日本酒をロックで飲む!?暑い夏にオススメ!いつもの日本酒に氷をプラス!
皆さんは、日本酒をどんな温度で飲んでいますか?温度帯によって香りや味わいに変化が出てくる魅力的なお酒、それが日本酒!
今回ご紹介するのは、「冷酒」でもなく「冷や」でもなく「お燗」でもない…「日本酒+氷」の“日本酒ロック”です。
氷を入れて飲むなんて邪道じゃないの?…と思う方もいるかもしれませんが、実は昔からある飲み方なんですよ〜!日本酒をロックで飲むメリットやアレンジを知って、暑い日も楽しく乗り越えましょう。
日本酒ロックは粋な飲み方?
一般的にロックで飲むお酒としてすぐに思い浮かぶのは、ウイスキーや焼酎だと思います。アルコール度数が高く、力強い香りと味わいを楽しむのにロックで飲むという方も多いのではないでしょうか。
それと同様に、日本酒に氷を入れて飲むのが「日本酒ロック」。酒蔵さん発信で“ロックで飲むのに適した日本酒をつくりました!”というメッセージが出されたり、瓶のラベルにも“オン・ザ・ロックでどうぞ”などと書かれて販売されていたりしますよね。 ロック用の日本酒とまでは言いませんがロックで飲むのにぴったりな日本酒は結構多いんです。
このような飲み方がされるようになったのはつい最近のことなのか…というと、実はそうではないんです!
日本の古典である『日本書紀』に記述が残っていて、暑い日には氷室(氷を貯蔵する場所)から氷を取り出して、水やお酒に浮かべて飲んでいたそうです。冷凍技術などもちろんない時代ですから、氷はとても貴重なものでしたし、日本酒に氷を浮かべて飲むなんて、とても風流で粋な飲み方だったことでしょうね。
ロック以外にも実は色々な日本酒の割り方があります。こちらの記事も参考にしてみてください。
>>参考記事:日本酒を割ると美味しい?王道から奇抜な飲み方を試してみました!
日本酒をロックで飲むメリット
アウトドアに最適!
暑い季節になるとキャンプやバーベキューなど、屋外で日本酒を飲む機会が増えますよね。お気に入りの日本酒が冷えていなくても、コンビニなどであらかじめ氷が入っているカップを購入すれば、そこに注ぐだけでキンキンに冷えた日本酒ロックの完成です!おひとりさまでも気軽に飲める一合サイズのカップ酒からみんなでシェアできる一升瓶まで、ずっと冷たいままで楽しめますよ〜
初心者でも飲みやすい
氷を入れることによって口当たりがまろやかになったり、のどごしが軽快になるという変化がつくので、日本酒を飲み慣れていないという方にもチャレンジしやすいと思います。また、ゆっくりと氷が溶けていくことで、少しずつアルコール度数も下がっていきます。
日本酒を飲む時は基本的に、飲み過ぎや悪酔いをしないようにミネラルウォーターなどのチェイサー(和らぎ水)を合わせて飲むのがよいとされています。そのイメージで、お酒が弱いけど日本酒が好き!という方にはちびちび飲むのもオススメです。
作るのも簡単なのですぐに飲み始めることができるのも嬉しいですよね。
>>関連記事:日本酒初心者の方必見!飲みやすい3つの日本酒とは?お酒の選び方や飲み方の解説
料理との相性がよい
日本酒が氷で冷やされた状態なので、サラダやお刺身などの冷たい料理と組み合わせても、素材本来の食感や風味を損ねることなく、しっかりと寄り添ってくれます。また、フライや天ぷらなどの揚げ物と組み合わせると、脂っこさをすっきりと流してくれたり、口の中をクールダウンする役割を果たしてくれますよ。
ハーブやスパイスの香りが強い洋食や濃い味付けの中華料理などと合わせても、日本酒のお米由来の甘味と氷によるシャキッと感で相乗効果!美味しく様々な料理に合わせて飲むことができるのが日本酒ロックなのです。
>>関連記事:【日本酒おつまみレシピ35選】栄養士や料理研究家監修のオリジナルレシピを公開!
日本酒をロックで飲むのに適した種類
つづいては、ロックで飲むおすすめの日本酒の種類を紹介します。
原酒
一般的な日本酒は、もろみを搾ったあとに加水をしてアルコール度数を15 度前後まで下げています。そうすることで、味わいのバランスを調整して飲みやすくしているのです。それに対して「原酒」とは、その名のとおり加水していない搾ったままのお酒のことを指します。
ものによってはアルコール度数が20度になることも。ロックで飲むと、どうしても氷が徐々に溶けてくるので、味わいまで薄れてしまわないように、原酒を選ぶとよいでしょう。「そのままだと飲みにくかったなぁ…」という日本酒があったらぜひ試してみてください!
>>関連記事:日本酒一合は何ml?気になるカロリーやアルコール量を徹底解説!
生酒
「生酒(なまざけ)」とは、もろみを搾ってから出荷するまで、一度も火入れ(加熱)していないお酒のことを指します。多くの日本酒は、酵素の働きを止めたり、香味を悪くする原因となる菌を殺菌する目的で加熱処理をしています。生酒は基本的に要冷蔵なので、酒屋さんやスーパーでは、冷蔵スペースをチェックしてみてくださいね。
もともと冷やして飲むのに適しているお酒とされています。そのためもちろんロックでも美味しいのです! 搾りたてならではの華やかな香りやフレッシュ感を味わいたいという方におすすめですよ〜
>>関連記事:日本酒の生酒とは?5つのポイントを解説!おいしい飲み方や保存方法を学ぼう!
