2021年09月13日

『谷根千』日本酒ほろ酔い散歩〜野菜と日本酒でまったりタイム~

Writer

石川 奈津紀
仙台市出身でNHK山形、NHK仙台でキャスターを務めたのち2018年から東京でフリーアナウンサーとして活動。現在はBSテレビ東京の朝の番組「日経モーニングプラスFT」に出演中。 日本酒を健康的に楽しみ、飲みながら痩せる「NOMIYASE」をSNSを中心に発信している。唎酒師。ダイエットプロフェッショナルアドバイザー。

東京の下町エリア”谷根千”を巡るほろ酔い散歩。前回は伊勢五本店さんにて色々なお話を聞かせて頂きました!

今回は東京の下町エリア”谷根千”を巡る日本酒ほろ酔い散歩。”谷根千”とは「谷中」「根津」「千駄木」エリアの総称で、おいしいお店や雑貨屋さんなどが並び、散策するにはぴったりな趣を感じるエリアです。 それではさっそく、お散歩しながら、日本酒にまつわる場所を巡っていきます!まずは、千駄木にあるお酒屋さんからご紹介。 夏と言えば、キンキンに冷えたビールやしゅわっとおいしいハイボール。 ごくごく飲めるサワー…もいいですが!ぜひお家でも日本酒を飲んでみませんか? 「でも、どれを選んでいいかわからない…」「1本飲み切るのはなかなかハードルが高い」といった印象があるかもしれませんが、大丈夫です! 創業300年の歴史ある伊勢五本店で「日本酒の選び方」や「お家での楽しみ方」を聞いてきました。 伺ったのはこちら!千駄木 伊勢五本店 お店の前でパシャリ!テンション上がってます! とても趣のある入…

日本酒の話で盛り上がり、なんだかおいしいお酒が飲みたくなってきましたね…。

ということで、今回は谷根千エリアで、日本酒を楽しめる新感覚のお店にお邪魔します!

好きな「野菜×日本酒」で勝負!

谷根千_日本酒散歩

千駄木駅から三崎坂方面へ3分ほど歩くと見えてくるのが「野菜と日本酒ちりん」さんです。

谷根千_日本酒散歩

【店名】野菜と日本酒 ちりん
【住所】東京都台東区谷中3丁目1-3 松村ビル2階
【営業日時】木・金 18~23時(22時Lo)
土・日 15~23時(22時Lo)
【Instagram】@hebihebi3701
【twitter】@dada3701
※詳しくはSNSを確認の上、DMにてご予約・お問い合わせください。
石川

「野菜×日本酒」なんだかとってもヘルシーで心惹かれます。お肉やお魚ではなく「野菜」と日本酒を合わせるのも新感覚で楽しみです!

店主:関 剛大(せき・たかひろ)さん

石川

よろしくお願いします!まずは「野菜×日本酒」をコンセプトにした想いをお聞きしたいです。

関さん

好きなものだけやりたかったので野菜と日本酒のお店を開きました。もともと修行していた飲食店は「魚と日本酒」を扱っていたので、魚料理も考えましたが、やっぱりそんなに好きじゃないかなと(笑)

修行先の店主が魚に注ぐ情熱を見て、店主と同じくらい情熱を注げる食材は野菜しかない。野菜で勝負してみよう!と決心し「野菜と日本酒」のお店をオープンしたそうです。

ご縁があるお酒しか置きたくない

谷根千_日本酒散歩

カウンターに座ると、まず目に入るのが、ずらりと棚に並ぶ日本酒たち。どれも見たことのない銘柄ばかりで心が躍ります。

まずは関さんイチオシのお酒をいただくことに。温度帯や味わいなどの好みを伝えると、関さんセレクトのお酒を出してくれます。

こちらは、兵庫・丹波篠山の地酒「秀月(しゅうげつ)」。飲み比べで出していただきました。

関さん

この地酒、おそらく東京の飲食店ではここでしか飲めません。ほぼ100パーセント地元消費されているので「ちりんが東京初進出」と言ってました。

石川

わたしも初めて出会いました!綺麗でおいしいお酒ですね~。

店主が惚れこんだ100銘柄以上の地酒

谷根千_日本酒散歩

秀月といい、棚のお酒といい、一体どこから仕入れているのか気になります。お酒のセレクトの基準について尋ねると…

関さん

ご縁があったお酒しか置かないと決めています。蔵にお邪魔させてもらったり、誰かが繋いでくれたり。「秀月」も実は、野菜を買い付けに行った地元農家さんに紹介していただいて。「うちの近くに酒蔵があるよ」って聞いて行ってみたら、本当にすぐの場所で好みのお酒に出会えました。

石川

そこもご縁とは!1400カ所もあるといわれている酒蔵の中から、好みのお酒を探すのって難しいですもんね。ご縁や繋がりで選ぶって素敵です。

谷根千_日本酒散歩_お燗

燗つけ器

お店には常時120種類ほどの日本酒があり、冷酒~お燗まで楽しめます。冷蔵庫にも棚にも入りきらず、ケースに眠っているお酒も。

谷根千_日本酒散歩_お燗

真夏でも燗をつけたい!という関さん

忘れられない久慈での出会い

谷根千_日本酒散歩

石川

思い出に残っている「日本酒」との出会いはありますか?

関さん

バイクで1人旅をしていたときに、岩手の久慈でテントを張って外でご飯を作っていたら、外国の女性2人組から話しかけられたんです。話の流れで、「同僚の送別会があるけど来ない?」と誘われて行くことに。そこで飲ませてもらったお酒がめちゃくちゃおいしくて。

石川

えぇーまさかの出会いですね!その日本酒とっても気になります!

