2021年05月02日

日本一の酒どころ、兵庫県!-灘五郷のおすすめ日本酒編-

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蔵ほりっくのぞみ
2019年に日本酒に惚れて以来、暇があれば酒蔵をめぐる生活を送っている。 2020年に日本ソムリエ協会のSakeDiploma、世界最大のワイン教育機関が実施するWSET Sake Level3を取得し、現在はInstagramを中心に日本酒知識を発信中。 同時に日本酒愛好団体「Sake Me Up」を立ち上げ、酒蔵ツアーや日本酒ティスティングイベントも企画。夢は世界中の酒蔵を訪問すること。

1分でわかる兵庫県の日本酒の特徴

日本酒の生産量No.1

兵庫の日本酒

兵庫県は日本酒の生産量“日本一”を誇る酒どころで、国内生産量の28%は兵庫県で造られています。兵庫県には日本酒酒造りに重要な「米」・「水」・「風土」の条件が全て揃っており、寒造りや生酛(きもと)といった酒造技術も兵庫の地で生まれました。

酒米の王様「山田錦(やまだにしき)」が一番生産されているのも兵庫県。その品質の高さから全国の酒蔵で兵庫県産山田錦が使用されています。

山田錦

生産量日本一の酒米「山田錦」

灘五郷とは??

灘五郷の日本酒

Source of photo : 灘五郷酒造組合HP

兵庫の中でも特に酒造りが盛んに行われているのが、灘五郷(なだごごう)と呼ばれる西宮から神戸に続く海岸沿いのエリア。今回は灘五郷の「灘酒」に焦点を当てて、とっておきの日本酒を紹介します。

おすすめの兵庫県灘五郷の⽇本酒5選

櫻正宗 焼稀 協会一号酵母 純米

兵庫のおすすめ日本酒_櫻正宗

櫻正宗と協会一号酵母について

櫻正宗は魚崎郷にある400年以上酒造りを続けている歴史のある酒蔵。この日本酒に使用されている酵母はかなり古くから存在する酵母で、そのストーリーは1900年代前半にまで遡ります。

当時の酒造りといえば蔵に住みつく酵母、「蔵つき酵母」が自然にタンクの中に入るのを待ってから酒造りを行うのが一般的でした。しかし、空気中には酒造りに悪影響を与える微生物も存在するため、そのような微生物が混入することで酒が腐造してしまうことも多々ありました。

そこで安定した酒造りを行うために国によって全国の酒蔵から酵母が集められ、その中で一番優秀だと判断されたのが櫻正宗から分離された酵母で、後の「協会一号酵母」です。

「焼稀 協会一号酵母 純米」はまさにその協会一号酵母を使用して醸したお酒。

しっかりとした酸味とうまみが特徴的で、明治時代の酵母と言われるとなんだか納得してしまうような味わい。冷やして酸味を際立てるのも良し、人肌燗(35度)くらいに温めてうまみを楽しむのもまた良し。

特別純米生原酒 フクノハナ 千代田蔵

兵庫のおすすめ日本酒_千代田蔵

魚崎郷にある太田酒造株式会社は全て手作りで日本酒を醸しています。酒蔵を訪問した際に4種類の日本酒を試飲させて頂きましたが、一番個人的に好きだったのが「特別純米生原酒 フクノハナ 千代田蔵」(写真一番左)!

この「フクノハナ」というのは兵庫県但馬地方でのみ栽培されている珍しい酒米です。兵庫県は「山田錦」の産地として有名ですが、この但馬地方の気候では山田錦を育てるのが難しく、1970年代からフクノハナが栽培されるようになりました。

トロ~っとした口当たりで、華やかな果実のような香りと繊細な甘みが特徴的。独特なうまみもあり、後味はすっきりとキレ味も良いので飲み飽きしません。おすすめの温度帯は冷蔵庫から出して10分程度経ったころの10~15℃。

仙介 特別純米 白麹 無濾過 生原酒

仙介 特別純米 白麹

御影郷にある泉酒造株式会社の「仙介 特別純米 白麹 無濾過 生原酒」。通常日本酒造りには黄麹を使用しますが、この日本酒は商品名の通り「白麹」を使って日本酒を醸しています。

白麹は酒造りの過程でクエン酸を多く生成することから、出来上がりの日本酒も酸味が特徴的なものが多くなります。(クエン酸はレモンやオレンジなどの柑橘類に含まれています。想像するだけでも唾がじわり…。)

