
モテる男の秋酒!秋に発売される日本酒について学ぼう!
日本酒について、お酒の先生に教えてもらう特集!今回のテーマは「モテる男の秋酒!」
秋の日本酒としてすっかり定着した「ひやおろし」、「秋あがり」、「秋酒」について先生に色々教えてもらいましょう!
人肌恋しくなる冬までに吉報を届けられるか?!乞うご期待!

アサノ先生!今日もよろしくお願いします。日本酒の基礎知識からはじまり、夏酒、古酒や熟成酒と学び、今回のテーマは秋の日本酒ですね。

今日もよろしくね!モテる家飲みの反響が良かったみたいだね!

はい!ただ、実生活ではまったく進展がないので、今回の「秋酒特集」でもう一皮むけますよ!
目次
四季を感じながら日本酒を楽しもう

つい最近「夏酒」飲んだかと思ったら、もう世の中は秋のお酒が出てきたわよ!秋の日本酒「ひやおろし」や「秋あがり」って聞いたことある?

なんとなく聞いたことがあるような、ないような、、、
秋の日本酒って何ですか?
前回の「夏酒」に定義や解禁日が公式に無かったように、秋の日本酒もフランスのボージョレ・ヌーヴォーのような厳密なルールはないようです。今回はそんな「秋の日本酒」についてアサノ先生に教えてもらいましょう!

秋の日本酒は、「ひやおろし」をはじめ、「秋あがり」「秋酒」と呼ばれたりします。豊穣の秋の味覚にふさわしい「コク深いタイプ」とか、紅葉が描かれた「秋らしいラベル」とかそんな感じに分けられるかもね。

なるほど!旬の食べ物のように、秋らしい日本酒ってことですね!
今回は事前に岸本が「ひやおろし」、編集部の本間さんが「秋あがり」、アサノ先生が「秋らしい日本酒」を選んで、ぞれぞれおつまみも持ち寄ることにしました!
3人が選んだ秋の日本酒
ひやおろしって?
まずは秋の日本酒「ひやおろし」について勉強していきましょう!

秋の日本酒「ひやおろし」と「秋あがり」は呼び名の違いでしょうか…??

「ひやおろし」って「秋あがり」と呼ばれることもあるけど、厳密に言うとちょっと違います。「秋あがり」は秋に酒質が上がっていたり、味がのってきた日本酒で旨味が深まってる感じね!
ちなみに味が落ちたのは「秋落ち」と表現するようです。

「ひやおろし」を知るポイントは、1年を通して日本酒がどのように造られていくか、特に「寒造り」と「火入れ」を知るといいわよ!
日本酒造りの1年を学ぶとだんだんわかってきた!
↑アサノ先生の日本酒ナビゲーター講座で使用しているテキスト。第1回目でも使用。
日本酒造りの1年は、初夏の5月~6月ごろに田植えをして、秋のだいたい9月~11月にかけて新米を収穫し、精米して仕込み始めます。

「寒造り」という名前の通り、冬のだいたい12月~3月の寒い時期が仕込みのピークで、しぼったお酒は「新酒」とか「しぼりたて」として出荷することも。ここでポイント!
ひやおろしで知っておきたいポイント1
この頃に、秋に発売する「ひやおろし」は一度火入れ(加熱殺菌)して熟成させます。
ひやおろしで知っておきたいポイント2
夏を超えて、外の気温と貯蔵庫の温度が同じくらいになった秋に、2度目の加熱殺菌をしない「冷や」のまま秋に出荷される、つまり「卸す」だから「ひやおろし」。

1つ目のポイントの「火入れ」だけど、無濾過生原酒の説明で出てきた「生酒」って覚えてる???

え…!?はい!覚えてます!火入れを一切していない日本酒でしたよね?

そう!よく覚えてたね!実は「火入れ」っていくつかの種類があるんです。
※日本酒初心者必見の記事はこちらから!
火入れ(加熱処理)にはいくつか種類があるらしいぞ!
一般的な日本酒は、熟成前と出荷前に火入れを2回してから出荷されます。「生」と名称が付く日本酒の種類は3つあります。
3種類の「生」が付く日本酒
「生酒」は冷蔵保管してね!

「生」とラベルに書いてある日本酒は3種類あるんだけど、まず1つ目の「生酒」は、一度も火入れをしない一番フレッシュな日本酒ね。以前、牛乳みたいに絶対要冷蔵してねって教えたでしょ?

