【美味しい燗酒の作り方】道具から作り方まで徹底解説
今年の冬は良く冷えて寒い日が続きますね。寒い日が続くと温かい「燗酒」が飲みたくなりますよね。そこで今日は美味しい「燗酒」のつけ方を紹介していきます。
今すぐ試せるとても簡単な「燗酒の作り方」ですので、皆さんも寒い日にはお燗を楽しんでみてください。
美味しい燗酒の作り方
燗酒の作り方は大きく分けて「湯煎」と「電子レンジでチン」の2パターンがあります。他には、蒸し器に入れて温める「蒸し燗」、やかんにお酒を入れて直火で温める「直火燗」などがありますが、基本はこの2パターンになります。
出典:日本酒造組合中央会「冬は燗酒でココロもカラダもぽっかぽか」
電子レンジを使ってお酒を温める
最も気軽なのは「電子レンジでチン」ですが、温度ムラが出来やすく、狙った温度にするのが難しいので、一番おすすめなのは湯煎です。
湯煎でお酒を温める
ただ、湯煎は鍋でお湯を沸かすのがとても面倒なので、燗酒をつけるモチベーションが下がってしまいます。そこでオススメなのが、電気ケトルを使ったつけ方です。私も普段、電気ケトルを使って燗をつけているので、今回は電気ケトルを使ったつけ方を紹介していきます。
電気ケトルで燗酒を作っていこう!
まずは燗酒を作るのに必要な道具の紹介をしていきます。今回、紹介するのは私が持っている実際の私物ですが、必ずしもこれがないとダメということではなく、一つの例として参考にしていただければと想います。
燗酒をつける一番のコツは「あるものでつける」ことです。特別な道具は必要ないので、自分の持っている道具でつけることが燗酒への一歩です。
燗酒キット①「電気ケトル」
まず、電気ケトルですが、私の家にあるのは「T-fal」なので、これを使っています。フタの直径が大きいので、大きめの徳利やチロリが入るので便利です。 最近、珈琲を淹れるために、電気ケトルのコーヒーポットを買ったので、こちらも使い始めました。こちらの電気ケトルの場合、温度設定が出来て、保温もできるので便利です。
燗酒キット②「チロリ」
お酒を入れる定番の容器はチロリで、左が銅製で、右がアルミ製です。アルミのチロリは、アマゾンで600円くらいで買えるので、最初の一つにオススメです。真ん中の段差があるところの線まで入れると一合で、上の線まで入れると二合になっていて、目盛りがついているのがとても便利です。
ちなみに、取っ手の部分は熱くなるので、タコ紐で巻いています。銅のチロリは値段が高いので、拘りたい方向けです。この銅製のチロリは薄いので2,000円くらいでした。アルミも銅も熱伝導率が高いので、早く温度が上がるのが特徴です。
燗酒キット③「空き瓶」
チロリなんて持ってない!という方は、お酒を飲んだ後の空き瓶とかでも大丈夫です。むしろ私は、空き瓶でつける時が多いです。試飲会でも、蔵元が「T-fal」に四合瓶をぶっ込んでいたりすることがあります。アルミや銅よりも熱伝導率が低いので、ゆっくりと温度が上がるのが特徴です。
燗酒キット④「温度計」
温度計は無くても良いのですが、何度くらいか知りたい時に便利です。温度計を使うか使わないかは性格によるのでお好みで。 最近は赤外線の温度計もあるので、こちらも便利です。ちなみに、この温度計ですが、蔵見学に行った際、酒母の温度を計るのに使われていることがありました。酒造用の温度計よりも精度は劣るものの酒母の温度はそこまで厳密に計らなくても良いそうで、衛生的であることと手軽に計れるのが良いとのことで使われていました。
>>関連記事:冬なら熱燗!初心者から上級者まで!おすすめ熱燗キット5選!
