2021年09月09日

秩父『矢尾本店』日本酒と歴史を感じる旅〜電車で気ままに日帰りトリップ♪

Writer

いさわゆか
出身は宮城県仙台市、現在は東京都で暮らしています。飲食業への転職をキッカケに日本酒の勉強を始めました。日本酒の味わいはとても幅があって、どんどん世界が広がりますね。 一緒にお気に入りのお酒を見つけていきましょう!

秩父で美味しい日本酒に出会う旅〜第2回目〜は「矢尾本店」さんへ!!日本酒造りの歴史や貴重な道具を見る事ができる資料館も併設している酒蔵です。今回は特別に酒蔵と資料館を見学し、最後は利き酒を体験してきました。

※第一弾が気になる方はこちらからチェックしてみてください。

都内から電車で揺られること2時間…自然豊かでゆったりとした時間が流れる秩父にやってまいりました。 今回は長い歴史を持つ「武甲酒造」にて酒蔵見学と利き酒を体験。伝統文化を受け継ぎながら醸すこだわりの日本酒!都心からもアクセス抜群の日帰り酒蔵訪問記です。 江戸中期から続く、こだわりの手造り「武甲酒造」 秩父という恵まれた環境 酒づくりにとって一番大事なものは、なんといっても仕込み水。武甲酒造で使用しているのは、秩父市と横瀬町の境にある武甲山の伏流水です。武甲山は標高1,304m、日本二百名山の1つとされています。石灰岩質の山なので、その伏流水はミネラルがとても豊富な中硬水。発酵が旺盛となり、できあがるお酒は辛口寄りの味わいになりやすいそうですよ。 また、山に囲まれている秩父盆地の夏は暑く、冬は山からの冷たい空気が入り込み天然の冷蔵庫のような状態に…。1年を通して晴れの日が多いことも、美味しい酒…

日本酒づくりの歴史が学べる「矢尾本店(酒づくりの森)」

昔ながらの道具や貴重な資料…すべて本物です!

秩父_酒蔵_矢尾本店

矢尾本店の創業は寛延2年 (1749年)、当時は「升屋利兵衛」という屋号のもと、酒づくりを開始しました。写真の正面にある白い建物は、酒蔵と資料館が一体となった施設で、向かって右側は物産館となっています。

建物のテイストが少し違うと思いませんか?それは、右側の建物はかつてワインの醸造場だったから…どうりで少し洋風な感じがしますよね〜!

秩父_酒蔵_矢尾本店

まずは、白い建物の中にある資料館を見せていただきました。昔ながらの木桶やザルが並んでいます。

もちろん手で触れることはできないですが、1つずつ微妙な形の違いがあったり、木の色味が違ったり…多くの人が関わる酒づくりの現場で大切に使われていたからこそ、当時のものが素晴らしい保存状態で残っています。

秩父_酒蔵_矢尾本店

こちらは昔の帳場を再現したスペース。当時の番頭さんが帳づけをしたり、お客さんとお金のやりとりをした時に使っていたであろう銭箱や行灯(あんどん)、そろばん箱なども全て、レプリカではなく本物!

今回は、矢尾本店の豊田さんにご案内していただきました。

秩父_酒蔵_矢尾本店

原料であるお米を水に漬けておくための大きな桶、さらし、櫂棒(かいぼう)なども当時のものが展示されています。

現代では見慣れないものばかりですが、日本酒づくりの工程順に展示されていて、ちゃんと展示物に関する説明書きもあるのでご安心ください。機械化される前の手仕事がどんなに大変だったか…日本酒を飲む時のありがたさがグッと増しますね。

あの有名な“事件”に関わる書類も…

秩父_酒蔵_矢尾本店

資料館には、酒づくりに使われた道具だけでなく、当時の契約書などの紙資料もたくさん展示してあります。その中でも、この土地ならではの貴重な書類というのが…秩父事件当日に番頭さんによって書かれた日記!

皆さんも子供の頃、社会科の授業で「秩父事件」というワードを聞いたことがあるのではないでしょうか?秩父事件とは、明治時代に貧しい生活を余儀なくされた秩父の人々が政府に対して起こした大規模な反乱のこと。その日の天気や誰が訪ねてきたかなど、詳細な内容が書かれた資料がこちらには展示されています。歴史好きの方は必見!

秩父事件について詳しく知りたい方はこちらから(Wikipedia)!

