日本酒初心者向け!簡単な知識とラベルから日本酒の味わいを学びましょう!
お酒が大好きでほぼ毎日飲んでいますが、日本酒だけはどれを飲めば良いのかさっぱり検討がつきません。いつも決まって飲むのはウーロンハイ、レモンサワー、ハイボール。
30歳を目前に控え「いいお酒を楽しむ」ことを覚えたい・・・。特に日本酒について知りたい・・。
そうだ、日本酒の先生に話を聞いてみよう!
ということで、日本酒初心者向け日本酒の楽しみ方や、正しい飲み方を教えるアサノノリエさんに突撃!先生、日本酒について手取り足取り教えて下さい!
日本酒の先生!アサノノリエさん
アサノノリエさん
にほんのもの応援社「和altz(わるつ)」代表。ソムリエとして活躍しお酒に関する様々な資格を取得。女性、外国人、若者、日本酒ビギナーをターゲットに日本酒文化を伝える活動をしている。
岸本:アサノさん!はじめまして!お手柔らかにお願いします!
アサノさん:こちらこそ!まず日本酒の成り立ちから学んでいきましょう!しっかりついてきてね!笑
日本酒について学んでいこう!
アサノ先生と岸本
日本酒とは?どんなお酒?
岸本:そもそも日本酒ってどういうお酒ですか?ビールやレモンサワーの他のお酒との違いを教えて欲しいです!
アサノさん:日本酒を知る上で世界のお酒と並べ、どういう立ち位置にあるかまずは学んでいきましょう。 お酒は大きく分けて3つ。「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」です。
醸造酒、蒸留酒、混成酒
日本酒は醸造酒に分類され、元になる農作物を発酵させる最もシンプルな製法でワインやビールと同じカテゴリーです。
アサノさん:日本酒の原料はお米と水です。弥生時代から始まった稲作からできたお酒は神様に捧げる神聖で高価な物でした。お米を食べる日本人にとっては最も馴染み深いお酒ですね。
アサノ先生!めちゃくちゃ勉強になってます!
お酒で酔うとは?
アサノさん:お酒を飲めば酔っ払いますね。酔う事は敬遠されがちですが、昔の人達は酔う事は神様が降りて来るとか、神様の領域に近づけることができるもの、いわば神様と繋ぐものとして考えられていたそうですよ。
岸本:なるほど!神様と喋れるから神聖なものだったんですね。興味深い・・・。
アサノさん:その後、お酒は神様や天皇や偉い方のために捧げる「神聖なもの、高価なもの」や「無病息災や豊穣を祈願」するためのものだけでなく、「楽しむもの」に変化していきます。しかしながら、戦中や戦後の物資不足の頃は、質の悪いお酒が大量に出回りとても楽しめるものではなくなりました。
「金魚酒」と呼ばれる、金魚が泳げるほど水で薄めて提供されていた時代もあるそうです。その時代の人達にとって日本酒は美味しくないものとして認識されていたかもしれません。
現代は「日本酒2.0」
アサノさん:そこから時代は変わって岸本さん世代の日本酒に対するイメージは「何かカッコ良さそう」になってきています。私の世代だと中年の男性が飲むものというイメージでしたが、オシャレなイベントも開催されターゲット層を若者にシフトする傾向にあります。
岸本:オシャレなラベルの日本酒もたくさんありますよね!僕もジャケ買いしたことあります!
オシャレなデザインの日本酒も人気!
国内の日本酒の消費量は年々減少してますが、高品質の日本酒の売上げは増加傾向にあります。海外でも人気が高く輸出量も増え、日本酒=ただ酔うだけのお酒から、美味しく飲む為のお酒に変わってきているのです!
アサノさん:コロナ禍で家飲みが増えたことで、誰かと飲むより自分で楽しむ為にお酒を買っている消費者も増えてきたようです。あと美容効果もあるので若い女性にも人気になってきているんですよ!
岸本:外で飲めなくてストレスが溜まっていましたが、考え方を変えると良いお酒と接する絶好のタイミングだったんですね!
それでは自分に合った日本酒を見つける為、日本酒の種類と特徴を聞いていきましょう!
日本酒の種類や特徴を学んでいこう!
アサノさん:今回は4つの日本酒を用意しました。
日本酒の銘柄一覧 ※左側から順番に
- 麒麟山酒造 麒麟山 超辛口
- 出羽桜酒造 出羽燦々誕生記念
- 大七酒造 純米生もと
- 藤居本家 旭日 猪鹿鳥 GIBIER
岸本:お酒の色が違うものがあるし、ラベルに書いている内容が全然違いますね!
アサノさん:それぞれを説明する上で欠かせない豆知識をまずは紹介しますね。
ついに日本酒登場!テンション上がってます!