燗酒の温度について
まずは温めた日本酒の呼び名について解説していきます。実は燗酒は温度帯によって呼び名があり、「熱燗」という呼び方は約50℃の燗酒のことを言います。各温度帯に素敵な呼び名があるので、できれば呼び名を使えるようにしたいところです。特に燗酒の呼び名はお店で注文するときも使えるので覚えておくと便利ですよ。
出典:日本酒造組合中央会「&SAKE 二十歳からの日本酒BOOK
燗酒におすすめの日本酒とは
正直、好みとかもあるので一概には言えないので、最初は自宅にあるお酒で色々な温度帯で燗をつけてみるのが良いかと思います。個人的にはどんなお酒でも燗で楽しめると思っているので、あまり難しく考える必要はないです。
また、生酒は燗向きではないと言われたりもしますが、試してみると普通に美味しいものもあるので、とりあえずなんでも試してみることが大切です。大手メーカーでは、裏ラベルにおすすめの温度帯が記載されていることが多いので、参考にしてみるのも良いかもしれないです。 また、非常にざっくりとした目安ですが、特定名称ごとに向いている温度帯もあるので、参考にしてみるのも良いかもです。
出典:日本酒造組合中央会「冬は燗酒でココロもカラダもぽっかぽか」
燗酒に使用した日本酒「喜楽長 純米吟醸 ゆる燗」
今回、燗をつけるお酒は滋賀県東近江市に位置する「喜多酒造」の「喜楽長 純米吟醸 ゆる燗」になります。今回始めて発売された燗酒専用のお酒で、43℃のぬる燗が推奨されているお酒になります!早速ですが、燗をつける前にテイスティングしてみましょう!
テイスティングコメント
※このチャートは相対的な味わいのバランスを表しています。
※テイスティングは、ISOグラスで室温20℃で行っています。
日本酒の香り
非常に穏やかな香りで、わずかに白玉の香り。
日本酒の味わい
シャープでありつつも、丸みのある味わい。酸味と甘味のバランスが良く、口当たりは軽い。口中香で、程よく熟したバナナを感じる。喉越しのキレは良く、余韻は短い。
燗酒を実際に作っていこう!
こんな感じに準備をして、お燗をつけていきましょう!お湯の温度は目指す温度にもよるのですが、70℃くらいで良いと思います。飛び切り燗(55℃以上)にしたい場合は、75℃以上にしても良いと思います。 今回の目標温度は43℃ですが、ピンポイントでつけるのはなかなか難しいです。少し温度を上げすぎてしまった場合は、お酒を継ぎ足して調整します。 43℃の温度にできました!狙ったわけではないですが、たまたまジャスト43℃になりました。普段はあまりしないですが、今回はシビアに温度が指定されているので、お湯をおちょこに注いで温めた後に、お酒を注ぎます。
自宅でつくった燗酒は美味しい?
今回のお酒は比較的軽いタイプのお酒だったので、味わいのバランスの変化はあまりなく、温度のみの変化という印象でした。常温でもバランスの良い味わいだったので、そういう意味でぬる燗という温度でゆるりと味わえるお酒でした。
燗酒を作る時に気を付けるポイントは?
お燗をつけるのは料理に近いと思っていて、素材の持つ良さを引き出すために何ができるのかということを考えながらお燗をつけています。お燗の場合、基本的に温度を変えることしかできないので、目標温度と温度を上げるスピードがとても大切になります。
お酒によってはあまり温度を上げすぎると極端に味わいのバランスが崩れてしまうので、最高のお燗をつけるためにはそのギリギリを狙います。
また、豊かな味わいのあるお酒だと味わいを引き出すために、じっくりと温度を上げてお燗をつけますが、すっきりとしたバランスの良いお酒だと、バランスを崩さないために、サッと温度を上げます。そのために、熱伝導率の高いチロリや熱伝導率の低い瓶を使い分けてお燗をつけています。
美味しい燗酒と一緒に食べたい料理
ペアリングというほど大それたものではないですが、燗酒と一緒に食べるものでは、鯛の昆布締めが好きです。燗酒で温められた舌の温度で、鯛の昆布締めの旨味を最大限に感じることができてとても美味しいのでオススメです。
ただ、今回はぬる燗で温度が少し低かったのと、比較的スッキリとしたお酒だったので、バッチリ相性ではなかったですが、味わい深い燗酒と合わせるとバチバチにハマるので良ければ試してみてください!