お酒づくりは地域と共に…

秩父_酒蔵_矢尾本店

長い歴史を持つ矢尾本店さんですが、今まで3回だけ酒づくりをしなかった年があるそうです。それは、お米の値段が高騰して農民が買えなくなってしまった時期。

豊田さんによると「初代は滋賀の出身で、その真髄には『三方よし』という理念があります。『売り手によし、買い手によし、世間によし』。つまり、世間がよくならないと商売はうまくかないという考え方です。滋賀から出てきて秩父で商売を続けていく上で、地域密着・地域貢献という考えから、酒づくりをしなかったんですね」

秩父_酒蔵_矢尾本店

かつては「花陽(かよう)」という銘柄の日本酒を製造していましたが、昭和44年に西武秩父線が開通したことをきっかけに、秩父の名前を売るために「秩父錦」に銘柄を変えたのだそうです。

資料館には、大正から昭和初期にかけて親しまれていたサクラビールの特約店だった時の看板も残っています。

酒蔵見学開始!!

秩父_酒蔵_矢尾本店

大迫力!自社精米機

矢尾本店さんは自社精米機を持っています(埼玉に2台しかないそうですよ…)。大迫力ですよね!目指すお酒に近づけるために、コンピューター管理で調整を重ね、時間をかけながら精米していきます。

訪問させていただいたのは7月だったのでじっくり見学できましたが、通常だと9月の中旬には精米作業が始まるそうなので貴重な経験でした!

秩父_酒蔵_矢尾本店

麹室

一般用と吟醸用の2つの麹室がありました。部屋の温度が均一になるように、暖房器具を使用するのではなく昔ながらの電熱線で温度管理をしています。

秩父_酒蔵_矢尾本店

部屋の温度を保つ電熱線

吟醸用だと小箱で作業するため、当番で泊まり込みながらの作業になることもあるとのことです。

秩父_酒蔵_矢尾本店

こちらでは、冷蔵庫の中で上槽をします。生のお酒に合った安定した温度環境をつくることで、品質を損なうことなく、いい状態で絞ることができるそうですよ。手間暇かけて造られたお酒がようやく完成となります!

楽しい試飲で、お気に入りの日本酒が絶対に見つかる!

秩父_日本酒_矢尾本店

場所を物産館に移して、試飲をさせていただきました。左から2番目「升屋利兵衛」は創業当時の屋号を使った唯一のお酒。フルーティーな香りとすっきりとした飲み口。苦味がほとんどないので飲みやすかったです。その隣にある白いラベルの「秩父錦(特別純米)」は全国の燗酒コンテストに出品し、ぬる燗の部で見事金賞に輝いた1本!

そして、一番右にあるのが「秩父錦」の中でも、コロナ禍の家飲み需要に合わせて醸した”CRAFT SAKE シリーズ”の第一弾。山田錦×6号酵母の組み合わせで、杜氏ではなく若手の蔵人が責任を持って仕込んだという渾身のお酒です。

全部で三部作となっていて、第二弾の白麹を使った純米吟醸、第三弾の雄町を使った純米吟醸も販売中ですので、ぜひお試しください!

矢尾本店さんのWEBサイトはこちらから!

秩父_酒蔵_矢尾本店

日本酒のほかにも地域の特産品などがたくさん揃っているので、資料館&酒蔵見学のあとのお買い物も楽しめますよ!日本酒を使ったソフトクリームの販売もあるので、ひんやり涼んでいきましょう〜

「秩父錦」をお家で頂きます♪

秩父_日本酒_秩父錦

私が家飲み用にお持ち帰りしたのは、先ほどご紹介した【秩父錦】のCRAFT SAKE シリーズの中から、山田錦を使用した辛口純米酒です。

CRAFT SAKE シリーズとは??
  • タンク1本を1人の蔵人が責任を持って仕込む
  • 仕込み総米650kg以下
  • 麹は箱麹で手造

今回のお酒は山田錦を精米歩合60%とし、矢尾本店さんでは珍しい6号酵母を使用しています。

色はほんのり黄色がかっていますがとてもクリアで、お米の香りが豊かに漂ってきます。アルコール感は少し強めで、どっしりとした印象。飲んでみると…ピリピリっとしっかりとした辛さが口全体に広がります。

お米の旨味もありつつ刺激的で、のどごしはドライなのに、ゆるやかに余韻が続く…味わいの変化が面白くて美味しい!オンザロックにしてもいいと思います。

秩父錦には手羽なか柚子胡椒

秩父_酒蔵_矢尾本店

組み合わせた料理は、鶏手羽なか塩焼きと柚子胡椒。お酒の味がしっかりしているので、料理はあえてさっぱりとしたものにしてみました。辛口なお酒に、シンプルな塩焼きと柚子胡椒のピリッと感はベストマッチです!

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いさわゆか
出身は宮城県仙台市、現在は東京都で暮らしています。飲食業への転職をキッカケに日本酒の勉強を始めました。日本酒の味わいはとても幅があって、どんどん世界が広がりますね。 一緒にお気に入りのお酒を見つけていきましょう!


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