【にごり酒とは?】お酒の解説と楽しみ方を学ぼう!アレンジしても美味しい!
「にごり酒」とは一般的な日本酒に比べ、読んで字のごとく白くにごったお酒です。
ところで、なぜ「にごり酒」はにごっているかご存知でしたか?また見た目が似ている「どぶろく」との違いも気になりますよね。
今回はにごり酒の特徴や製法を解説していきながら、にごり酒の楽しみ方や、他のお酒との違いも紹介していきます。
また、にごり酒をそのまま飲むだけでなく、一風変わったアレンジも試してみましたので、お酒の理解が深まるだけでなく、にごり酒の様々な楽しみ方を発見できる内容となっています。
「にごり酒」とは?どんなお酒?
にごり酒とは読んで字のごとく、一般的な日本酒に比べ固形物の多い、白く濁った状態のお酒のことです。
またにごり酒を辞書で引いてみると、
濁り酒(にごりざけ)とは、麹(こうじ)の糟(かす)を漉(こ)してない、透明ではない白く濁った酒。
「にごり酒」なぜ?にごってるの?
それでは、なぜ透明ではなく白くにごっているか解説していきます。
日本酒を造る過程で日本酒と酒粕に分離する作業があります。一般的な日本酒が無色透明な理由は、この日本酒と酒粕に分離する工程で、酒粕部分をしっかり取り除いているためです。
その一方でにごり酒は、目の粗い布などで搾るのが特徴です。
「なぜ、にごり酒は濁っているのか?」この疑問も解決できそうですね。
白くにごっている理由は、酒粕として分離されずに余った部分(固形物)が沈殿しているためです。 瓶の下には固形物(酒粕として分離されなかった個体)が沈殿しています。銘柄によってにごり具合も様々です。
2種類の「にごり酒」
にごり酒は数種類に分類されます。代表的な名称では「おり酒」「ささにごり」「うすにごり」「活性にごり」などがあります。
ここでは大きく2つのタイプに分け、それぞれのにごり酒の特徴や飲み方などを解説していきます。
まろやかな「にごり酒」
まろやかでコクのある「にごり酒」は、炭酸ガスが残っていない、とろとろしたにごり酒です。一年を通してコンビニやスーパーで見かけることができるにごり酒は「まろやかでコクのある」にごり酒が多いです。 「どぶろく」造りで有名な白川郷のにごり酒は、非常にコクがあってまろやかなお酒です。そしてとっても甘口。こちらのにごり酒はスーパーで手軽に買えるのも嬉しいですね!
にごり酒はカップ酒でも販売されているため、気軽に試したい時にはおすすめです。
>>関連記事:カップ酒では珍しいにごり酒。量もちょうど良いカップ酒だからこそ色々楽しめる
シュワシュワな「にごり酒」
活性タイプのにごり酒は炭酸を含みプチプチ感が楽しめます。一般的に活性タイプのにごり酒は冬季限定で発売されることが多く、限定酒として人気のにごり酒です。 シュワシュワした活性タイプのにごり酒は、お酒を瓶に詰めた後も発酵が継続しているお酒です。炭酸ガスを含んだにごり酒は、シャンパンのようなシュワッとした刺激を味わえます。
一般的に、活性タイプのにごり酒は冬季〜春先限定で発売されることが多いです。
最近ではピンク色をしたにごり酒もあり、お花見にぴったりなお酒ですよ。
>>関連記事:お花見に持っていきたい日本酒!デザートのようなピンク色のにごり酒
にごり酒の楽しみ方
つづいては、にごり酒の楽しみ方を紹介します。にごり酒は固形物での「酒粕」が残っているお酒のため、液体と固形が分離しているお酒が多いです。
最初から混ぜて飲んでも良いですが、ここでは2パターンの飲み方を紹介します。
お酒を混ぜずに飲んでみよう
上の方にできる澄んだ部分(上澄み)をまずは飲んでみましょう。華やかな香りや、活性タイプのにごり酒などは、微炭酸のプチプチ感を楽しめます。
今回味わったにごり酒は、スパークリング日本酒ほど爽快なのどごしは無いですが、穏やかでフルーティーな味わいの中に程よい微炭酸が含まれています。
ゆっくり混ぜて飲んでみよう
つづいては、にごり酒を混ぜて飲んでみましょう。にごり酒を混ぜる際にはゆっくりゆっくりと、沈殿している固形物を優しく上下に混ぜましょう。
特に活性タイプのにごり酒は炭酸ガスを含んでいるため、混ぜた後の吹きこぼれには注意しましょう。 グラスに注がれたにごり酒はトロトロで華やかな香りを楽しめます。今回のにごり酒はアルコール度数が17度〜18度と少し高いですが、濁り部分に含まれるお米の旨味と甘味によって、とても飲みやすい味わいでした。
にごり酒と一緒に食べたい料理
まろやかなにごり酒はチーズ、クリーム系、ちょっとピリ辛な韓国料理など、味がしっかりした料理と相性が良いとされています。
また、シュワシュワした活性タイプのにごり酒は、油で揚げた料理もおすすめですよ。
にごり酒と合わせたい「韓国料理のおつまみ」を作ってみたので、気になる方はこちらからご確認ください。
>>関連記事:日本酒と韓国料理でカンパイ!自宅で簡単に作れる韓国おつまみと日本酒のペアリング
にごり酒をアレンジしよう!
