日本酒のGI(地理的表示)ってなに?GI利根沼田オンラインシンポジウムでGIを学ぼう!
全国に流通している日本酒の「産地名」の適切な使用を促進する制度があるのをご存知でしたか?地理的表示保護制度と呼ばれ、生産者だけでなく消費者にとっても信頼できる商品を選ぶ基準となる制度。
今回は2021年にGI(地理的表示)に認定された「GI利根沼田」のオンラインシンポジウムの様子をお届けしながら、GIについて学んでいきましょう!
地理的表示(GI)保護制度とは
GI=地理的表示とは各地域の「産地名」の適切な使用を促す制度です。
もう少しわかりやすく解説すると「GI」を導入することによって、①地域ブランディングの確立、②他製品との差別化が期待できます。私達消費者にとっても信頼性がある製品を購入する一つの基準となります。
なぜGI指定が必要なの?
もともと地理的表示の制度は、ヨーロッパの主要輸出品「ワイン」が適応されているのが有名です。フランスなどのワイン生産国は、不正な産地名の使用を防ぐために基準を決め、生産者と消費者双方の利益を確保してきました。
お酒でGI指定を受けているのは日本酒だけ?
2021年12月現在、お酒類でGI指定を受けているのは清酒(日本酒)、蒸留酒(焼酎や泡盛)、ぶどう酒(ワイン)の3種類のお酒です。今回は日本酒のGI指定について詳しく解説していきます。
ちなみに…
お酒の他にも、農産物、畜産など幅広い製品がGI指定を受けています。
▼参考記事
日本の地理的表示一覧はこちらから
関東初のGI指定「GI利根沼田」
全国で指定されているGI(地理的表示)のうち、2021年1月に指定された「GI利根沼田」のオンラインシンポジウムが2021年11月に開催されました。利根沼田に指定された4つの酒蔵が会場に集い、GI利根沼田の地理的な条件や日本酒の味わいなどを紹介しました。
GI利根沼田の産地((エリア)について
まずは地理的表示ということもあり、どのエリアが対象なのか確認しましょう。今回指定されている産地は「群馬県沼田市、利根郡片品村、川場村、昭和村、みなかみ町」。群馬県北エリアが対象となっています。
認定基準が厳しい?!GI利根沼田
地元の水や風土を生かした酒造りであることはもちろん、原材料となる米の種類を“雪ほたか、五百万石、コシヒカリ”のいずれかとし、またそれらの産地を利根沼田地域に限定しています。
さらに使用する酵母も地元のもの(群馬KAZE酵母、群馬G2酵母、蔵付き酵母など)だけ認めるという、極めて厳しい基準を満たすものだけに認証が与えられます。
認定基準はこちら
- ①米及び米こうじ:雪ほたか、五百万石、コシヒカリ(産地の範囲内において収穫されたもの)
- ②酵母:群馬KAZE酵母、群馬G2酵母、産地の範囲内において採取及び培養した酵母(蔵つき酵母)
- ③水:産地の範囲内で採水し、沈殿及び濾過以外の物理的及び化学的処理を行っていないもの
GI利根沼田認定酒7種
認定酒7種について
厳しい認定をクリアした「GI利根沼田認定酒」がシンポジウムで公開されました。
※写真の左から順番に。お酒の銘柄名・酵母名・米種名・酒蔵名の順に記載しています。
・「シン・ツチダ(コシヒカリ)」(蔵付き酵母・川場地区コシヒカリ) /土田酒造
・「MIZUBASHO 雪ほたか 純米大吟醸」(群馬KAZE酵母3号・雪ほたか)/永井酒造
・「MIZUBASHO 雪ほたか Awa Sake」(群馬KAZE酵母3号・雪ほたか)/永井酒造
・「MIZUBASHO 雪ほたか Dessert Sake」(群馬KAZE酵母3号・雪ほたか)/永井酒造
・「左大臣 こしひかり 純米酒」(群馬KAZE酵母2号・白沢地区コシヒカリ) /大利根酒造
・「トネニシキ コシヒカリ90」(群馬G2酵母・沼田市池田地区コシヒカリ) /永井本家
【 GI利根沼田 認定記念セット 】
・販売価格: ¥66,000 (税込) 桐箱化粧箱入 送料別途
・販売開始日:2021年11月24日(水)より 受注開始
・販売チャネル:(国内)GI利根沼田酒蔵4蔵、各社へお問い合わせください。
ペアリング料理について
シンポジウムでは、日本ソムリエ協会会長の田崎真也氏が、それぞれの認定酒に合うフードペアリングを提案しました。詳細はこちらのYouTubeリンクからご確認頂けます。
▼参考記事
GI利根沼田オンラインシンポジウムの様子
その他の日本酒GI指定一覧
GI白山
引用元:公式サイト
2005年に日本で最初の日本酒の地理的表示「白山」を取得し、こく豊かで品格のある清酒「白山菊酒」ブランドを展開。現在は5蔵による運営のもと、石川県から全国や世界に日本酒を販売しています。
GI白山認定のおすすめ日本酒
GI山形
引用元:公式サイト
県単位として指定を受けた地理的表示制度「GI山形」。国内米と県内で採取された水を原料とし、県内で製造、貯蔵、容器詰めを行っている日本酒について、原産地を特定する「山形」の名を冠して販売しています。
GI山形認定のおすすめ日本酒
GI灘五郷
引用元:公式サイト
日本一の酒処として称されることの多い兵庫県灘五郷。兵庫県神戸市灘区、東灘区、芦屋市、西宮市に位置する「灘五郷」。「GI灘五郷」は2018年6月に指定を受け販売されています。
GI灘五郷認定のおすすめ日本酒
GIはりま
引用元:公式サイト
播磨地域の酒蔵が兵庫県産山田錦のみを使用し、醸造した日本酒だけが「はりま」を名乗れるGI指定。
GIはりま認定のおすすめ日本酒
GI三重
引用元:公式サイト
2020年6月に日本酒として6例目の地理的表示(GI認証)を指定された「GI三重」。県全体として日本酒の地理的表示「GI」指定は「GI山形」に次いで2例目です。
GI三重認定のおすすめ日本酒
GI萩
引用元:公式サイト
中国四国地方では初めての指定となる「GI萩」。現在のところ「GI 萩」原料と製法の基準をクリアした、指定6蔵から販売されています。
GI萩認定のおすすめ日本酒
GI山梨
引用元:公式サイト
GI山梨は原料を国内産の米や県内の六つの水系の水を使うことなどが条件。水の水系を限定した日本酒の地理的表示は初めてとなっています。
GI山梨認定のおすすめ日本酒
GI佐賀
引用元:公式サイト
九州で日本酒として初めて指定されたGI佐賀。GIの他にも「The SAGA 認定酒」の活動も行っており、佐賀県産の原料と水を100%使用を要件として、味覚審査で味や香り・バランスに優れた清酒のみ合格となっています。
GI長野
引用元:公式サイト
長野県内で収穫した基準を満たしたお米を使用し、県内で採取された水を原料とし、県内で製造、貯蔵、容器詰めを行っている日本酒となり、長野県ではワインのGI指定と同時に日本酒もGI指定されました。
GI長野認定のおすすめ日本酒