2022年04月13日

日本酒の生酒とは?5つのポイントを解説!おいしい飲み方や保存方法を学ぼう!

Writer

岸本 祐介
お酒をこよなく愛する三十路間近の徳島人。好きな飲み方は「安い居酒屋でグダグダ飲む」、好きな言葉は「おあいそ」。特集企画を通して日本酒勉強中!

新酒の楽しみといえば「生酒」ですが、そもそも日本酒の生酒とは一体どんなお酒なんでしょうか?どういう定義で「生酒」と呼んでいるのか、また生酒の味わいや保存方法も気になるところです。

そこで、今回は生酒にまつわる多くの疑問をお酒の先生へ聞きにいってきました!生酒を理解するために大きく5つのポイントで解説しています。

①生酒とは?どのような日本酒なのか?

②生酒の味わいについて

③新酒の生酒の美味しい飲み方

④生酒の保存方法について

⑤「生貯蔵酒」や「生詰め酒」との違いについて解説

お酒の先生「アサノノリエさん」

アサノノリエさん

にほんのもの応援社「和altz(わるつ)」代表。ソムリエとして活躍しお酒に関する様々な資格を取得。女性、外国人、若者、日本酒ビギナーをターゲットに日本酒文化を伝える活動をしています。

岸本:アサノ先生、今年も日本酒について色々教えて下さい。今回のテーマは「生酒」!今日もどんどん質問させていただきます。

生酒とは?どんな日本酒?

生ビールや生搾りレモンサワーなど「生」と表記されるお酒は他にもありますが、まずは「生酒」はどのような日本酒なのか教えてもらうことにしましょう。

岸本:アサノ先生!日本酒の「生酒」とはどのようなお酒でしょうか?

アサノさん:生酒とは「火入れ」という加熱殺菌をしていない日本酒です。岸本さん、秋酒「ひやおろし」の時に勉強した火入れって覚えてますか?

岸本:ぎく。。。すみません、もう一度教えてもらっても良いですか。。?

>>関連記事:ひやおろしについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

生酒は「火入れ」をしていないお酒

日本酒造りは、初夏の5月〜6月ごろに田植えをして、9月〜11月にかけて新米を収穫し精米します。そして気温が低い冬の時期に集中して日本酒を造ります。そのため冬から初春の頃に新酒のしぼりたての生酒をよく見かけます。

アサノさん:仕込んだ日本酒は通常、①製造後に貯蔵する前、②出荷する前の2回にわけて火入れ(加熱処理)をして私達の手元に届きます。

岸本:火入れをする目的はなんでしょうか?

アサノさん:ひとつは、日本酒を劣化させる火落菌を殺菌するため。 もうひとつは、日本酒の中に残った酵素や酵母の働きを止めて、保存性を高め味わいを安定させるためなんです。

生酒の味わいについて

生酒の解説

生酒は火入れをしていない日本酒だと理解できました。ところで、火入れをしない「生酒」はどのような特徴をもったお酒なのでしょうか?

アサノさん:生酒には大きく2つのタイプがあります。まずは、とろんとなめらかなテクスチャーを楽しめる、お水を加えていないフルーティーな「生原酒タイプ」。過去に学んだ濾過も火入れも加水もしていない、しぼったまんまの「無濾過生原酒」など。ほんのり微発泡のものもあります。もちろんしっかり濾過して加水した火入れをしてないだけの生酒もありますが、人気なのはアルコールもちょっと高めの原酒タイプの生酒です。

岸本:なるほど!2つ目のタイプは?

アサノさん:シュワシュワとした炭酸ガス由来の発泡感と爽快さを味わえる無濾過の火入れしてないタイプ。「活性タイプ」のお酒と呼んだりします。あら濾しされた「澱」が沈殿していて、普段飲む日本酒と見比べると面白いわよ。

岸本:活性タイプの生酒ですね。

アサノさん:活性タイプの「生酒」は瓶の中でまだ酵母や酵素が活性して発酵が続いた状態を楽しめるのも特徴的。まさに生きているって感じね!

「新酒の生酒」を飲んでみました!

