東京の地酒「澤乃井」の酒蔵見学へ!都内で日帰りショートトリップ

こんにちは!石川奈津紀です。

先日取材させていただいた浅野日本酒店HAMAMATSUCHOで、東京・青梅にある「澤乃井」で有名な小澤酒造の小澤幹夫社長と偶然お会いしました。

浅野日本酒店_浜松町 そこで、小澤社長に酒蔵見学の打診をしたところ、快いお返事をいただき、東京・青梅にある小澤酒造へ訪問することに!

※経緯はこちらの記事をご覧ください。

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奥多摩で300年以上続く小澤酒造へ

小澤酒造石川門 新宿からJR中央線に乗り、青梅駅からJR青梅線に乗り継いで約90分。JR沢井駅から徒歩数分に位置する「小澤酒造」に到着!

元禄15年から酒造りを営む小澤酒造。江戸時代から300年以上続く歴史と酒造りを、間近に感じることができます。

「澤乃井」の歴史を知る

小澤酒造蔵入り口 まずは、酒蔵を見学。定休日以外は毎日実施していて、参加は無料です。(予約制) 小澤酒造見学1 「澤乃井」がある地域はその昔「沢井村」と呼ばれ、その地名から命名したもの。「沢井」とは、豊かな名水が沢となって流れるところからつけられた地名です。

小澤酒造の歴史を聞き、いよいよ蔵の中へ。元禄蔵は、その名の通り江戸時代・元禄からある蔵。 小澤酒造蔵内作業風景 中に入るとひんやりしていて、お酒の香りも漂ってきます。

説明を聞いていると「ちょっとすみません」と言いながら、蔵人さんがガラガラと荷物を運びながら通りすぎていくこともしばしば。蔵見学の醍醐味ですね。 貯蔵用のホーロータンク

貯蔵用のホーロータンク

一番上の数字はタンクの番号、二番目には容量が書かれています。1升瓶(1.8L )でおよそ4500本分のお酒が入っているそう!

酒米の説明風景

発酵後はうしろの機械で搾ってお酒と酒粕にわけられる

日本酒の原料である酒米「山田錦」の磨く前と後。「大吟醸 凰(こう)」に使う精米歩合35%のお米、つまり磨く前を100%とすると35%になるまで磨いたお米は、とても小さくなっています。

削って出た外側の栄養たっぷりの「ぬか」は、糠問屋さんのもとへ。家畜の餌に混ぜられたり、団子、せんべいや柿の種の原料になったりと実はわたしたちの身近なところに使われているんですね。 小澤酒造内明治蔵の階段 続いて現れた、明治蔵の階段。以前はこの階段を使って、蒸した米を人力で運んでいたそうです。

米を冷ましたり、麹をつくったりという作業をしていた場所であり、はやく、たくさん運べるように角度が急になっているのだそう。それにしても50度以上はあるのでは…。 小澤酒造見学2 そして、なんといっても水がとにかくきれいなこの地域。貴重な湧き水を見られるのがこの蔵見学のみどころ! 澤乃井を造るふたつの湧き水 ミネラルの多い中硬水、穏やかな軟水の2つの水が湧く地域、沢井。江戸時代後期、蔵の裏手から水がしみだしているのを発見し井戸を掘ったところ、出てきたという湧き水を見ることができます。 小澤酒造井戸1 ダンジョンの入口のような雰囲気にわくわく。 小澤酒造井戸2 入っていくと… 小澤酒造内湧き水 なぜ横に掘られたのかは定かではないそうですが、横に掘られた「横井戸」は140メートルにも及びます。重機のない江戸時代、のみなどで掘られたのだそう。 小澤酒造内湧き水をのぞく 澤乃井のお酒は、前回の浅野日本酒店で味わいましたが、そのおいしさの理由の一部がわかった気がします。この水の透明度は、ぜひご自身の目で見てみてくださいね。

社長に聞く!澤乃井の楽しみかた

酒造見学のあとは、広い敷地の楽しみかたを、小澤社長に案内していただきます!

小澤酒造 代表取締役社長 23代目当主

小澤酒造小澤社長

小澤 幹夫(おざわ みきお)さん

・澤乃井で好きな銘柄:純米吟醸生酛 東京蔵人

酒蔵がある敷地から道路の下の通路を通って、多摩川のほとりにある庭園「清流ガーデン澤乃井園」へ。

澤乃井園

「澤乃井きき酒処」できき酒体験

澤乃井きき酒処 まずはきき酒処。ここでは、常時10種類ほどのお酒が楽しめます。 澤乃井きき酒処でお酒を注いでもらう まずは、しぼりたての新酒「一番汲み」をいただきました! 澤乃井きき酒処で唎酒体験

石川:う~ん!とってもきれい!新酒、というと荒々しいイメージがありましたが、上品さにびっくりしました。

小澤社長:新酒の出来は「その年の味を左右する」と言われ、どんなお酒になったかの判断基準になるんです。今年のお酒は期待できますね!

小澤酒造_きき酒処

本日の「きき酒リスト」
しぼりたての「一番汲み」はNo.11でした!

注いでもらった5勺(90ml)のきき猪口をもって新しいお酒を注文すると100円引き。つまり、100円~おかわりが飲めちゃうのも嬉しいポイント。これはこれは楽しいところにきてしまいました。おつまみも買えるので、ここで全種類飲むかたもいるのだそう。

雄大な自然を見ながらの外飲み

小澤酒造雄大な自然を見ながらの外飲み きき酒処を出ると東屋があり、売っているおつまみやお酒を外で楽しむことができます。 小澤酒造内澤乃井売店

石川:きき酒もいいですが、外で飲むのも贅沢ですね。 おすすめの楽しみかたはありますか?

