世界一アルコール度数の強いお酒は?トップ10を調べてみました!
アルコール度数は、お酒が強い方であれば気にならないかもしれません。
しかしお酒が弱い方には、飲みやすいお酒を選ぶ情報の一つとして必要でしょう。 アルコール度数の強いお酒、弱いお酒はどのようなものか、製法と共にご紹介しながら、アルコール度数の高いお酒10選を紹介します。
アルコール度数とは
アルコール度数は酒税法で決められており「アルコール分 温度十五度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量をいう」と定められています。 こ
れは、たとえばアルコール度数15度の日本酒の場合、100ml中のアルコール量が15ml含まれているということ。海外でもこの基準が採用されています。
※参考:酒税法についてのリンク
醸造酒と蒸留酒について
販売されているお酒は大きく分けて「醸造酒」と「蒸留酒」に分かれます。よく耳にする2種類ですが、これらは製造方法によって分類されています。
醸造酒は麦や米、ブドウなどを原料としているお酒です。絞ったり砕いたりしたものに水分と酵母を加え、アルコール発酵させて製造します。このような製法ではアルコール度が低めであることが特徴です。
▼醸造酒について詳しく解説しています
醸造酒とは?3種類の醸造酒を知ってますか?蒸留酒や混成酒との違いは?
蒸留酒は、科学の授業でも習った「蒸留」という方法で作られます。原料を発酵させ、その液体を熱して蒸発させます。
気化したものを再び集め、冷やして液体に戻すことで飲料としてのお酒となります。これを繰り返して水分を飛ばし、アルコールを凝縮させた液体を作り出すのです。
アルコールの沸点は水よりも低い78℃。水は100℃ですから、この温度差を利用してアルコールだけを蒸留させ、アルコール以外のものを減らしていくことで濃度の高いアルコールの液体を作ります。
そのため蒸留酒はアルコール度数の高いお酒が多くあります。中には90度を超えるものも存在し、消毒薬として使われるものもあるほどです。
▼蒸留酒はアルコール度数が高いお酒が多いの?
蒸留酒とは?代表的な5種類の紹介と醸造酒との違いも解説!
お酒のアルコール度数一覧
つづいては、代表的なお酒を3つの分類でご紹介します。
アルコールは「醸造酒」と「蒸留酒」に大別されますが、「混成酒」を入れて3つに分類する場合もあります。
混成酒とは、醸造酒もしくは蒸留酒をベースにして、ジュースや炭酸水などのノンアルコール飲料を合わせて口当たりの良いアルコール飲料にしたもの。
またそこに香りづけをしたり、甘味料を混ぜるなどして飲みやすく仕上げたものもあります。各種の人気アルコール飲料の度数を一覧形式でみてみましょう。
醸造酒のアルコール度数一覧
アルコール度数は低めで飲みやすいものが多い醸造酒ですが、糖質は蒸留酒に比べて多いという特徴があります。 白ワインには10%以下のものもあり、種類や銘柄によって多少の開きがあります。
ワイン 13~14%
シャンパン 12%
紹興酒 16%
マッコリ 7%
日本酒 15~17%
蒸留酒のアルコール度数一覧
蒸留酒は醸造酒に比べアルコール度数が倍以上のものもあります。必然的にスピリッツが多く並んでいます。
数字が高いものほど蒸留回数が多いといえます。 米を発酵させた日本酒よりも、さらに蒸留した米焼酎のほうがアルコール度数は高くなるというわけです。蒸留の過程で糖質がなくなるため、太りたくないときにおすすめされるお酒でもあります。
ジン 40%~
ラム 40%~
ウォッカ 40%~
ブランデー 40%
ウイスキー 40%
バーボン 40~45%
焼酎 甲類36%未満
乙類45%以下
泡盛45%以下
古酒は43%程度
混成酒のアルコール度数一覧
醸造酒や蒸留酒をもとに作られる混成酒は、濃度や味が自由に作れるため、中には飲み口をよくしスイーツのように扱われるものもあります。
代表的なものはみりんで、これは醸造酒ベースの混成酒という扱いです。お酒コーナーで販売されることがあるのはこのため。
蒸留酒ベースではリキュール。見た目も香りも美しいカクテルを作ることができます。また飲むだけでなくお菓子の材料に使用することも。人気のお酒である梅酒は、日本酒や焼酎などをベースにしています。
ベースのアルコール度数と、どの程度の濃度で割っているかで、飲料自体のアルコール度数が大きく変わります。
- カシスリキュール 20%前後 割ることで5%程度になる。カシスソーダなど甘く飲みやすい人気のカクテル。