つづいては、生酒の美味しい飲み方を先生にレクチャーしてもらいましょう。今回購入した日本酒は白くにごっているしぼりたての生原酒です。

生酒_五人娘

五人娘 純米生原酒 しぼったまんま

岸本:生酒は冷やして飲むのが一般的でしょうか。

アサノさん:そうですね。生酒の特徴を最大限楽しむなら冷やして飲むのがおすすめです。今回の生酒のように白くにごっている生酒の楽しみ方を一緒に学んでいきましょう。

生酒の美味しい飲み方「まずは上澄みから」

岸本:素朴な疑問ですが、なぜ今回購入した生酒は白くにごっているんですか?

アサノさん:この白くにごっている部分は「澱(おり)」といって、日本酒を濾す時に取り除かなかった「固形物(酒粕)」が入っているためです。「にごり酒」とも「澱酒」とも呼ばれるお酒です。にごる度合によって「うすにごり」とか「霞酒」とか「ささにごり(細にごり/小にごり)」とも呼ばれたり「どぶろく」のように結構濃いお酒も。にごり系にももちろん火入れタイプもあります。

>>関連記事:【にごり酒とは?】お酒の解説と楽しみ方を学ぼう!アレンジしても美味しい!

アサノさん:今回の生酒をよく見ると、白い澱が瓶の底に沈殿していませんか?

生酒

岸本:本当ですね!瓶の下の方がより白くにごってます。これは混ぜて飲んだ方が良いんでしょうか?

アサノさん:まず試して欲しい飲み方は、お酒を混ぜる前に上澄みと呼ばれる、上の方にできる澄んだ部分から飲んでみてください。

お酒を開ける時は慎重に

アサノさん:活性タイプの生酒やにごっている生原酒を開けるときは「炭酸ガス」が吹き出すことがあるので、慎重に開けるようにしてください。

生酒の解説

岸本:あ、本当だ!下からシュワシュワが上がってきます!えっ!すごい!発酵が続いているって実感できますね!

アサノさん:そうなんです。瓶の蓋を少し開けたり閉めたりして、炭酸ガスの吹き出しが落ち着いてからお酒を注ぐようにしましょうね。

生酒の解説

アサノさん:それでは香りから堪能していきましょう。その後に味わいも楽しんでみてください。

岸本:それではいただきます。甘い香りが心地よいですね!上の方の澄んだ部分ということもあって、思っていたよりもスッキリした口当たりですね。

アサノさん:この生酒を混ぜると印象が変わるわよ!混ぜるときはゆっくり混ぜていきましょう。

生酒の美味しい飲み方「ゆっくり混ぜて飲んでみよう」

つづいては、生酒を混ぜて飲んでみましょう。お酒を混ぜる際にはゆっくりゆっくりと、沈殿している固形物を優しく上下に混ぜましょう。

アサノさん:岸本さん、瓶の底に沈殿していた澱がゆっくり混ざってくるのがわかりますか?

生酒の解説

岸本:本当ですね!結構ゆっくり落ちてくるんですね。

アサノさん:お酒を混ぜる時はゆっくりゆっくり慎重にね。2〜3回程度混ぜたら飲んでみましょう。

それでは生酒をいただきます

生酒の解説

アサノさん:白くにごったお酒を飲むときは、通常飲む日本酒と色を比べるのも面白いわよ。

岸本:真っ白ではなくて少し黄色っぽい色も入ってますね。普段飲むのは無色透明な日本酒ですもんね。

アサノさん:では混ぜたお酒を飲んでみましょうか。さきほどのお酒と比べたときの、香りやテクスチャーも楽しんでみてください。

生酒の解説

岸本:香りと味は混ぜたことによって、さきほどよりも少し強い印象です。よりジューシーさを感じます。

アサノさん:見た目のミルキーな印象も良いわね。甘い香りだけでなくて、口に含んだ後の微発泡感の変化や舌触り(テクスチャー)、特に余韻は少し違った印象を受けませんか?

岸本:あ、はい!少しビターな後味とコクが感じられます。

アサノさん:そうだね!これからの春野菜と一緒に合わせたら美味しそうだよね。菜の花、筍、山菜と合わせてみたいわね。

夏は生酒に氷を入れても美味しい!

