日本酒度と酸度とは?お酒の甘口・辛口を理解しよう!

日本酒のラベル表記でよく見かける「日本酒度」と「酸度」。日本酒に興味がある方なら一度は目にしたことがあるかもしれません。日本酒度とは甘口や辛口を判断する指標とされ、酸度は日本酒の味わいの濃淡の目安とされています。

日本酒度と酸度を理解すると日本酒の楽しみ方の幅が広がること間違いなし!それでは日本酒度と酸度から日本酒の甘口、辛口をわかりやすく理解していきましょう。

日本酒度と甘口・辛口の関係

まずは日本酒度の表示から確認しましょう。日本酒のラベル情報には必ず記載しなければいけない項目と、任意に記載される項目とで分かれています。

「日本酒度」は任意の記載です。ラベルから日本酒の味わいを想像してほしいという酒蔵もあれば、逆に先入観無しでお酒を楽しんでほしいという想いからあえて非表示にしている酒蔵も。 日本酒度 そして日本酒度とはずばり!!
日本酒に含まれる糖分の量」を数値化したものです。

日本酒度がマイナスの場合

日本酒に含まれる糖分が多ければ多いほど日本酒度はマイナスになります。

そして、日本酒度では、+−ゼロ(0)を基準に-6.0以上を大甘口として示しています。

糖分が多く含まれる日本酒は、一般的な日本酒に比べ甘味を感じやすいため、初めて日本酒を飲む方は、日本酒度がマイナスの中から選んでみてはいかがでしょうか?

>>関連記事:日本酒度がマイナスのお酒にはどんな意味が?酸度やアミノ酸度の指標やおつまみについてもご紹介!

日本酒度がプラスの場合

日本酒に含まれる糖分が少なければプラスになります。日本酒度が+ 6以上を大辛口と示しています。高ければ高いほどキレを感じやすく、すっきりとした飲み心地です。

辛口の日本酒は冷やして飲んだり、温めて飲んだりと、日本酒を楽しむ幅が広いのも特徴の一つです。寒い冬の時期には日本酒を温めて、ぬる燗や熱燗で楽しみたいですね。

>>関連記事:熱燗とぬる燗の作り方を紹介!日本酒を温めた燗酒を楽しもう!

ちょっとややこしい日本酒度

糖分が多ければ多いほど日本酒度はマイナス(−)に、糖分が少なければプラス(+)になると説明しました。

えっ・・・?糖分が多いならプラス(+)じゃないの・・?と疑問を抱く方もいらっしゃると思います。

これは、水と糖分の比重が関係しています。水と同じ重さであれば日本酒度は±0を示します。そして、日本酒に含まれる糖分が少ないと、比重が軽くなり日本酒度計の浮秤は沈みプラス(+)の数値を示します。 日本酒度

日本酒度計のプラス値とマイナス値のイメージ図

  • 日本酒度プラス(+)
    日本酒に含まれる糖分が少なく、比重が軽くなり日本酒度計は沈みプラス(+)の数値を示します。
  • 日本酒度マイナス(−)
    反対に日本酒に含まれる糖分が多い場合、日本酒度計は浮きマイナス(−)の数値を示します。

※15℃で4℃の純粋の水と同じ重さのお酒(比重=1)は日本酒度±0で、それより軽いものはプラス(+)、重いものはマイナス(-)で表示します。

日本酒度でお酒の甘口と辛口がわかる?

日本酒度 日本酒に含まれる糖度が少なくプラス数値の場合は辛口と表現することが多く、反対に糖度が多くマイナス数値の場合は甘口と表現されることが多いようです。

日本酒度の本来の目的は、お酒造りの工程の中で造り手が発酵度合いを見極めるために使用するものです。アルコール発酵では糖分を酵母がアルコールと炭酸ガスに変えるので、どれくらい糖分がアルコールに変わっていくかで残糖量がわかります。

日本酒度はあくまでも目安なので、糖分の量だけじゃなく、いろんな要素で日本酒の味わいが決まります。香り、味わい、アルコールの刺激など様々な要因から成り立っているため、一つの基準値としてお考えください。

>>関連記事:日本酒の甘口と辛口とは?日本酒度を知ると理解が深まるって本当ですか?

酸度から読み解く味わいの濃淡

日本酒の「酸度」も味わいを左右する数値のひとつです。酸度は日本酒の濃淡の目安として使用されています。

「酸度」といっても酸っぱさの度合いを示すものではなく、日本酒の製造過程でできたコハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸の量を表しています。

一般的に酸度が高い日本酒は、味わいが濃い辛口、酸度が低い日本酒は甘口で淡麗な味わいになりやすいといわれています。

日本酒と酸度のチャート図

日本酒度 ここまで日本酒度と酸度について解説してきましたが、この2つの指標を組み合わせたチャートがこちらです!銘柄によってはこの数値に合致しないこともありますが、日本酒を選んだりする際の参考になりますね。

また、酸度に影響する代表的な成分はこちらです。

  • 乳酸:日本酒の中心。生酛や山廃に多い。温めても美味しい!
  • リンゴ酸:白ワインのように爽やか。リンゴ酸をたくさん造る酵母もあります。
  • コハク酸:貝類に多い旨味の成分でコクを与える。多すぎると苦みと渋み。

アミノ酸度で旨味やコクを判断しよう

アミノ酸度とはその名の通り、日本酒の中にどれくらい「アミノ酸」が含まれているかを示しています。アミノ酸といえば旨味やコクですね。

アミノ酸度が高いほど、コクや旨味があるしっかりした「醇酒」のような味わいになり、反対に「アミノ酸度」が低いと淡麗でスッキリした「爽酒」のような味わいになる傾向があります。

>>関連記事:日本酒の味わいをもっと簡単に理解!4タイプの日本酒を理解しよう

日本酒度のまとめ

日本酒度、酸度、アミノ酸度を紹介しましたが、これらは日本酒の味わいを知るためのそれぞれの尺度です。

最後に日本酒度について解説した内容のまとめを紹介します。

  • 日本酒度とは「日本酒に含まれる糖分の量」を数値化したものです。
  • 日本酒に含まれる糖分が多ければ多いほど日本酒度はマイナスになります。
  • 反対に日本酒に含まれる糖分が少なければプラスになります。
  • 日本酒度がマイナスは「甘口」、日本酒度がプラスは「甘口」に感じやすいといわれています。
  • 日本酒度だけでなく、酸度、アミノ酸度、香り、温度など様々な要素が味わいに影響します。

今回紹介した項目だけでなく、日本酒の香りや味わいには、原材料、仕込み方法、熟成期間、地域性や生産者の考えなど様々な要因が影響します。

そのため、これらの数値を参考にしながら、好みの味わいを見つけるきっかけにしてみてください。

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