三軒茶屋で”新感覚SAKE体験” WAKAZE TOKYOオープン!
「日本酒を世界酒に」をビジョンに掲げ、東京・三軒茶屋でSAKEを造る日本酒メーカー「WAKAZE」。
おととし、フランスに2か所目の自社醸造所「KURA GRAND PARIS」を立ち上げ、国を超え新たな挑戦を続けています。
今回は三軒茶屋の醸造所併設バルが来月、WAKAZE TOKYOとしてリニューアルすると聞きつけ、プレオープンに伺いました。
新感覚な”SAKE体験”スポットにリニューアル
これまでも、バル併設の醸造所として軽く1杯~しっかりお肉料理まで、WAKAZEのお酒と幅広いお料理を楽しめるスポットだった「Whim SAKE&TAPAS」。
どのようにリニューアルされたか訪問前から期待が高まります。
店長:田辺 真歩(たなべ・まほ)さん
田辺さん:これまではバルスタイルだからこそ気軽にお越しいただけました。一方で、WAKAZEのお酒は山形・鶴岡、三軒茶屋、パリと、造られる場所も種類も多く、世界観を楽しんでいただくにはなかなか難しいと感じていたんです。
WAKAZEの世界観を体験できる空間へ
田辺さん:WAKAZEの世界観を存分に楽しんでいただける一番のお店でありたい。また、それぞれの地域で作っている多様なお酒の文化を楽しんでもらう場所でありたい。その想いから予約制のコーススタイルへと一新することにしました。
リニューアル前も気軽に訪れて一息つける場所ではありましたが、より落ち着きのある、大人な空間に。趣もがらりと変わり、木目調でナチュラルな空間からモダンでクラシックな空間に生まれ変わりました。
そして、なんといっても気になるのが「体験」という言葉。入った瞬間から素敵な空間を存分に味わえ、すでに「何がはじまるんだろう」と高まるワクワク。”SAKE体験”待ちきれません!
驚きやワクワクを体験!月ごとのペアリングコース
WAKAZE TOKYOは完全予約制で、毎月1種類のペアリングコースのみ。なんと毎月テーマもお料理も全て変わるのだそう。9月のテーマは「太陽と月」。
お料理を担当するのは、パリ醸造所の立ち上げに携わり、蔵人も経験した小林シェフ。いったいどんなコースなんでしょうか。
シェフ:小林 弘明(こばやし・ひろあき)さん
小林シェフ:今月は米づくり、酒造り、自然の移ろいからインスピレーションを受けたテーマとなっています。 秋分の日やお月見がある9月は、月を愛で、収穫を祝う月でもあります。
WAKAZEの歴史を感じられるペアリングコース
小林シェフ:WAKAZEの最初のお酒が太陽と月を意味するORBIA「SOL」と「LUNA」であることから、WAKAZE TOKYO最初のペアリングコースも「太陽と月」にしました。日の出からはじまり、月が出る時間に向けてコースをお出ししていきます。
ORBIA LUNAとSOL
お酒に合わせてメニューを毎月変える”SAKE体験”を演出できるのも、醸造所併設のレストランだからこそできる技なんですね。毎月通ってしまいそうです…。
「太陽と月」をイメージしたSAKE&FOODS
最初のカクテルも「SOLサンライズ」―つまり、太陽がのぼるところから始まります。
カクテル「SOLサンライズ」からいただきます
料理は三軒茶屋醸造所で酒造りの際に出た酒粕や、自家製の塩麴、醤油麹や甘酒を使った発酵料理をベースにしています。
WAKAZE創業の地である山形県庄内地方。三軒茶屋醸造所で造っているほとんどのお酒にも山形県のブランド米「つや姫」が使われ、コース料理も山形の食材をメインに使用しています。
それ以外も塩や油に至るまで、産地のわかる、より透明性の高い食材を使っています。
シェフが農家と直接やり取りして厳選するということで、食材にも想いの強さが伺えます。
天然鮎と翡翠なすのコンフィ だだちゃ豆ソース
小林シェフ:鮎は日の出と日の入りの3時間だけ水草を食べるため、お皿の左半分には差し込む夕日を表現しました。 水草を食べた鮎は「うりっぽさ」が残ると言われるのに合わせ、お酒はスイカモヒートを
またスイカの名産地である山形県尾花沢(おばなざわ)市に流れる川で取れた鮎を使うことで、同じ土地同士のペアリングも一緒に楽しめます。
スイカモヒート
「ペアリングは、もっと自由で楽しくていい」
