なものや熟成感あふれるものなど多種多様です。
今回は、5種類の刺身を選び、3種類の日本酒を用意して、どのような味わいの組み合わせがベストマッチなのか相性を探ってみたいと思います!
お魚も日本酒も季節によって楽しみ方が変わりますよね。組み合わせは無限大な気もしますが、お店やご自宅でお刺身と日本酒を楽しむ際にぜひ参考にしてみてください!
定番な刺身5種の紹介
赤身:まぐろ
赤身魚の代表格といえば、なんと言っても「まぐろ」ですよね。世界じゅうで捕獲されているまぐろの約4分の1は日本で消費されているとも言われているそうです。みんな大好き、人気のまぐろ!
回遊魚として知られているまぐろですが、時には時速100kmもの速さで泳ぐという運動能力の高さがあり、鉄分を多く含んでいるという特徴があります。脂がのっていて柔らかい食感なので、刺身だけでなく、お寿司や漬け丼ぶりなどにしても美味しいですよね。まぐろ以外にもカツオやサバなどが代表的な赤身魚です。
白身:真鯛
主な白身魚としては、鯛・たら・ヒラメなどがあります。回遊魚とは違って海の底でゆったりと生きている魚たちなので、持久力のある筋肉はないものの、いざという時に動ける瞬発力があるというのが白身のお魚。ですので、身が引き締まっていてコリコリとした食感を持っているのが特徴です。高タンパク&低脂肪で消化も良いため、お子さん・ご年配・ダイエット中の方にオススメです!
青魚:アジ
背中の部分が青く見えることから「青魚」と呼ばれていますが、サバ・いわし・さんまなどが代表的なところでしょうか。ものによっては価格も比較的安いので、食卓にのぼることも多いかもしれませんね。青魚の脂質には、悪玉コレステロールを減少させたり、脳を活性化させる栄養素を多く含んでいるので、健康維持のためにぜひとも食べたいお魚です。
脂がのった魚:まぐろ中トロ
今回の「刺身×日本酒」では、脂とお酒の相性も試してみたかったので、まぐろの中トロ部分も用意してみました。適度な旨みと脂があり、お刺身の盛り合わせに入ってると嬉しいですよね〜。
お魚以外:イカ・ほたて
お魚以外でお刺身の定番といえば、イカ・タコなどの軟体動物系、ほたて・牡蠣などの貝類、エビやカニなどの甲殻類です。ねっとりとした舌触り、プリプリとした食感、個性的な旨み…人によって好みは様々ですね!今回は、1年じゅう手に入りやすく、とても身近なイカとほたてを選んでみました。
日本酒3種の紹介
続いて新鮮な刺し身にぴったりの日本酒をタイプ別に紹介します。
フルーティー系の日本酒
・玉乃光 純米大吟醸【京都・玉乃光酒造】
雄町を100%使用しています。ふんわりと優しくて甘やかな香りとまろやかな飲み口、酸と旨味の調和がとれた飲み飽きしないタイプの日本酒です。1673年に創業した京都・伏見にある酒蔵さんで、時代に左右されない食事に寄り添うお酒を醸しています。
すっきり系の日本酒
・司牡丹・船中八策【高知・司牡丹酒造】
とても穏やかで、甘みはほんのわずかに感じるくらい。なめらかに膨らんでいく旨さと抜群にキレのよい後口…さすが、超辛口。冷酒・常温・お燗すべての温度帯でヨシです!1603年創業で、「土佐」「本物」「エコロジー」にこだわった、ワクワクするお酒をたくさん送り出しています。
旨味系の日本酒
・太平山 生酛純米【秋田・小玉醸造】
地元産「美山錦」を昔ながらの生酛づくりで醸した純米酒。どっしりとした厚みのある香りと旨味と酸、じんわりと広がるようなコクと奥行きのある味わいです。1879年創業で、もともとは味噌や醤油の醸造が始まりという酒蔵さんです。毎年のようにコンテストで金賞を受賞している素晴らしい安定感!
どれも良い日本酒ばかりなのでぜひ飲み比べてみてください!他にも日本酒選びに関してはこちらの記事も参考にしてみてください。
>>関連記事:日本酒初心者の方必見!飲みやすい3つの日本酒とは?お酒の選び方や飲み方の解説
>>関連記事:日本酒を割ると美味しい?王道から奇抜な飲み方を試してみました!
刺身×日本酒のベストマッチはこれ!
先ほど紹介した刺身5種と日本酒3種をそれぞれ試して、「この組み合わせが好き!」というものを選んで一覧にしてみました。同じような味わいでまとめたり、対照的な味わいでギャップを楽しんだり…たくさんの驚きと発見があって贅沢な体験とともにどれも美味しくいただけました。
まぐろ赤身×旨味系の日本酒
まぐろの刺身と合わせたのは、太平山 生酛純米です。
まぐろが持つ血っぽい感じと酒の旨味がじんわりと溶け合って1つになっていくような美味しい組み合わせでした。シャープな味わいよりも、丸みのあるふくよかな味わいの日本酒が合うと思います!
