カップ酒研究所「福島カップ酒特集〜その2〜」
今回は福島特集の第2弾! 酒蔵さんの歴史、カップ酒のラベル、地元の食材と組み合わせるおつまみやアレンジ…まだまだ奥が深いです。同じ福島県で醸される日本酒でもこんなに違う!飲み比べの楽しさをお伝えします。
カップ酒それぞれの基本情報
まずは商品について
【廣戸川】商品情報
■直径…6.5cm
■高さ…9.5cm
■内容量…180ml
■アルコール度…15度
■特定名称…普通酒
■お米…国産米
このカップ酒は緑色の遮光瓶。薄いクリーム色のラベルに力強さを感じる筆文字と「HIROTOGAWA」というアルファベット表記で、海外の方にも分かりやすい!
【三春駒】商品情報
■直径…5.5cm
■高さ…12cm
■内容量…200ml
■アルコール度…14度
■特定名称…普通酒
■お米…国産米
ラベルにあるイラストは日本三大駒の1つでもある福島の郷土玩具、三春駒。日本で初めての年賀切手に採用された自慢の民芸品!
【会津吉の川】商品情報
■直径…6.5cm
■高さ…10cm
■内容量…180ml
■アルコール度…15度
■特定名称…普通酒
■お米…国産米
菖蒲のような黄色いお花が瓶全体をぐるっと囲むように印刷されています。昔懐かしい昭和のおばあちゃんの家にありそうな渋いデザインですね。
【鶴ヶ城】商品情報
■直径…6.5cm
■高さ…10cm
■内容量…180ml
■アルコール度…15度以上16度未満
■特定名称…普通酒
■お米…国産米
難攻不落の名城といわれた鶴ヶ城!地元の人々からは「鶴ヶ城」と呼ばれますが、一般的には「若松城(会津若松城)」と言った方がしっくりくるかも?
酒蔵情報について
廣戸川【松崎酒造】(福島県岩瀬郡)
1892年(明治25年)創業で、100年以上の歴史あり!「廣戸川」という酒名は、酒蔵のある天栄村に流れる釈迦堂川(通称:廣戸川)に由来。2011年の東日本大震災をきっかけに、現在の6代目である松崎祐行さんが26歳という若さで杜氏となりました。杜氏就任1年目にして新酒鑑評会で金賞を獲得し、全国からも大注目!「支えてくれた人たちを醸した酒で喜ばせたい」という想いとともに、これからも成長し続けていこうという酒蔵さんです。
三春駒【佐藤酒造】(福島県田村郡)
日本三大桜である「滝桜」のある小さな町の酒蔵さん。阿武隈山系の伏流水を使用しており、現在では三春町にある農家と契約して、町内産の五百万石も使い始めているそうです。今までの蔵人それぞれの経験や勘に頼っていた酒づくりを見直し、データ化することで、よりきめ細やかな酒づくりを追い求めています。
会津吉の川【吉の川酒造店】(福島県喜多方市)
1870年(明治3年)に酒づくりを開始。使用するお米のほとんどが地元産で、自家精米を行い、なんと麹も手づくり。昔ながらの釜を使用したり丁寧な手作業で少量の酒をじっくり手間暇かけて醸します。「地元で認められるお酒」であることにこだわり、販売数の約98%は喜多方という、本物の地酒!
鶴ヶ城【辰泉酒造】(福島県会津若松市)
1877年(明治10年)の創業以来、大量生産や大量販売はせず蔵人たちの目が、細かいところまでしっかりと届く範囲での酒づくりをしています。1985年には地元の契約農家と試行錯誤を重ね、幻の酒造好適米といわれていた「京の華」を復活させました。醸すお酒に合わせて原料米を変えますが、100%福島県会津産というこだわり!手造りで理想の味に近づけていきます。2021年4月からはオンラインショップを開始したので、より身近になりました。
カップ酒それぞれの楽しみ方
廣戸川
青りんごのような甘さひかえめな香り。旨味はしっかりとありつつ、ピリッとした酸と奥からゆっくり追いかけてくる苦味があります。でも余韻が短めでスーッと引いていくので、また次のひと口に手が伸びてしまう…スルスル飲める、濃厚なのにすっきり辛口系!
三春駒
開けた瞬間にお米の香りが広がり、しばらくは香りだけでも楽しめそう!お酒は少し黄色がかっていて、熟成されている感じがあります。まろやかな旨味とコクがあって、飲んだ後も口にずっと余韻が残ります。アルコール度数は低めですが、飲みごたえはピカイチです!
会津吉の川
全体としてはとろっとした舌触りの甘口な味わいで、少しだけピリピリと感じる苦味があります。じんわりと広がるお米の旨味が濃いので、キンキンに冷やしたグラスでオンザロックでもいいですし、ぬる燗にしてもよし!冬ならおでんと組み合わせたいですね♬
鶴ヶ城
香りはとても穏やかで、飲み口もさっぱりしています。アルコールの苦味は少しだけありますが、冷酒として飲むとそんなに気にならなくて、飲みやすい!ほんのりとした甘みがありますがキレがいいので辛口寄りの味わい、酸は少なめな印象です。
三春駒と合わせるなら…三春油揚
厚揚げかと思うほど分厚くて大きいですが、こちらは昔から地域の人々に愛されている「三春油揚」。形が三角なのは、三春にある舞鶴城にちなんで、鶴が舞う姿を表現したものだと言われています。
油をひかずに弱火でじっくり焼きましょう。仕上げにお好みで、醤油をかけたり、しそや大根おろし、七味を添えて完成です。
表面カリッと、中はふわっと!三春駒の濃厚な味わいと相性抜群ですよ~♪
鶴ヶ城が飲みきれなかったら??
鶴ヶ城×栃の木蜂蜜
組み合わせるのは、同じ会津若松市にある養蜂場「ハニー松本」さんの栃の木蜜です。みなさんは、蜂蜜を発酵させた蜂蜜酒(ミード)をご存知ですか?ワインやビールよりも古い歴史を持つ、人類最古のお酒ともいわれています。お酒と蜂蜜って合うの?と思うかもしれませんが…合うんです!
50℃くらいまで温めた鶴ヶ城に、ティースプーンで少しずつ蜂蜜を入れて、お好みの濃さでどうぞ。
栃の木蜜はクセのない味なので馴染みやすくて、お燗にしてキレがよくなった鶴ヶ城に丸みを与えてくれました。