日本酒の無濾過

無色透明の水と無濾過の日本酒(右)の比較

無濾過は「濾過」をしていないこと。左の水と比べてみるとだいぶ黄色がかっていることが分かります。

第一印象はリンゴやパイナップル、和梨のようなフルーティーな香り。口に含むと発酵の過程で生まれた微炭酸がシュワシュワと舌先を刺激します。クエン酸からくる爽やかな酸味と、ヨーグルトのような風味もあります。後味には落ち着いた蒸米の味わいも感じられ、心地の良い苦みが全体を引き締めます。アルコール度数は13%と低めにも関わらず、薄っぺらさを感じないしっかりとした飲みごたえ。

一緒に食べたいおつまみ

からあげ

今回この日本酒に合わせたのは鶏の唐揚げ。一緒に食べることで日本酒が唐揚げに添えるレモンのような役割をし、から揚げの油を口の中で切ってくれます。また、日本酒単体で飲むよりも酸味が抑えられ、よりお米の純粋なうまみを感じ取れます。

灘酒は辛口キリッと!が主流ですが、仙介はフルーティーでするする飲めちゃう日本酒が多くて、灘酒の違う一面を楽しむことが出来ます。

仙介

仙介は初代創業者「泉仙介」氏の名前から取ったもの

純米大吟醸 米治 限定生にごり

魚崎郷にある小山本家酒造の灘浜福鶴蔵。浜福鶴の日本酒の中でもダントツでお気に入りなのが「純米大吟醸 米治 限定生にごり」。

純米大吟醸 米治 限定生にごり

右から2番目の「純米大吟醸 米治 限定生にごり」

穏やかな吟醸香を感じることができ、濃厚なお米のうまみとしゅわしゅわした口当たりがたまりません。どぶろくを思わせる濃厚なにごり具合も飲みごたえを感じられおすすめです。
これは、一晩で1本開けることが出来る危険なお酒です。。とても活きの良い炭酸なので、開ける時はゆっくりとガスを抜きながら開けてくださいね。

浜福鶴吟醸工房で日本酒を楽しもう

浜福鶴吟醸工房

浜福鶴の酒蔵に併設している「浜福鶴吟醸工房」では5~6種類の日本酒をなんと無料で楽しむことが出来ます。わんこそばのように次々注がれますので、心の準備をしてから挑んで下さい。

菊正宗しぼりたてギンパック

魚崎郷にある菊正宗は1659年に創業し、生酛造りや樽酒にこだわりのある酒蔵として全国的に有名な老舗メーカーです。

そんな菊正宗から発売され話題になっているのが「しぼりたてギンパック」。

しぼりたてギンパック

これは、もうパック酒の革命です。コンビニやスーパーでも販売しているため見た事がある人は多いかもしれません。パック酒と侮るなかれ、今までの紙パックの概念を覆す香りと味わいにびっくり。

香りを一言で表現するなら「トロピカル」!

トロピカルな日本酒

グラスに注ぐとパイナップル、ライチ、マンゴスチンのような南国をイメージさせる香りが一気に押し寄せてきて、灼熱の太陽が降り注ぐビーチが脳裏によぎります。これが普通酒とは思えない!味わいは想像していたよりも意外とすっきりしていて、透明感があります。

この香りの秘密は自社で開発した酵母。普通酒でありながらも吟醸のようなフルーティーな香りを生み出すことに成功したそうです。しっかりと冷蔵庫で冷やしてワイングラスでお楽しみ下さい。

菊正宗

菊正宗酒造記念館には菰樽がズラリ。思わず満面の笑み。

灘酒といえば「辛口」なイメージがありますが、酒蔵によっても特徴は様々。

兵庫に訪れた際には是非酒蔵を観光プランの中に入れ、お気に入りの一本を見つけてください!

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蔵ほりっくのぞみ
2019年に日本酒に惚れて以来、暇があれば酒蔵をめぐる生活を送っている。 2020年に日本ソムリエ協会のSakeDiploma、世界最大のワイン教育機関が実施するWSET Sake Level3を取得し、現在はInstagramを中心に日本酒知識を発信中。 同時に日本酒愛好団体「Sake Me Up」を立ち上げ、酒蔵ツアーや日本酒ティスティングイベントも企画。夢は世界中の酒蔵を訪問すること。


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