素晴らしい料理の数々、なかでも特に印象に残ったのがこちら。「KURA GRAND PARIS 3種飲み比べ×チーズとシャルキュトリーの盛り合わせ」です。
KURA GRAND PARIS 3種飲み比べ
WAKAZEの歴史を感じるお酒3種類に、見た目はフランス、素材は山形産だだちゃ豆や庄内の豚を使ったお料理4種類です。
チーズとシャルキュトリー
この3種類×4種類という組み合わせにも、小林さんの想いが詰まっています。
小林シェフ:3つのお酒に対し、3品でなくあえて4品の料理を出しているのには「もっとペアリングは自由で楽しくていい」という意味を込めています。ご自身の舌で気に入るペアリングを探してみてください。
そう言われると、なんだかついつい食もお酒も進んでしまいます。「ペアリングってハードルが高いもの」と思われがちですが、シェフに言われたら、肩ひじ張らずに楽しめますね。
食べて飲むだけじゃない、五感で体験する世界観
田辺さん:石川さん、お気づきでしたか?実はBGMもペアリングの進行に合わせて変わっています。 今月は太陽や月をテーマにした音楽を流しているんですよ。
言われてみれば…!朝のフレッシュな音楽から、中盤はポップな音楽、そして夜にかけて落ち着いたしっとりした雰囲気に。いつの間にか、外が暗くなるにつれ、いい雰囲気に変わっていました。
変わっているのは、音楽だけではありません。 雰囲気たっぷりにライトアップされている醸造所のタンク。はじめはWAKAZEカラーの赤と青だったのが、気がつくと、夕暮れを感じさせる黄色とオレンジに変わっていました。
味わいだけでなく、WAKAZEという世界観を、目と耳と肌で感じて楽しめる、まさに五感での感動体験です。
SAKEの世界を広げる場所に
ペアリングコースで飲んだお酒は、お店でもオンラインストアでも10%オフで購入できるのも嬉しいポイント。
家でもペアリングを試せますし、「これおいしかったから、あれとも合うかな?」なんてチャレンジしてみるのも楽しいですよね。
広報:関 早希(せき・さき)さん
関さん:「食べておいしかったね!」ではなく、体験として記憶に残るような感動を提供できたらと思っています。 ペアリングにヒントを得て、おうちで日本酒やワインの消費にも繋げてもらえばそもそもの産業も盛り上がると思うんです。ここ、三軒茶屋からSAKEの世界を広げる場所を目指しています。
クラウドファンディング実施中
今回味わったコースは、実施中のクラウドファンディングのリターンにもなっています。お店でコースを体験できるほか、限定のお酒が届くリターンも。
クラウドファンディングの期間は9月29日まで!
田辺さん:わたしたちが最高だと思えるお酒のペアリングや、お客様自身でお酒の文化を実感していただけるような体験型のペアリングを提供していけたらと思っています。ぜひ、お待ちしています。
・住所:東京都世田谷区太子堂1-15-12
・(木・金)18:30~21:00
・(土・日)17:00-19:30 / 20:00-22:30
※各回ペアリングコース一斉スタート
・SNS:Instagram、Twitter
メインとなる「体験型SAKEペアリングコース」は7皿、お酒9杯で9000円(税込)。今後は、「生のどぶろく」を搾る「上槽(じょうそう)体験」も予定しているそうです。
10月は実りの秋。いまのところ「収穫」をテーマにコースを考えているということでした!
プレオープンに参加しましたが、とにかく「体験」という言葉に尽きるなと感じました。 おいしさをただ味わうだけでなく、お料理やお酒の楽しみ方にちょっとした発見があったり、内装を見ても色合いでパリを楽しめたり。ひとつひとつに想いがこもっているのが伝わってきます。
新たなWAKAZE TOKYOは、ひとりで来て静かに自分と向き合ったり、親しい人としっぽり語らったり…そんなひとときにぴったりの場所でした。10月のオープンを楽しみにしています!
Profile
石川 奈津紀
仙台市出身でNHK山形、NHK仙台でキャスターを務めたのち2018年から東京でフリーアナウンサーとして活動。 現在はBSテレビ東京の朝の番組「日経モーニングプラスFT」に出演中。 日本酒を健康的に楽しみ、飲みながら痩せる「NOMIYASE」をSNSを中心に発信している。唎酒師。ダイエットプロフェッショナルアドバイザー。