日本酒の造り方について
日本酒の仕込み工程
アサノさん:日本酒は米(蒸米)と米麹と水を原料として「アルコール発酵」させます。その中でも酵母の働きが一つのポイントになります。
酵母って何ですか??
酵母の働きのイメージ
酵母は糖分をアルコールと炭酸ガスに変える働きをするため、日本酒製造において欠かせない微生物。
アサノさん:もともとお米は糖分がないので、麹菌の力で糖分を作るというプロセスが入るのが独特ですね。酵母は甘いものが好きで、お酒のもととなる甘酒状態になったお米の糖分をむしゃむしゃ食べます。食べたらゲップやオナラみたいな「炭酸ガス」と「アルコール」を出していきます。酵母の種類によって日本酒の味や香りも変わるんですよ!
なるほど!酵母っておもしろいですね!
日本酒の保管方法も気をつけよう
アサノさん:日本酒は基本的に冷蔵庫保管を推奨しています。特に生酒や要冷蔵とラベルに書いてある場合は必ず冷蔵庫に入れましょう。
岸本:(今まで日本酒を買っても常温保存していました・・。)ちなみに冷蔵保管しないとどうなるんですか?
アサノさん:生酒はまだ酵母や酵素が生きていて、常温で保管すると酵母などが悪い働きをして香味が変化します。生酒は牛乳と同じイメージで取り扱うのがおすすめ!常温で保管出来る日本酒もありますが冷蔵保管の方が安心ですね。
最近人気!「無濾過生原酒」
アサノさん:最近、居酒屋や酒屋で「無濾過生原酒」が流行っています。
岸本:ムロカナマゲンシュ?どういったお酒ですか?
アサノさん:「無濾過」とは名前の通り濾過していないという意味です。火入れをしていないお酒を「生酒」といい、「原酒」は水を加えずアルコール度数の調整をしていません。無濾過生原酒はフレッシュでジューシーな味わいでとても美味しいんです!
岸本:「無濾過生原酒」とっても気になります!ちなみに、、アルコールが強いと感じたら水で薄めるのって邪道ですか・・?
アサノさん:水を入れて飲んでもいいですし、アルコールが強い!と感じたら氷を入れて飲むことをお勧めします!
えっ!水と氷を入れても良いんですか?!
今まで抱いていた日本酒のイメージが段々と変化してきました。自由に楽しんで良いのかも?!
日本酒は特定名称酒と普通酒に分かれる
アサノさん:日本酒を大きく2つに分けると「特定名称酒」と「普通酒」に分かれます。 特定名称酒=プレミアムなお酒。普通酒=それ以外のお酒と覚えてください。
普通酒とは日常的に手軽に購入できるお酒で、例えばコンビニで簡単に買えるパック酒やカップ酒は普通酒が多いようです。
アサノさん:特定名称酒の方が、美味しそうと思われがちですが一概にそういうわけではありません。美味しくてパッケージがオシャレな普通酒も人気です。
プレミアムなお酒「特定名称酒」について
岸本:気軽に安価で美味しい日本酒が飲めるなんて最高ですね!プレミアムなお酒の特定名称酒についても気になっています!
アサノさん:特定名称酒は8種類に分かれます。種類が多いと感じるかもしれませんが意外と簡単なんです。①原材料に醸造用アルコールを含んでいるか②お米の精米歩合(どれくらい磨いているか)③吟醸造りをするかによってクラス分けされています。
理解しよう!特定名称酒!
「純米」はお米100%、醸造アルコールなし
アサノさん:まず原料で大きく2つに分かれます。純米と書いているお酒は醸造アルコールを入れず、お米100%で製造します。本醸造、特別本醸造、吟醸、大吟醸は醸造アルコールを使用しています。
醸造用アルコールとは酵母から出たアルコールとは別に添加するアルコール。防腐効果や、品質を安定させる効果があり、スッキリ淡麗な味わいを作ったり、吟醸の香りを引き出すことも。
岸本:純米の意味を初めて知って納得です。名前通りの造り方だったんですね!吟醸ってよく聞きますが何が他のお酒と違うんですか??
アサノさん:吟醸造りをしているお酒を総じて吟醸酒と言います。高価なお米をたくさん磨き、フルーティで華やかな味わいが特徴です。
岸本:なるほど!醸造用アルコールと純米と吟醸の違いは理解できました!アサノ先生!なんとなく日本酒について詳しくなってきた気がします!
今回は日本酒の基本的なことから豆知識までたっぷり教えてもらいました。日本酒の奥は深いですが楽しいですね!
さて盛り上がったところでいざ!待望のテイスティングへ。次回へ続きます!
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最後に「アサノ先生情報」
Profile
岸本
お酒をこよなく愛する三十路間近の徳島人。好きな飲み方は「安い居酒屋でグダグダ飲む」、好きな言葉は「おあいそ」。特集企画を通して日本酒勉強中!