雄町とは?近年人気の酒米について紹介!

みなさんは「雄町」という酒米をご存じでしょうか?実は「雄町」で醸されたお酒には愛好家が多く、近年ではオマチストという呼び名ができるほど人気の高い品種なのです。

今回は、そんな「雄町」の歴史や魅力について紹介していきます。この記事で「雄町」に詳しくなって、ぜひお店などで見つけた際には選んでみてください。

 雄町とは?

日本酒 雄町

「雄町」は日本最古の混じりけのない原生品種の酒米で、その歴史は江戸時代末期の安政6年(1859年)にまで遡ります。

全国の生産量の90%以上を岡山県産が占めており、そのほとんどが備前地域で栽培されています。

岡山県は全国の中でも一年間の日照時間が長く、温暖な気候と肥沃な地質も相まって、栽培が難しい「雄町」の生産に適しているのです。

そして、古い歴史をもつ「雄町」は各地で交配種として使用されており、その血統は現在広く普及している「山田錦」や「五百万石」をはじめ、多くの酒米のルーツとなった品種といわれています。

そんな「雄町」で作られた日本酒は、造り手ごとの個性が表れやすく、お燗や熟成の度合いでもさまざまな表情を見せる酒質。そして、どの酒質も「雄町らしさ」が楽しめる日本酒です。

多くの酒米のルーツとなっている

酒米

「雄町」は「山田錦」「五百万石」「美山錦」と並ぶ4大酒米のひとつです。

そして、これらの中で最も古い歴史をもつものが「雄町」で、その優秀性から各地で交配種として使用されています。

そして、その血統は「山田錦」や「五百万石」をはじめ、現在の酒米の多くに引き継がれた品種といわれています。

酒米としての特徴

酒米

雄町は食用米に比べて米粒自体が大きく、米粒の中心にある心白と呼ばれる白く不透明な部分も大きく、柔らかいのが特徴です。

実は、心白が大きいほど酒造りに適したお米と考えられています。心白の部分が大きいことで麹菌が入りやすく繁殖しやすくなり、良い麹に仕上がるからです。

雄町は心白が大きいため、濃醇でしっかりしたコクと味わいが期待できます。

雄町を使った日本酒の特徴

雄町 日本酒

「雄町」を使うとどのようなお酒ができるのでしょうか?岡山県備前県民局 地域政策部によると、雄町の日本酒には次のような特徴があるとされています。

  1. 丸みのあるふくよかさ
  2. 昔の米らしい野性味
  3. 幅のある複雑な味わい
  4. 長い余韻
  5. 熟成で化けるうまみ
  6. 料理との相性が抜群

また、発祥の地である岡山県の酒造好適米協議会は、第13回雄町サミットで「雄町らしさ」を以下のように定義づけしています。

1.もろみで溶けやすく、うま味や酸味を伴った味の幅(ボディ感)が感じられる。
また、お燗や熟成させたときにも味が崩れず、まとまり(調和感)が増す。

2.様々な酒質の特徴と調和し、ふくらみのあるうま味がある。
芳醇なタイプでは、香りに負けない味の存在を主張してくれる。

淡麗なタイプでは、品の良さが引き立つ。

濃醇なタイプでは、幅・やわらかさ・緻密さ・余韻などを感じさせてくれる。どっしりとした酸との相性も良く、甘さも単なる甘さに感じさせない。

オマチストと呼ばれる人たちまで登場

オマチスト

「雄町」で醸される日本酒には愛好家が多く、近年では「オマチスト」と呼び名ができるほど、日本酒好きの間では注目されています。

2008年からは「雄町」で造った日本酒が全国各地の蔵元から集められて品評会を行う「雄町サミット」が開催されています。

「雄町サミット」は「雄町」の主産地である岡山県の酒米生産者と酒蔵が「雄町」を原料にした日本酒をより多くの方に知ってもらい、好きになってもらいたいという思いから開催されているイベントです。

2022年のイベントでは、一般の方も参加して試飲懇親会も同時開催されたそうです。

雄町の歴史

雄町 歴史

「雄町」の歴史は江戸時代末期の安政6年(1859年)にまで遡ります。

生みの親は備前国上道郡高島村字雄町の篤農家、岸本甚造氏。鳥取県は伯耆大山への参拝の帰路で見つけた2本の穂を、選抜を重ねて育成し、日本最古の混じりけのない原生品種の酒米を誕生させました。

そしてこの酒米は雄町周辺で栽培が広がり、地域の名前が定着して「雄町」と呼ばれるようになりました。

背が高いため穂が倒れやすい雄町は、病害虫にも弱いことから栽培が難しい品種でもありました。

そのため、一時は生産量が激減し「幻の米」とまで呼ばれるように。しかし、雄町の復活を望む酒造の声は多く、生産量は再び回復。近年では日本中の酒蔵が酒造りに雄町を愛用しています。

栽培だけではなく、酒造りも難しいといわれる「雄町」は、大吟醸酒に用いられることが主流でしたが、最近では雄町特有のふくらみのある味わいを活かした柔らかな純米酒なども増えています。

雄町の地域性

雄町

日本全国で流通する「雄町」の90%以上は岡山県で生産されており、そのうちの大部分が備前地域でつくられています。その理由は岡山県特有の気候にあります。

岡山県は、全国の中でも「晴れの国」と呼ばれるほど一年間の日照時間が長い地域です。さらに瀬戸内特有の温暖な気候と、一級河川の旭川や吉井川がもたらす肥沃な大地を持ち、栽培が難しい「雄町」の生産に適しています。

参考サイト

全農 岡山県本部
岡山県備前県民局 地域政策部 地域づくり推進課
雄町サミット公式サイト

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「日本酒を、もっと身近に」をコンセプトにした日本酒メディア&コミュニティ「酒小町」の編集部です。 メンバーは20代から30代。 お酒好きをキッカケとして入ったメンバーが、職場や家庭では出会えないメンバーと出会ったり、自分の得意なことに気づけたり、自分のやってみたい!を叶える企画を立ち上げたり、凹凸を補いあいながら楽しめる場所です。

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