そのまま飲んでも十分美味しいにごり酒ですが、人によってはアルコール度数や、お米の旨みや甘みを強く感じてしまうかもしれません。
そんな時はちょっとしたアレンジを加えてみてはいかがでしょうか。
にごり酒をロックで
氷が入ったグラスへにごり酒を入れるだけ。お好みでライムやレモンを少し搾っても美味しいですよ!暑い夏にはぜひ試して欲しいアレンジ方法です。
にごり酒ハイボールも美味しい!
にごり酒にソーダを入れて完成「にごり酒ハイボール」。にごり酒2:ソーダ1がおすすめの飲み方。にごり酒の濁り具合、アルコール度数、炭酸具合によってソーダを入れる比率を調整してみてください。
その他にも一風変わった、オレンジジュースやビールを使ったにごり酒のアレンジを試してみました。こちらの記事で詳しく紹介しています。
>>関連記事:美味しい『にごり酒カクテル』5選!にごり酒をアレンジして楽しもう!
「にごり酒」の保存方法や賞味期限
にごり酒の保存方法や賞味期限について解説していきます。
にごり酒の保存方法について
にごり酒の保存方法は、基本的に冷蔵庫での保管がおすすめです。特に活性タイプや生酒で販売されているにごり酒は、火入れと呼ばれる加熱処理をしていないため、一般的な日本酒に比べ味や香りが変化しやすく、繊細なお酒です。
一方でコンビニやスーパーで常温コーナーに陳列されているにごり酒は、生酒に比べ味や香りの変化がゆっくりです。そのため、太陽光や高温を避けた場所で保管することできますが、味の変化が気になる方は冷蔵庫で保管するのが無難です。
にごり酒の賞味期限について
日本酒はアルコール度数15%前後が一般的であり、開封しなければ腐敗することはまず無いと考えられています。ただし、時間経過による変化(熟成による香味の変化)は必ず起こります。
開封後は、約3週間程度で日本酒を飲みきってしまうのが、美味しく日本酒を楽しめる期間といえるでしょう。
また「生酒のにごり酒」は、加熱処理をしていないため、かなり状態が変化しやすく、開封後はなるべく早めに消費することが望ましいです。
にごり酒と「どぶろく」の違いは?
にごり酒と見た目が似ているどぶろくとの違いを解説していきます。
にごり酒は日本酒を造る過程で日本酒と酒粕に分離する作業があり、目の粗い布などで搾るのが特徴と説明致しました。そのため濾過しきれなかった固形物(酒粕)が液体に含まれ、にごっている状態のお酒です。
どぶろくは濾過をしていない日本酒
男鹿のお酒「どぶろく寒風山」
そのいっぽう「どぶろく」は日本酒と酒粕に分離する作業を行わずに販売されているお酒です。そのため、どぶろくはにごり酒に比べ、とろみやコクを感じやすく、濾過していないお米の旨味も楽しめます。
また、酒税法(お酒に関する法律)では、「固体と液体にわける」工程を経なければ、「清酒(≒日本酒)」と名乗ることはできません。
にごり酒と「マッコリ」の違いは?
白くにごったお酒として有名なのが韓国のお酒「マッコリ」です。それではにごり酒とマッコリの違いは何でしょうか?
にごり酒やどぶろくの原料は基本的にお米のみですが、マッコリはお米の他にもジャガイモやサツマイモ、トウモロコシなどを使用することがあります。
またアルコール度数に目を向けると、にごり酒やどぶろくは15度〜16度であるのに対し、マッコリは6〜8度とアルコール度数が低いのが特徴です。マッコリは酸味や炭酸ガスを感じやすく、にごり酒やどぶろくよりもライトな感覚で楽しめるお酒です。
「にごり酒」のまとめ
今回はにごり酒について、にごり酒のお酒の特徴や楽しみ方、またアレンジ方法やその他のお酒との違いを解説しました。最後にこの記事のまとめを紹介します。
- にごり酒は白くにごった日本酒のこと
- にごっている理由は、酒粕として分離されずに余った部分が沈殿しているため
- 「まろやかな味わい」や「炭酸ガス」を含んだ数種類のにごり酒がある
- 飲み方やアレンジ方法などもぜひ試してみてください
- 「どぶろく」や「マッコリ」も白くにごったお酒。
にごり酒の解説はいかがでしたか?一般的な日本酒だけでなくにごり酒やどぶろくなど、にごったお酒もぜひ楽しんでみてください。