まぐろといえば酒盗をご存知でしょうか?こちらの記事で詳しく解説しています。
>>関連記事:酒盗とは?塩辛との違いを解説!酒盗を使ったおつまみレシピ3品の紹介!
真鯛×フルーティー系の日本酒
淡白な味わいの真鯛に香りづけするイメージで、玉乃光を合わせてみました。これが、見事にはまってくれました!旨味系やすっきり系だと、真鯛の食感は損なわれないのですが、味がぼけてしまう感じがしました。
アジ×すっきり系の日本酒
アジの刺身には司牡丹・船中八策を合わせてみました。
噛むたびに溢れるアジの脂をスパッとリセットしてくれる組み合わせ。お酒の特徴である淡麗なキレの良さがアジの旨みを壊すことなく、「また次のお魚を食べたい…」と箸を進めさせてくれます!
まぐろ中トロ×旨味系の日本酒
中トロの脂とお酒の芳醇な旨みがベストマッチ!お燗にして、お酒の温かさでトロを溶かしていく…というのもアリかもしれないですね〜。これは、しっかりと脂がのったブリやさんまにも合うコンビだと思います!
>>関連記事:熱燗とぬる燗の作り方を紹介!日本酒を温めた燗酒を楽しもう!
イカ・ほたて×すっきり系の日本酒
イカが持つ、もったりとした甘さをより引き立たせてくれるのがすっきり系のお酒。ほたても同じように、噛むほどに甘みが出てくる魚介系にはピッタリです!牡蠣などのミルキーなものにも、アクセントを足すようなイメージですね。
薬味で刺身と日本酒をより楽しむ
もちろん、お刺身に合わせる調味料といえば「醤油」ですが、王道以外の調味料や薬味を使って、新しい「刺身×日本酒」の世界を発見したいと思います!
いつもの食べ方に少しアレンジを加え、和洋中のテイストを試してみたので、ぜひご家庭でもやってみてください。おすすめです!
まぐろ赤身×フライドオニオン×太平山 生酛純米(旨味系)
まぐろの強い旨みに揚げた玉ねぎの香ばしさが絶妙です。ザクザクとした食感と広がっていく香りが最高!お酒の旨味もプラスされて、見た目も上品で1つの料理のような完成度の高さです。手間もかからずパパッと作ることが可能です♪
真鯛×大根おろし×玉乃光(フルーティー系)
淡白な味わいの真鯛に大根おろしの辛さが足され、お酒によって香りが足され…バランスのとれたアレンジになりました!一般的に添えられている細切りの大根(ツマ)よりも口の中で魚と混ざりやすいので、おろしがオススメです!
アジ×オリーブオイル&塩×玉乃光(フルーティー系)
オリーブオイルの華やかな香りとお酒のつつみ込むような香り…ダブルの香り付けによって、アジの旨みがアップ!ただし、アジもしっかり脂がのっている場合は、オリーブオイルはつけすぎ注意です。お塩でキュッと締めましょう。
まぐろ中トロ×レモン&醤油×司牡丹・船中八策(すっきり系)
レモンと醤油を1:1で合わせるだけの簡単アレンジ。レモンの酸味がまぐろ中トロの脂をシュッと抑えてくれるので、さっぱりと食べやすくなります。お酒のキレの良さも引き立ちますよ!
イカ×卵黄&めんつゆ×司牡丹・船中八策(すっきり系)
イカを卵黄でコーティングしつつ、めんつゆで塩味&甘みをプラス。濃厚さがプラスされますが、めんつゆを入れることでスルーっと流れるように食べられます。すっきり系のお酒を合わせることで、ほどよい余韻が残り、飽きずに楽しめます。
ほたて×ごま油&塩×太平山 生酛純米(旨味系)
ごま油の香ばしさが、ほたての存在感をアップさせてくれます。生酛系のブレないしっかりとした旨味とベストマッチです!ごま油の味の強さとお酒の深さがケンカするかと思いきや…これとっても合います!ちょっとグルメな人になった気分(笑)
ちょっと番外編になりますが、料理酒を使ったアレンジ料理をこちらの記事で紹介しています。
>>関連記事:料理酒の効果を知っていますか?料理の腕も上がっちゃう魔法の調味料!
日本酒とお刺身のまとめ
「刺身×日本酒」の組み合わせ、いかがでしたか?季節によって旬の魚介類は変わりますし、日本酒も夏酒や秋あがり、新酒など味わいの幅がとても広いですよね。
海鮮だけでなく、旬の食材と日本酒のベストマッチを探すのも面白そうです。
ぜひ、皆さんのベストマッチを探してみてください。
また、日本酒とお寿司の飲み合わせについてもこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください!
Profile
いさわゆか
出身は宮城県仙台市、現在は東京都で暮らしています。飲食業への転職をキッカケに日本酒の勉強を始めました。日本酒の味わいはとても幅があって、どんどん世界が広がりますね。一緒にお気に入りのお酒を見つけていきましょう!