はい、覚えてます。僕も買った生酒は、冷蔵保管して美味しく頂きました。
「生貯蔵酒」は「なまちょ」で覚えよう!

「生貯蔵酒」は火入れしない生のままで貯蔵して、出荷前に1回火入れをするお酒。略して「生貯(なまちょ)」なんて呼ばれたり、結構流通してると思うわ。

「生貯(なまちょ)」も冷蔵保管がおすすめでしょうか?

そうね!1度火入れしてあるぶん生酒よりは強いけど、それでも冷蔵庫で保管してほしいな。
ひやおろしは「生詰め」だよ!

「ひやおろし」はしぼったら貯蔵前に火入れを1回だけして、夏は寝かして秋の出荷する前の火入れはしない「生詰め」になるの。

「ひやおろし」のポイントは、火入れ&貯蔵の「生詰め」と出荷するタイミングですね!
秋の日本酒の楽しみ方を学びましょう!
「ひやおろし」「秋あがり」の秋から冬にかけて販売されるお酒にも実は段階があるらしい!
それもそのはず、「秋」といっても夏の終わりから冬の訪れまで、気候が変化しやすく食材の旬も変化していきます。
食べ物の「走り」「旬」「名残り」と一緒に、日本酒の深みの差を感じてみよう!
秋の日本酒を旬で楽しもう!
秋の日本酒第1弾「走り」

夏を越したばかりの「ひやおろし」は秋の到来を感じさせてくれる、まさに「走り」!まだまだフレッシュさを残しているものもあるので、ぜひとも「走り」の食材と合わせて秋が来た~!って楽しんでほしいな。

今日の企画も9月初旬ということもあって、まだまだ残暑を感じますね。そうすると今の時期は秋の日本酒でも「走り」の時期ということですね!

そうだね!暑さの残る9月にはフレッシュ感も残す味わいのお酒が美味しいし、ちょっと涼しくなってきた頃だから「夏越し酒(なごしざけ)」とも呼ぶものもあるの。
夏越し酒と合わせたい!秋の訪れを感じる食材「鮭」
秋の日本酒第2弾「旬」
秋真っ盛りの10月に入ってくると、いよいよ秋が旬の食材がスーパーに並び始めます。

この時期に出荷されるお酒は「秋出し一番酒(あきだしいちばんざけ)」と呼ばれたり、ハロウィンのラベルも出てくるようになるのよ!

僕が想像していた秋はこの時期ですね!お月さまを眺めながらお猪口でキュッと!最高ですね!

秋の夜長に「月見酒」ね。いいじゃない!それと10月1日は「日本酒の日」に制定されてるのよ。当日はおもしろいイベントが盛りだくさんだから岸本さんも参加してね!
秋出し一番酒と合わせたい「キノコ料理」
秋の日本酒第3弾「名残」
11月ごろになると秋が深まり冬の訪れを感じる季節になってきます。

秋の終わりには「晩秋旨酒(ばんしゅううまざけ)」って呼ばれるものが出てきたりするのよ。

晩秋か…冬の足音が聞こえてくる時期ですね。人肌が恋しくなる季節になってきますね…

そうそう(笑)。冬頃からは 「寒おろし」とも呼んだり、まさに季節の移り変わりと共に味わいも深まり、完熟と呼べるようなまろやかで深みのある味わいになるのよ!
この頃になると同じ秋酒でも季節の違いを感じられるようになります。季節的にも味わい的にもお燗が美味しいです。お鍋やおでんと一緒に楽しみたいですね!
晩秋旨酒と合わせたい「おでんやお鍋」

秋の日本酒といっても、それぞれの段階や季節によっての楽しみ方が色々あるわね!

四季を感じられる日本にいるって恵まれた環境ですね。旬の食材に合わせてお酒をチョイス出来たらめちゃくちゃカッコイイです!

そうそう!なかなか外で四季を感じることのできない日々だけど、季節に合わせた日本酒をチョイスして、お料理や酒器、温度と合わせたら、絶対モテる!試してみてね!

はい!今年の冬こそ!!ハッピーな一年で締められそうな気がしてきました。よしっ!事前学習はこれにて終了。次回は秋の日本酒テイスティング編。お楽しみに!
最後に「アサノ先生情報」

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