小澤社長:きき酒処で軽く飲んだあと、東屋に移動して、好きな本を読みながら昼からだらだら飲む…なんて過ごしかたをされるお客さんを見ると「お、上級者だな」と思いますね。ほかにも山に囲まれているので、ハイキングがてら山を楽しみ、そのあと澤乃井に移動してお昼ごはんを食べながら飲むのもおすすめです。

楽しみかたは十人十色!グループで来ても1人で来ても楽しめそう!

おいしい水で仕込んだ豆腐を味わう

水がきれいなこの地域、おいしいのはお酒だけではありません。実はここで作っている豆腐も人気なんです。

豆らく

敷地内にある、豆腐料理が味わえる「豆らく」にもお邪魔します。

豆らく炒り豆腐膳

炒り豆腐膳

なめらかで濃厚なおぼろ豆腐は絶品(写真左上の小鉢)。炒り豆腐もしっかりと味が染みているうえ、湯葉も乗っていて食感も楽しい。お膳についている小鉢もどれもおいしく、それだけでもお酒が進みます。時間があれば、お店に入ってゆっくりお酒を楽しむのもいいですね。

小澤社長の想い

小澤酒造小澤社長へのインタビュー1 テーマパークに来たのかと錯覚してしまうほど、食べて飲んで見て感じて…と満喫しました。最後に、小澤社長にお話を伺いました。

石川:今日は楽しかったです!昔からこの一帯は観光地なんですか

小澤社長:300年前は林業がさかんで、一部で酒造りをしていました。今の酒蔵見学が始まったのは実は祖父の代で、昭和41年からです。実はまだどこの蔵でも「見学」というシステムはなく、とても画期的な試みでした。というのも当時は酒蔵にお客さんが行くという「工場見学」というものは存在しなかったんです。業界でも初めてというほど、同業者が見に来るくらいの先駆けでした。

石川:今や一般化している酒蔵見学ですが、なんと小澤社長のおじいさまのアイデアだったんですね!

小澤社長:アイデアマンの祖父に、なぜ思いついたのか聞いたんです。昔は一般市民が飲むお酒と言えば日本酒がスタンダード。つくれば売れる時代でした。そこでテレビCMを打ったのですが、CMの値段が高くて深夜にしか流せず…。「澤乃井さんのテレビCMなんて見たことない」と周りに言われたそうです。CMがだめなら、違う形でお客さんに知ってもらわなければ!と酒蔵見学を思いついたんだそうです。

なるほど、いわゆる「観光蔵」という立ち位置を築いたのは小澤酒造が最初だったんですね。

小澤酒造地図

蔵のほかにもギャラリーやバーベキュー場など一帯で楽しめる

『東京のきれいな水で仕込んだ東京産のきれいな酒』

小澤酒造小澤社長へのインタビュー2石川:00澤乃井のお酒の特長とは?

小澤社長:やはり”水”ですね。この「沢井村」という水を連想させる名前の地域は何百年も前からあり、「澤乃井」というブランドネームも沢井村からとっているので、水とともに歴史を歩んできています。水は「日本のあそこがおいしい!」といってもタンクローリーで運んでくるわけにもいかないですし、水や液体は令和になっても、移動するのはリスクがあり大変。僕たちは水がここにあることが強みであり、特長です。これからも湧き水を使ってつくっていくのがうちのスタイルですね。

石川:沢井が澤乃井の原点なんですね。お酒はもちろん、お豆腐もおいしかったです。水の大事さを実感しました。

小澤社長:豆腐も水が大事。水の良し悪しが豆腐の味を左右します。今後はカフェもオープン予定です。コーヒーは98%水なので、おいしいコーヒーを飲んでいただけたらと思います。東京にうまい水?ホントかよ、と言われそうですが、ぜひ” 東京のきれいな水で仕込んだ東京産のきれいな酒 ”を飲んでほしいです。

今後の展望

小澤酒造小澤社長へのインタビュー3石川:幹夫社長はどんな蔵にしていきたいですか?

小澤社長:祖父が築いた”観光蔵”でお客さんが楽しく飲んでいる姿を見て、自分も飲むのがとても楽しいんです。酒飲み同士のコミュニケーションって楽しいじゃないですか。コミュニケーションをとるときに、その媒体が澤乃井だったら最高です!今後はインバウンドにも力を入れて、海外のかたも来て飲んでもらえたら嬉しいです。

小澤酒造に行ってみよう!

小澤酒造見学、きき酒、豆腐料理や紅葉狩りと、奥多摩の自然を満喫できた一日でした。東京にきて3年経ちますが、実は都内で紅葉をゆっくり楽しんだのは初めてでした。

澤乃井醸造元
小澤酒造
【住所】東京都青梅市沢井2-770
【アクセス】JR青梅線 沢井駅より徒歩3分
【定休日】月曜日(祝日の場合は火曜日)
【HP】http://www.sawanoi-sake.com/
【Twitter】@0m4tHv0r8GpoyRd
【Instagram】@sawanoi_sake

小澤社長:新緑の時期と秋がおすすめです。ぜひいらしてください!

石川:非日常を味わえるショートトリップ、リフレッシュできました。ありがとうございました!

Profile

石川 奈津紀

仙台市出身でNHK山形、NHK仙台でキャスターを務めたのち2018年から東京でフリーアナウンサーとして活動。 現在はBSテレビ東京の朝の番組「日経モーニングプラスFT」に出演中。 日本酒を健康的に楽しみ、飲みながら痩せる「NOMIYASE」をSNSを中心に発信している。唎酒師。ダイエットプロフェッショナルアドバイザー。

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