関さん

「福来(ふくらい)」という日本酒です。めったに県外には出回らない「ザ・昔ながらの日本酒!」それがまたよくて。。

誰にでも「ここから好きになった!」という一杯がありますよね。岩手・久慈での出会いがあるから、いまがあるのかもしれません。

コンセプトは「お酒のすすむ精進料理」

谷根千_日本酒散歩

お酒と一緒にいただく料理は、基本的に野菜のみ。「お酒のすすむ精進料理」というコンセプトから家庭的な茶色い色合いの”和風のおばんざい”を想像していたものの、ここで驚きの一皿が。

鮮やかで目を引く一皿一皿

谷根千_日本酒散歩

桃のサラダ

石川

キレイ!食材もおいしそうですが、お花が乗っていたり、ソースがかかっていたり、ぱっと見ただけでもとても鮮やかで目を引きますね。フレンチやイタリアンのよう!

関さん

見た目にも力をいれています。肉や魚に比べて野菜は、どんなに価値のあるものでも消費者に届きづらいです。例えば「松阪牛」とか「大間のマグロ」ならピンと来ますけど、なかなか「1本1000円の大根です」と言われても想像がつかない。かわりに野菜のよさを伝えつつ、花や飾りをあしらうことで一皿に価値をつけられたらと思っています。

それから、こちらの茶わん蒸し。見た目は一般的ですが…

谷根千_日本酒散歩

中は色鮮やかなサーモンピンク!ビーツで色を出しているそう。

谷根千_日本酒散歩

ビーツを使った茶わん蒸し

石川

お野菜だけなのに、不思議と魚肉ソーセージのような複雑な風味が感じられます。見た目も味も本当に豊か!レシピはどうやって考えているんですか?

関さん

目で楽しんでもらうほかにも、スパイスを入れて味に変化を出したりもしています。仕入れにいって面白い野菜を見たらまず買って帰って、そこから料理は考えますね。

農家の顔が見える「野菜」

谷根千_日本酒散歩

料理を食べながら感じたのが、「◯◯さんの✕✕(野菜)を使ったすり流し」など、野菜の名前だけでなく、産地と農家さんの名前まで細かく出てくるところ。

谷根千_日本酒散歩
こちらの料理は、愛知県安城市「てらのば」さんの有機キュウリのすりながし。

関さん

野性味があふれてウリウリしているので、そこを全面に活かした冷たいスープです。

石川

ウリウリ(笑)野性味、というとワイルドですが、夏らしいフレッシュさがさっぱりしておいしいです!それにしても、農家さんの名前まで出てくるのは、お野菜にもこだわりがあるからでしょうか?

関さん

野菜は自分で市場にいくほか、3軒の農家さんから直接仕入れています。できるだけ有機、無農薬のものや、伝統野菜を使うようにしています。

谷根千_日本酒散歩

鮮度抜群の野菜は「ちりん青果店」として販売もしています。スーパーでなかなか見かけない野菜が買えるだけでなく、関さんがおすすめの食べ方や調理法も教えてくれますよ。

「野菜」にこだわる理由

石川

そもそも、野菜でお店をやっていこうと思ったきっかけはありますか?

関さん

もともと野菜の卸で働いていたこともあり、野菜は好きでした。これも旅の途中のできごとなんですけど、所持金が60円くらいになってしまってガソリンもなくて。そんなときに北海道で農家の季節バイトをしたんです。トマトを摘む仕事だったんですけど、木の上で真っ赤に熟しているトマトに衝撃を受けました。

市場に出回っているトマトはある程度青いうちに摘むため、色鮮やかなトマトに出会うチャンスは少なく、その赤さとおいしさに感動を覚えたそうです。

同じものには二度と出会えない?一期一会の料理

こちらのお店、なんとメニューがありません。一汁三菜コース(お酒半合つき)から、ゆっくりお料理とお酒を楽しめるコースまで、コースのみの提供です。

谷根千_日本酒散歩

お料理+お酒半合の一汁三菜コース

関さん

出す料理は毎週変えるようにしています。1人でやっているので「メニューなしコース1本」というスタイルになりました。なので「この間のあれが食べたい」と言われても、同じ野菜がなければ出せるのは1年後の同じ季節です。

石川

野菜って旬がありますもんね。それもそれで、毎回来る楽しみになりそうです。

「好き」を通じて地域とつながれる場所

谷根千_日本酒散歩
「ちりん」さんの由来は、英語のスラングである「Chill(チル)」から来ているのだとか。

まったり、ゆったり、癒しといった意味があるそうなのですが…なるほど、どおりでなんだかまったりとした時間を過ごせたわけです。

お酒も野菜もそうですが、音楽も関さん好みの音楽が流れています。「好きなものだけやりたい」という関さんの言葉が自然と思い出されました。「好き」が詰まった空間だからこそ、居心地がいいのかもしれません。

石川

はじめは「ヘルシーそう」という単純な理由で取材を依頼してみたら、野菜にもお酒にもこんなにも愛をもって接している人に出会えたのがうれしかったです。店主の関さんが仕入れる日本酒や野菜を通じて、生産地とつながれるお店でした。からだ想いの野菜を使ったお料理で、ゆったり過ごしたいときに訪れてみてはいかがでしょうか?

谷根千_日本酒散歩
関さん、ありがとうございました!また伺います!

Writer

石川 奈津紀
仙台市出身でNHK山形、NHK仙台でキャスターを務めたのち2018年から東京でフリーアナウンサーとして活動。現在はBSテレビ東京の朝の番組「日経モーニングプラスFT」に出演中。 日本酒を健康的に楽しみ、飲みながら痩せる「NOMIYASE」をSNSを中心に発信している。唎酒師。ダイエットプロフェッショナルアドバイザー。


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