冬〜春だけでなく夏の暑い時期にも「生酒」を楽しむのもおすすめです。

夏であればグラスに氷を入れてロックで生酒を楽しんでみたり、加水をしていない「原酒」であれば、炭酸水を入れてソーダ割りで飲むのもまた違った楽しみを発見できると思います。

関連記事:【夏酒】モテる家飲み!4つの日本酒とおつまみを合わせてみました!

生酒の保存方法は?

生酒は火入れをしていないため、購入後の保存方法が気になるところです。

岸本:生酒は基本的に冷蔵庫保存でしょうか?

アサノさん:そうですね。生酒は牛乳と一緒の感覚で冷蔵庫で保存するようにしましょう。ほとんどの生酒のラベルには要冷蔵と記載されています。味わいが変化するだけでなく、しっかり冷やして開けないと激しく吹いちゃうから気を付けてね!

生酒の解説

岸本:本当ですね!赤字で「要冷蔵」としっかり記載されています。

生酒は火入れをしていない繊細なお酒なので、取り扱いにも充分気を付けて楽しんでいきましょう。

生酒は開封したら早めに飲みきろう

岸本:ところで、開封後の生酒はどれくらいを目安に飲みきれば良いでしょうか?

アサノさん:デリケートなお酒なので「開封したら出来る限り早めに飲みきるのがベスト」です。発泡感を楽しむ「活性タイプ」は特に早めに飲んでください。

約1週間経過するとだんだん味わいが変化してくるため、生酒は通常の日本酒よりも早めに飲みきるように心がけましょう。

生酒と間違えやすい「生貯蔵酒」「生詰め酒」

つづいては、生酒だけでなく秋のお酒「ひやおろし」にも関係する「生」が付く日本酒について確認していきましょう。

「生」が付く日本酒は、生酒、生貯蔵酒、生詰め酒の3種類です。まずは生貯蔵酒から学んでいきたいと思います。

生貯蔵酒について

まず生貯蔵酒と生酒の違いは…

・生酒:一度も火入れをしていない日本酒

・生貯蔵酒:火入れをしない「生酒」のままで貯蔵して、出荷前に1回火入れをするお酒。略して「生貯(なまちょ)」。

岸本:「生貯(なまちょ)」も冷蔵保管がおすすめでしょうか?

アサノさん:そうね!1度火入れしてあるぶん生酒よりは強いけど、それでも冷蔵庫で保管してほしいですね。

生詰め酒について

つづいて、生詰め酒と生酒の違いは…

・生酒:一度も火入れをしていない日本酒

・生詰め酒:貯蔵前に火入れを1回だけして、出荷する前の火入れはしない日本酒。

アサノさん:秋のお酒「ひやおろし」は貯蔵前に火入れを1回だけして、夏は寝かして秋に火入れをせず出荷します。

岸本:火入れのタイミングについては、「ひやおろし」の講義で学んだことですが、生酒を飲んだことで理解がぐっと深まりました。

生酒のまとめ

今回は生酒についてお酒の先生「アサノノリエ」さんと一緒に生酒の定義や、保存方法、楽しみ方を学んできました。最後に今回学んだことのまとめを紹介します。

・生酒とは「火入れ(加熱処理)」をしていない日本酒

・生酒の魅力①「とろんとなめらかなテクスチャーとフルーティーな原酒タイプ」

・生鮭の魅力②「炭酸ガス由来の爽快さを味わえる活性タイプ」」

・生酒は冷やして楽しむのが基本。夏にはオンザロックもおすすめです

・生酒は冷蔵庫保存がマスト。開封したら早めに飲みきりましょう。

・「生」が付く日本酒は「生貯蔵酒」「生詰め酒」があり、火入れ回数が関係してくる。

いかがでしたか?新酒が出回る冬から春にかけて、ぜひ生酒を手にとって楽しんでみてください。

Writer

岸本 祐介
お酒をこよなく愛する三十路間近の徳島人。好きな飲み方は「安い居酒屋でグダグダ飲む」、好きな言葉は「おあいそ」。特集企画を通して日本酒勉強中!


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