蒸留酒とは?代表的な5種類の紹介と醸造酒との違いも解説!

焼酎やウイスキーなどのお酒は「蒸溜酒」と呼ばれるのをご存知でしょうか?蒸溜酒とはその名の通り、醸造酒を蒸留して造られるお酒のことです。

この記事では蒸留酒の定義、代表的な5つの蒸留酒の製造法や原料の紹介、醸造酒や混成酒といったその他のお酒との違いを解説します。

蒸留酒とは?

蒸留酒とは何か 蒸留酒(じょうりゅうしゅ)とは、醸造酒を蒸留して作るお酒のことです。蒸留酒の作り方は、醸造酒を加熱し、その蒸気を冷やして液体にする製法です。そのため、蒸留酒は醸造酒よりもアルコール度数が高くなります。醸造酒のアルコール度数は5〜15度程度ですが、蒸留酒は40度〜60度です。

醸造酒である、ビールや日本酒などはそのまま飲むことが多いですが、蒸留酒はそのまま飲む場合もあれば、お水やソーダなど、ノンアルコール飲料で割って飲むのも一般的です。

蒸留しているため、味わいはコクや深みがあるお酒が多いのも特徴の一つ。蒸留酒は熟成によるお酒の変化や歴史を楽しめるお酒です。

代表的な5種類の蒸留酒

ここからは5つの代表的な蒸溜酒の原料や製造方法などを紹介します。どれも日本で知名度のある蒸溜酒ですので、一度はスーパーやコンビニで見かけたことがあるのではないでしょうか。

蒸留酒①「焼酎」

蒸留酒の種類_焼酎 焼酎は日本発祥の蒸留酒です。焼酎といっても種類はさまざまですが、普段私達が飲んでいるのは、麦焼酎、芋焼酎、米焼酎、泡盛などです。それぞれの原料や味わいを紹介します。

麦焼酎

麦焼酎は「麦」を原料とした焼酎です。九州地方の長崎県や大分県が製造の盛んな地域です。焼酎の中でも、華やかでフルーティーな香りを楽しめます。そのまま飲んだり、水やソーダで割って飲むのが一般的です。

芋焼酎

芋焼酎は「サツマイモ」を原料とした焼酎です。九州地方の鹿児島県や宮崎県などで製造されています。

焼酎の中でも芋焼酎特有の「芳醇で甘みのある香り」が特徴的です。そのまま飲んだり、水やお湯で割って飲むことが多いです。独特の甘みを感じる香りがクセになるお酒です。

米焼酎

米焼酎は「米」が原料の焼酎です。米焼焼酎の産地は熊本県が有名で、米焼酎発祥の地でもあります。

米焼酎は、焼酎の中でもシンプルでスッキリとした味わいが特徴です。

日本酒が好きな方は、米焼酎のフルーティーな香りや味わいも楽しめるかもしれません。日本酒に比べ、アルコール度数が高いので、水やソーダで割って飲むのがおすすめです。

泡盛

泡盛は「米(主にタイ米)」が原料の焼酎です。沖縄(琉球諸島)のお酒として有名です。

泡盛は香りやクセが強い銘柄が多いため、初めて泡盛を飲む方は、水やソーダで割って飲むのがおすすめです。

泡盛はその他の焼酎に比べアルコール度数が高く30度前後となっていますが、もっと高いアルコール度数の泡盛も販売されています。

焼酎の「甲類」と「乙類」について

焼酎は酒税法上「甲類」と「乙類」という分類があります。お酒に詳しい方は一度は聞いたことがあるかもしれません。甲類と乙類の大きな違いは「連続蒸留」か「単式蒸留」です。

焼酎の甲類とは、伝統的な焼酎に対して「新しい」焼酎という意味です。そして連続式蒸留機で蒸留を行うため「連続蒸留焼酎」と呼ばれます。

甲類の焼酎は、ノンアルコールドリンクで割って飲むのが一般的で、「サワー」や「酎ハイ」の原料となるアルコールです。

いっぽう、焼酎の「乙類」とは、一回の蒸留で造られる焼酎のことで「単式蒸留焼酎=本格焼酎」と呼ばれる焼酎です。

麦、米、芋などの原料の風味を残すため、そのまま飲んだり、ロックや水割りなどで飲むと、お酒本来の風味を楽しめます。

>>関連記事:【日本酒のアルコール度数は?】日本酒を美味しく楽しく飲む方法伝授します!

蒸留酒②「ウイスキー」

蒸留酒の種類_ウイスキー ウイスキーとは麦やトウモロコシなどの穀物を原料とし、原酒を木樽に入れて寝かせて造る蒸留です。「木樽で寝かせる」のがウイスキーの大きな特徴です。

わかりやすい表現として、ビールを蒸留して樽熟成したものがウイスキーです。原料や製法などの違いで「モルトウイスキー」「グレーンウイスキー」に分けられます。

世界各地でウイスキーが製造されていますが、世界の5大ウイスキーと産地はこちらです。

  • スコッチウイスキー(スコットランド)
  • アイリッシュウイスキー(アイルランドまたは北アイルランド)
  • アメリカンウイスキー(アメリカ)
  • カナディアンウイスキー(カナダ)
  • ジャパニーズウイスキー(日本)

蒸溜酒③「ジン」

蒸留酒の種類_ジン ジンはスピリッツと呼ばれる蒸留酒です。ジンの大きな特徴は華やかで爽やかな香りと味わいです。

これは、元々は薬用のお酒として造られていたという歴史があり、お酒を造る過程に、ネズの実や、ボタニカルと呼ばれる薬草成分を加えてジンを造ります。ジン独特のキレや香りは、それらの薬草成分由来です。

