お酒を飲むとどうしてむくむの?むくみの原因と予防法を解説します
お酒を美味しく飲んでぐっすり寝たのに、翌朝になったら顔がパンパンに…。ということがあなたにもありませんか。
むくんだ顔を見ると、楽しい時間も少し後悔してしまいそう。どうしてお酒のあとはむくんでしまうのでしょうか。詳しく解説します。
お酒を飲んだあとのむくみの原因とは?
お酒が原因だと分かっていても、その理由を詳しく知らないならぜひ押さえておきましょう。
原因①利尿作用
お酒を飲むと、その利尿作用により体内の水分がたくさん出ていってしまいます。どのくらいの量が排出されるかというと、たとえばお酒100mlを飲むと、体内の水分は120ml程度の量が出ていってしまうといわれています。お酒の量以上の水分が出ていってしまうのです。
このため、お酒を飲めば飲むほど体内の水分はどんどん減り続けますが、水分排出が活発だからむくまないというわけではありません。
ここへ同時に、お酒を体内で薄めようとする作用が起きます。これは体内の水分を増やしてアルコール濃度を薄め、体内のバランスを取ろうとする働きです。このため体は水分を溜め込むようになり、むくみの原因となっていくのです。
原因②血管の拡張
体内にお酒が入ると、血中のアルコール濃度が高まります。このために血管が拡張して血液量が増え、元々流れていた水分が血管壁から体内へ漏れ出します。漏れ出した水分が体内に溜まることでむくみが起きるのです。
体内では「浸透圧」といって、細胞が水分量をバランスよくしようとする働きが起こりますが、そのせいで血管から出てしまった水分が戻らなくなります。こうして体内に溜め込まれた水分が留まり続けるために、むくみが起こるのです。
原因③塩分の摂りすぎ
上記のような、体内に水分を溜め込む作用が強まった状態に加えて、さらに味の濃いおつまみを食べることで、体内の塩分濃度がぐっと高まります。
血中の塩分濃度が高まると、静脈やリンパが濃度のバランスを取ろうとして、塩分を薄めようと働きだします。この作用でますます水分を溜め込み、薄まるまで排出しないように体が機能していくのです。
お酒のあとに喉が渇くのも同じ理由です。血中のアルコール濃度を下げようとする働きと似ていて、塩分の濃度も下げようとして水分を引っ張り、尿量を減らすように脳が体に指令を出します。そのため排出が起こらずむくみとなり、翌日以降に症状が出てしまうのです。
むくみの予防①水を飲む
お酒のお供に飲む飲料水は、洋酒なら「チェイサー」日本のお酒なら「やわらぎ水」と呼ばれています。
アルコールや塩分の濃度調整に水分を取られることが分かっていますから、お酒を飲む場ではこまめに水を飲むことが重要なのです。
必ず起こる水分不足を解消し、食べ物やお酒による塩分濃度やアルコール濃度を下げて、体外への排出をスムーズにしましょう。
お酒を飲む少し前の時間から水をしっかり飲み、お酒を飲んでいる最中も、そして飲んだ後も水をしっかり飲みましょう。酔いだけでなく、翌日に残りがちなだるさも軽減できます。
お酒を飲む場面のどのタイミングでも、体には水分が必要となるため、とにかく早めに、そして多めに摂ることがポイント。
もし翌日に酔いが残っていない状態であれば、水分の代わりにお茶を飲んでもOK。二日酔い症状はなく、前日のお酒やおつまみなどの老廃物を排出させるために、お茶の利尿作用を使うことができます。この場合は水分代わりとしてではなく、あくまでも排出目的に飲みましょう。
むくみの予防②塩分を控え目に
お酒のおつまみは、つい味の濃いものになりがち。塩分に引っ張られて水分をたくさん体内に留めてしまわないよう、塩分が少なめのおつまみや食事にしましょう。
たとえば刺身につける醤油や、フライのソースの量を控え目に意識します。醤油やソース、ドレッシングがないと食べられないという人もいるでしょう。ですが本来味覚は、舌に触れる部分にだけ味がついていれば、全体につけなくても十分に味を感じることができるといわれています。このような味覚の働きを利用して、一部分だけに塩や醤油をつけるなど、工夫して減塩することを意識しましょう。
しょっぱい味付けの代わりに、レモン汁やスパイスなどで工夫すると塩分を減らすことができます。また脂っこいものは控えたほうが水分をとられません。脂っこいものを食べると喉が渇くことが多いですが、体は油の分解にも水分を使ってしまうのです。脂分の少ない刺身や野菜などを選ぶとより良いでしょう。
それと同時に、塩分を排出する作用のある「カリウム」を積極的に摂るのも効果的です。カリウムはむくみ防止効果のあるサプリメントなどもあることから、水分の排出には欠かせない栄養素です。
カリウムが多く含まれた食品をおつまみやデザートとして選んでみましょう。たとえばきゅうりやバナナはダントツのカリウム量を誇ります。他にもアボカド、貝類、ほうれん草、パセリ、トマトなどが効果的です。塩分を控えることと同時に、排出も促し、ダブルの効果でむくみ対策をしていきましょう。
むくみにも影響する「お酒の適量」
お酒を飲むと、体内に入ったアルコールが肝臓で分解されることで、毒性のあるアセトアルデヒドが発生します。これが代謝されず体内に残ってしまうことで、頭痛や吐き気、悪心などの二日酔い症状を引き起こします。
翌日以降に影響しない飲み方を心掛けるなら、二日酔い症状を起こさないよう、原因となるアセトアルデヒドを残さないように飲むのがポイント。
アセトアルデヒドを分解する酵素であるALDH2の量は、人によって大きく違います。そのため普段からだるさや酔いの残らないお酒の量を知っておくことが大事なのです。
たとえばジョッキやグラスで何杯分と決めておき、オーバーしない量を守りましょう。その後はウーロン茶にする、フルーツジュースにするなど、水分や糖質がとれるドリンクをオーダーするのが良い手です。これはアルコール分解のために水分をとり、体内で足りなくなった糖質を摂取し、お茶などで排出を促すためです。
適切な水分摂取を心がけよう
お酒を飲み始める前から水分をとり始めましょう。お酒と同じ量の水を用意し、同時に飲みながら進め、お酒を飲み終えてからも1杯飲むと効果的です。
こんなにたくさんの量は飲めないという方もいるでしょう。ですが、だからこそ酔い過ぎたりせず、適度な量に抑えられる効果もあるのです。
お酒と一緒に飲むなら、水や白湯が適しています。飲んだお酒の量より水分のほうが多く排出されることが分かっていますので、お酒の量よりも水を多く飲むように意識するのは自然なことなのです。そして、お酒は自分に合った量を見つけましょう。酔いやすさは年齢にもより、個人差が大きいもの。その時に適した量が分かっていることが大切なのです。
まとめ
お酒によるむくみは予防できるもの。なかでも水分の摂取がカギとなります。お酒を飲む前から水分をしっかりとり、水分不足にならないように注意しましょう。
お酒と同じか、それ以上の量の水を飲んでおくこと、そして飲んでいる最中も水分をとります。一緒に食べるおつまみの塩分量を少なめにするのも、同時にできる良い対策法です。
そして飲み終わった後は、さらに水分をしっかりとって、酔いが醒めてから寝るようにしましょう。むくみとなる余分な水分の排出は、当日も翌日以降も、カリウムの豊富な食品を摂って対策しましょう。そのためにカリウムの多い食品を覚えておき、日常的に体内をケアする意識を持つと良いでしょう。
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SYULIP編集部
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