- カンパリ 25%前後。 香草系の人気のリキュール。炭酸で割って飲むカンパリソーダは9%以下。
- アマレット 28%前後 他のリキュールよりもアルコール度数が高め。アマレットのソーダ割りになると、その3割程度の10%前後となる。
- カルーア 20%前後 コーヒー系の人気リキュールのひとつ。コーヒーリキュールに牛乳を足して作るカルーアミルクにすると7.5%前後。
アルコール度数が高いお酒10選
アルコール度数の一番高いお酒とはどんなものなのか気になるところ。世界のアルコール度数の高いお酒を、ランキング形式で10種類ご紹介します。
1位 スピリタス 96度
ポーランドのウォッカ。蒸留を70回以上繰り返し、これ以上の度数は作れないといわれるお酒。あまりの濃度のため消毒薬としても使われていますが、気化も速く、引火する危険があります。 くせがなくクリアな味わいのウォッカなので、スクリュードライバーやモスコミュールなどの人気のカクテルが作れます。
2位 エバークリア 95度
アメリカのスピリッツ。高濃度の飲料を悪用する事件があったことから規制されている地域もあるほど、強いお酒です。安価であるため安く酔いたいという若者に人気のようですが、ゴムのような味のお酒。
3位 ゴッチェ・インペリアル 92度
イタリアのリキュール。高濃度のお酒の中では唯一とてもキレイな黄色ですが、これは原料がサフランの花であるためです。 ラベルにはこのお酒を作り始めた修道院が描かれています。ハーブが主体となって蒸留されたリキュールで「皇帝のしずく」という名のとおりストロングな飲み物です。
4位 ノッキーン・ヒルズ・ポチーン 90度
アイルランドのスピリッツ。60度、70度、80度、90度の4種類が販売されており、ランクインは一番濃度の高い、紺色のラベルの90度のものです。アイルランドの特産品で、本国ではストレートで飲むツワモノもいるのだそう。。
5位 ハプスブルグ アブサン X.C 89.9度
フランスのリキュール。細身の美しいボトルと、淡いグリーンがオリーブオイルのような佇まいのお酒です。 並行輸入されており、入手しやすいお手頃価格で日本でも飲むことができます。ニガヨモギ、アニス、フェンネルなどが原料となったハーブ系のお酒です。
6位 ドーバー スピリッツ88/バルカン176 88度
同じ度数のこの2種類は、どちらもウォッカ。バルカン176はバルカン半島に位置するブルガリアのお酒ですが、ドーバースピリッツはなんと日本産です。国内でもこんなに度数の高いお酒を造っていたことを知らない方がほとんどでしょう。 バルカン176は蒸留回数がたった3回にも関わらず88度という高濃度のアルコール度数となっているお酒です。技術力も光る珍しいお酒といえます。
7位 サンセット・ベリー・ストロング 84.5度
アメリカ・カリブのラム酒。ホワイトラム酒の中でも味に定評のあるお酒です。各地のラム酒フェスティバルで数々の受賞歴のある、ラム好きには大変有名な品種です。
8位 アナーキー82 ノット・サティスファイド 82度
ポーランドのウォッカ。パンクロックバンドのアナーキーの代表曲「ノット・サティスファイド」の名を冠したお酒です。 本国では、そのまま飲むというよりも、果物を漬け込んで自家製の果実酒を作る時に使われることが多いようです。強めのカクテルを飲みたいときに向いています。
9位 ストロー 80度
オーストラリアのラム酒。オーストラリア土産の定番でもある、有名で多くの人に愛されるお酒です。度数は80度、60度、40度があり、60度以下であれば国外へ持ち出しもできます。お菓子の香りづけにも使われる人気のラムです。
10位 ロンリコ 151 75度
プエルトリコのラム酒。カリビアン・ラムですが、ソーダなどで割って飲んでも楽しめる、アルコール度数の高さとインパクトの強さが特徴です。40度のホワイト・ラムもあり、どちらも国内で購入ができる、定番のお酒となっています。
まとめ:お酒と上手に付き合おう
アルコール度数にはかなりの開きがあります。甘いリキュールカクテルなどもあることから、飲みやすさと度数が比例するとは限りません。
アルコール度数を知っておくことで、自分の飲酒量との調整をすることができますから、お酒と上手に付き合うためにも、知っておくとよいでしょう。
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SYULIP編集部
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