ジンを使ったカクテルで有名なのが、マティーニやジントニックなど。

最近では日本産のジンを見かける機会も増えてきましたが、ロンドン、オランダ、ドイツなどが主な産地です。

蒸溜酒④「ウォッカ」

蒸留酒の種類_ウォッカ ロシアのお酒としても有名なウォッカは、ジンと同様に、大麦、じゃがいも、ライ麦などから造られています。

ウォッカは、アルコール発酵させたあとの原酒を「白樺の炭」によってろ過させて製造されています。

まろやかでクセの少ない蒸溜酒のため、ジン同様にカクテルの材料として使われることが多く、ウォッカを使ったカクテルはモスコミュールやウォッカトニックなど、さわやかな味わいのお酒が人気です。

ロシアの他に、北欧やポーランドなどが主なウォッカの産地です。

蒸溜酒⑤「テキーラ」

蒸留酒の種類_テキーラ テキーラはメキシコ発祥の蒸溜酒で、ジン・ウォッカ・ラムとともに「世界4大スピリッツ」のひとつです。

テキーラの原料は「アガベ(リュウゼツラン)」という、巨大なアロエのような形をした、メキシコを中心に米国南西部と中南米の熱帯域で自生している植物です。

原料であるアガベの「ピニャ」と呼ばれる茎部分を使ってテキーラを醸造していきます。

テキーラはアルコール度数の高い蒸留酒の一つで、市場に出回っている、スタンダードなテキーラのアルコール度数は40%です。

テキーラといえば、ライムを口の中にしぼって、ショットグラスで一気に飲むのをイメージする方が多いと思いますが、カクテルのベースにもなるアルコールで、オレンジジュースとグレナデン・シロップを使った、テキーラサンライズが有名です。

蒸溜酒・醸造酒・混成酒とは?

私達が普段飲んでいるお酒は蒸留酒、醸造酒、混成酒の3つに分類されます。蒸留酒については先ほど解説しましたので、ここからは醸造酒と混成酒について解説していきます。

醸造酒の解説と3種類の醸造酒

醸造酒とは穀類や果実を原料とし、それを発酵させてつくったお酒です。蒸留などの作業を経ずに、基本的にアルコール発酵させたままの状態で飲まれるお酒です。

また醸造酒はお酒の製造方法などから「単発酵酒」、「単行複発酵酒」、「並行複発酵酒」の3つに分類されます。それでは、代表的な3つの醸造酒と、その製法を解説していきます。

1. ワイン(単発酵酒) ワインの製法単発酵酒 海外(特にヨーロッパ)で製造が盛んな「ワイン」も醸造酒です。ワインの主な原料はぶどうの果汁です。日本では山梨、長野、北海道が主な生産地です。

ワインは単発酵酒に分類される醸造酒です。

単発酵酒とは、原料が糖分を多く含み、酵母を加えることで、そのままアルコール発酵したお酒のことです。

ワインの原料である「ぶどう」も糖分を多く含んでいるため、単発酵で造られます。

2. ビール(単行複発酵酒) ビールの製法単行複発酵酒 日本で最も消費量の多いアルコール「ビール」は醸造酒に該当します。ビールの主な原料は麦芽とホップと水です。ビールの原料である麦芽は発芽した麦(通常は大麦)です。

大麦はアルコール発酵に必要な「糖分」を多く含んでおらず、大麦に含まれているでんぷんを糖分に変える必要があります。この工程を「糖化」と呼びます。

糖化が必要になってくることが、ワインと異なる点です。 この製法を「単行複発酵」といい、原料に含まれるデンプンを糖分に糖化させ、そのあとに酵母を加えてアルコール発酵させることです。

「糖化」した後に「発酵」するという、2つの工程を理解しましょう。

3. 日本酒(並行複発酵酒) 日本酒の製法並行複発酵酒 日本特有の製法で醸造される「日本酒」。日本酒の主な原料は米、米麹、水です。

日本の國酒として数百年前から製造されてきた日本酒ですが、最近では日本だけでなく海外でも日本酒が製造されています。

日本酒の原料である米も、アルコール発酵に必要な「糖分」を多く含んでおらず、米に含まれているでんぷんを糖分に変える必要があります。

単行複発酵酒のビールは、糖化した後に発酵させますが、日本酒は『糖化』と『発酵』2つの工程を、1つのタンクで同時に進行するのが特徴です。

この糖化と発酵の工程を同時進行させる製法を「並行複発酵」と呼びます。

>>関連記事:醸造酒とは?3種類の醸造酒を知ってますか?蒸留酒や混成酒との違いも解説します!

混成酒の解説

混成酒の解説 最後に紹介する混成酒は蒸留酒や醸造酒に、糖分、薬草、果実などを加えたお酒です。

カクテルで使用するリキュールや、果実酒・梅酒・薬酒などが混成酒に該当します。

混成酒も蒸留酒と同じく、そのまま飲むこともあれば、何かで割って飲むのが一般的です。代表的な混成酒は「梅酒」や「カルーア」などで、甘い味わいのお酒が人気です。

>>関連記事:梅酒に合うおつまみは?5種類の飲み方に合うおつまみやレシピの紹介

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まとめ

この記事では、蒸溜酒の種類について、代表的な5つの醸造酒の紹介と、醸造酒や混成酒の違いを解説しました。

最後にこの記事のまとめを紹介します。

  • 蒸留酒とは醸造酒を蒸留して作るお酒のことです。
  • 代表的な蒸留酒は、焼酎、ウイスキー、ジン、ウォッカ、テキーラ、ラム。
  • 醸造酒とは、穀類や果実を原料とし、発酵させ、蒸留していないお酒です。
  • 混成酒とは、蒸留酒や醸造酒に、糖分、薬草、果実などを加えたお酒です。

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