休肝日は本当に必要?お酒好きだからこそ知っておきたい肝臓へのメリットや効果

休肝日はなぜ必要?

休肝日

お酒を継続的に飲み続けると、お酒に依存する可能性があることはご存知でしょう。現代のアルコール依存による死亡者は、世界で180万人を超えたと厚生労働省が発表しています。死亡者の増加は、その可能性を秘めている人が水面下に何倍もいることを物語っています。

依存する人も、中年から高齢の男性が多いイメージがあるかと思いますが、実際にはそうではなく、若い女性にもみられるものです。

特に主婦のアルコール依存をキッチンドランカー(もしくはキッチンドリンカー)と呼び、依存症に気を付けるよう厚生労働省が呼びかけています。このように幅広い依存傾向があるのはなぜなのでしょうか。

お酒に依存してしまう理由は、アルコールが依存性のある物質だからです。自覚しやすく分かりやすい症状としては、飲酒量が日を追うごとにどんどん増えていってしまう可能性があるということ。

こうした依存症を引き起こさないよう、厚生労働省は休肝日(きゅうかんび)を設けるように推奨しています。

休肝日とは、週に1日以上のお酒を飲まない日のこと。お酒を飲むことを習慣化しないようにし、飲まない日の体の状態を観察してみることで、自分の体とお酒との関係を知ることができるのです。

たとえば、飲まない日に設定しているのに、お酒が異常に欲しくなったり、そのためにイライラしたり、その他の何らかの症状がみられることで、お酒への依存症や依存気味であることが分かります。

このように自分の体調を知るうえでも、本来の目的である肝臓を休ませる意味でも、休肝日は必要です。何の問題もなく休肝日を過ごせるなら、依存性には問題ないとされ、気の持ちようではないということが分かります。

肝臓のはたらき、お酒が肝臓へ与える影響

肝臓のはたらき

アルコールの分解には肝臓の働きが不可欠。肝臓の特徴やアルコールの影響を押さえましょう。

肝臓のはたらきとは?

肝臓にはたくさんの役割がありますが、その中の一つが毒素の分解です。この毒素には一般的な毒物もあれば自然毒などもあり、たばこのニコチンやアルコールなど人工的な毒も含まれています。これらの分解を丸ごと引き受けているのが肝臓なのです。

アルコールが体内に入ると分解しようと働きますが、他に毒素を分解できる臓器はないため、飲めば飲むほど肝臓をずっと酷使することになります。

他にも肝臓は「胆汁」という脂肪の分解に必要な液体を毎日1リットルほど作っています。毒素代謝以外にも、消化全般に関わる働きもしているのです。つまり肝臓がアルコールの影響によって正常に働かなくなると、アルコールとは関係のない体の中のさまざまな部分に支障が出ることになるのです。

お酒に含まれるメチルアルコールには依存性があり「飲まずにはいられない」という依存状態を引き起こします。これは肝臓を常に酷使することになるため、依存させないようにすることは、忙しくはたらく肝臓を守ることにもなります。

お酒を飲みすぎると肝臓はどうなる?

徐々に悪くなり機能が低下していたとしても、多少のことでは症状が出ないのが肝臓の大きな特徴です。

肝臓には痛みなどの症状はなく、そのため「沈黙の臓器」と呼ばれています。肝臓の異常は自覚症状がないまま進行しますので、自覚症状が出た頃にはかなり進行しているということになります。

脂肪を分解する働きを担う肝臓の機能が低下すると、分解できなかった脂肪が肝臓に溜まっていく「脂肪肝」の症状が出ます。

他にも、重度の腹痛や黄疸があるアルコール性肝炎や、肝硬変など、悪化すれば命に関わることもあるのが肝臓の機能低下。重症化し、吐血、黄疸、腹水などが出るような状態になると、完治は難しいとされています。

休肝日はどれくらいの頻度でつくるべきか

厚生労働省は週に1日以上飲酒しない日を設けることを推奨しています。

2日以上空けることが臓器の回復期間を設けるためには必要とされているからです。また、依存していた場合の離脱症状が出るのが48時間とされています。つまり2日空けると、依存があれば禁断症状がみられるのです。

この2日間を空けることで、毎日飲んでいる状態では気付かなかった症状が自覚できるということ。空ける期間は2日以上が理想ですが、せめて週に1日は休肝日を設けるとよいでしょう。

飲んだ日数ではなく、量と回数が大切

休肝日というと日数で数えがちですが、日数ではなく1週間にアルコールを摂取した総量を抑えることが大事であるとされます。たとえば、休肝日の翌日にその反動でたくさん飲んでしまう場合もあるからです。そのため、休肝日にこだわらなくてもよいという声もあるほど。

しかし臓器を休ませることも大事であるため「2、3日飲んだ日が続いたら1日は休む」という適度な量を保つルールを設けることがポイント。飲む回数が増える場合は、飲まずにはいられないという依存の傾向も考えられます。そこから量が増えることもあるでしょう。摂取の総量を減らすためにも、休肝日を上手に利用しましょう。

肝臓を休ませたいなら、食べすぎにも注意!

肝臓はアルコール代謝だけでなく、脂肪の分解にも関わります。食べ過ぎと飲みすぎの両方が続くと、分解を休みなくおこなうことで疲労してしまうのです。

肝臓が疲労して働きが弱くなってしまうと、アルコール分解以外の役割である「ホルモンの安定」や「ビタミンの貯蔵」「血流の調整」などさまざまな部分に悪影響が出てきてしまいます。体のあちこちが不調になってしまうため、適度に休めて回復させる必要があるのです。

肝臓は回復スピードが他の臓器よりも速いとされています。2日間で機能が回復すること自体が案外タフだといえるのです。このようにタフに機能するうちに健康状態を整えておかないと、どんどんリスクは高まります。食事の質を変えることも、アルコール摂取量を減らすことでも良いので、まずは休ませることを考えてみましょう。

休肝日がもたらす効果・メリット

休肝日メリット

休肝日を作ることで、アルコール依存になりにくい健康的な食生活を維持できます。飲んでいない間は運動をするなど、健康的な時間の使い方で習慣化することもできます。

また、肝臓の回復によって、アルコール分解以外の働きも回復し、不調にならずよく機能するようになっていきます。うまく休肝日をとることで、その回復を感じることができるでしょう。

アルコールを休みなく毎日飲んでいる場合は、離脱症状の有無や依存の程度を確認することができます。お酒が好きで飲んでいるなら、長く楽しむことができるのは嬉しいことではないでしょうか。

「依存」ではなく「楽しむ」というよいお付き合いの方法を続けていけるでしょう。

肝臓のケアは「方法は簡単だが実行は難しい」といわれています。肝臓の病気になると、まずは禁酒が求められるからです。そうなるとたとえ「飲んではいけない」と分かっていてもいざ行うと難しく、イライラやストレスが増えてさらにお酒を飲みたくなるかもしれません。

アルコール依存の情報はインターネット上にもたくさんあるのに、依存者の数は減らないわけですから、意識して予防しながらのお付き合いがちょうどよい距離ということになるでしょう。

まとめ

休肝日を設けることのメリットは、思っている以上にたくさんあります。お酒を控えるのは、長く楽しむためだと意識し、お酒とよい距離を保ちながら健康的にお付き合いしていきましょう。

参考サイト
厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-063.html
オムロン

https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/6.html

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