にごり酒
もろみを搾る時に、目の粗い布やザルを使ってお米や麹などをあえて残したままにする日本酒を「にごり酒」といいます。よく似たものに「どぶろく」がありますが、こちらは搾るという作業をせずにドロドロの状態のまま瓶詰めをするため、正式には日本酒(清酒)ではないということになっています。
にごり酒は瓶内で発酵していることもあるので、シュワシュワした発泡感やガス感があったり、シルキーな舌触りやお米の旨味をしっかりと感じられるのが特徴。ロックにすることで口当たりはなめらかに変化しますが、濃厚な味わいは薄れることなく最後まで楽しめます。
>>関連記事:【にごり酒とは?】お酒の解説と楽しみ方を学ぼう!アレンジしても美味しい!
「日本酒ロック」を自宅で作ってみよう
お気に入りの日本酒とグラスをよく冷やしておく
氷が溶けにくくするために、あらかじめ冷蔵庫などで冷やしておきましょう。この一手間がとっても大事!なにごとも準備が肝心でございます!グラスを冷やし忘れた場合は、次のステップで氷を入れた後にしっかりステアして、グラスを冷やすのでも大丈夫♪
酒器となるグラスはやはりロックグラスがおすすめです!グラスにもこだわりを持つと更に日本酒ロックの世界が広がりますよ。
氷をグラスいっぱいに入れる
小さい氷だとあっという間に溶けてしまうので、なるべく大きなサイズを用意するとよいでしょう。水道水でつくった氷は独特のにおいがついてしまって日本酒の香りや味わいに影響が出る場合があります。コンビニやスーパーでも売っているような天然水のロック氷がオススメ。氷の密度が高いので溶けにくいというメリットもありますよ。氷はグラスにたっぷり&大きめをチョイス!
グラスの6割くらいまで日本酒を注ぐ
時間が経つにつれて氷が溶けて全体の量が増えてくるので、注ぎすぎないように気をつけてくださいね。お酒がグラスの3分の1くらいになった時点で追加のお酒を注ぐようにすると、味が薄まるという心配もありません。途中で氷が減ってきたら、そちらもザクザク足しちゃいましょう!
2〜3回ほどゆっくりかき混ぜる
早く飲みたい気持ちを抑えつつ、日本酒と氷の一体感をつくるためにもゆっくり丁寧にかき混ぜてください。かき混ぜすぎると、せっかくの日本酒の香りが飛んでしまったり、氷が早く溶けすぎてしまうので、あくまでなじませる程度でOK。これで“日本酒ロック”の完成です!
日本酒ロックのアレンジ3選
日本酒に氷を入れてロックでの楽しみ方を紹介してきましたが、ここからは日本酒ロックのアレンジ方法を3つ紹介します。市販の日本酒にちょっとしたアレンジを加えるだけで、お酒の香りや味わいもガラリと変わります。ぜひご自宅で楽しんで見て下さい。
日本酒ロック✕ライム
こちらの日本酒は冷蔵コーナーにあったり、お店によっては常温で陳列されていることもあります。本醸造のほかに純米吟醸・純米大吟醸・大吟醸があり、全4種というラインナップの多さ!お好みのものがきっと見つかるはず。
私が選んだ本醸造のアルコール度数は19〜20度で、そのまま飲んでもしっかりとしたコクと芳醇な味わいです。ロックにすることで生原酒ならではの瑞々しさがアップして、さらにライムのスライスによって青っぽい香りがプラスされて爽快感がさらに強く感じるようになりました!ライムのかわいらしい見た目も相まって涼しさも高めてくれますね。
【兵庫・日本盛株式会社】日本盛 本醸造 生原酒
日本酒ロック✕レモン
先ほど「にごり酒」と「どぶろく」の違いを少しだけ説明しましたが、こちらのお酒は“どぶろく製法”を採用しているそうで、しっかりとにごっています。酒蔵さんがオン・ザ・ロックを推奨している、まさに評判通りの美味しさです!
私はアレンジとしてレモンをプラスしてみました。レモン2分の1個をさらに6等分にして、そのうち3つは果汁をグラスの中に絞ります。残りの3つは飲みすすめながら、お酒を足したタイミングでつぶしてフレッシュな香りとほどよい酸味を味わうことができます♪
【岐阜・三輪酒造】白川郷 純米 にごり酒
日本酒ロック✕ミント
使用した日本酒は、山形県の酒米「出羽燦々(でわさんさん)」を100%使用した生酒で、青りんごのようなジューシーな香りと上品な酸が特徴の純米吟醸酒。そこにミントをプラス!ミントは刻んだりせずにそのままグラスに入れ、あとからゆっくりとお酒を注ぎます。
軽くかき混ぜたあと、最後に手でパンッとたたいて香りを引き出したミントを上に添えてできあがりです。お米のやわらかな旨味も感じつつ、爽やかな香りでスッキリ!適度に広がるミントの緑色が透明感を引き立て、見てるだけでも涼しくなりますね。
【山形・出羽桜酒造】出羽桜 出羽燦々誕生記念 本生(生酒)
最後に番外編としてこんな飲み方はいかがでしょうか?ぜひ参考にしてみてください。
>>関連記事:日本酒で造った梅酒をストレート&アレンジで飲みましょう♪
Profile
いさわゆか
出身は宮城県仙台市、現在は東京都で暮らしています。飲食業への転職をキッカケに日本酒の勉強を始めました。日本酒の味わいはとても幅があって、どんどん世界が広がりますね。一緒にお気に入りのお酒を見つけていきましょう!