燗酒とは?燗酒を美味しく楽しむ方法もご紹介!
燗酒はお酒を直接加熱したもので、たいていの場合は日本酒を温めたものを指します。
日本酒は温度によって香りや味が変化し、その変化を楽しめるものです。
その中でも燗酒は、お酒にお湯をいれるお湯割りとは違い、お酒をそのまま火にかけたりお湯の中に徳利をつけたりして作ります。
温めることで味わいが柔らかくなり、香りも丸くなることで、日本酒のバランスがよくなるといわれています。
この記事では、美味しく燗酒を楽しむ方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
美味しい燗酒の作り方
まずは美味しい燗酒の作り方を紹介いたします。ここでは湯煎と電子レンジの2つの方法です。
どちらも簡単にできますので、ぜひ試してみてくださいね。
湯煎
まずお湯に浸して温める、いわゆる湯煎を使った方法です。
お湯は熱湯ではなく80℃程度のお湯を使います。沸騰したお湯に入れてしまうと、日本酒の香りが飛んでしまう可能性があり、風味を損ねてしまいます。
湯煎に使うお湯は、徳利の半分以上が浸る量を用意します。お湯の量が少ないと温度にムラが出てしまうので注意。
お酒は徳利の首の下まで注ぎましょう。満杯まで入れてしまうとあふれてしまうため、気をつけてください。
また、加熱する際は徳利の口にサランラップをかぶせると、香りが飛びにくくなりますよ。
時間は2~3分が目安で、それを基準にお好みの温度に調整してみてくださいね。
電子レンジ
次に電子レンジで温める方法です。
はじめに、徳利がレンジ対応かを確認しましょう。
加熱時間の目安は、1合なら500~600Wで30秒を2回。
電子レンジでの加熱は温度ムラができやすいため、加熱を2回に分けて、合間に徳利を軽く振ってかき混ぜて温度を均一にしましょう。
徳利の大きさや元々のお酒の温度などによっても加熱時間は異なるため、好みの温度になるように微調整してくださいね。
燗酒の温度
日本酒は幅広い温度帯で楽しめるお酒です。ぜひいろいろな味わい方を楽しんでみてください。
飲み頃温度(℃) | ~25 | 30 | 35 | 40 | 45 | 50 | 55~ |
冷や | 日向燗 | 人肌燗 | ぬる感 | 上燗 | 熱燗 | 飛び切り燗 | |
味わい・特徴 | 香りや味わいに、やわらかさが出てきます。 | ほんのりとした香りと、なめらかな味わいになります。 | 米や麹の香りや、やわらかな味わいを感じられます。 | 日本酒のふくよかな香りと旨みが引き立ちます。 | バランスのよい味わいと、引き締まった香りを楽しめます。 | シャープな香りと、キレのよい味わいを感じられます。 | 日本酒の香りが強くなり、味わいには刺激的なキレが出ます。 |
燗酒に合う日本酒の特徴
一般的に、熱燗に向いているといわれるのは旨みや酸味が強く、濃醇な日本酒です。あたためることでより風味が引き立ち、味わいのキレが増します。
40~45℃に温めることで、しっかりとした旨みやコクを引き出すことができ、日本酒の持つ甘さや奥深い味わいをゆったりと堪能できます。
淡麗辛口でスッキリとした本醸造酒や、優しい飲み口の軽快な純米酒なども熱燗におすすめ。
55度以上の飛び切り燗はアルコール分が強調されやすいため、辛口の純米酒がおすすめです。
燗酒に合わない日本酒の特徴
燗酒に合わないといわれる日本酒は、華やかな香りの爽やかな日本酒です。
温めると香りが立ちすぎて鼻につくようになり、せっかくの爽やかさが失われてしまいまうことがあります。
温度による香味の変化
基本的には、温度が上がるにつれて「香味」は強くなります。
例えば、甘味は冷たいと感じにくく、温かくなるにつれて甘く感じられるようになります。
純米酒などの個性である「豊かな香り」「こっくりとした飲み口」「濃い味わい」も温度をあげることでよく感じられるようになります。
これらのことから、ふくよかな純米酒は、熱燗に向いた日本酒だということがわかります。
飲む温度によって違った味わいが楽しめる日本酒。いつもと違う温度で飲むと、知らなかったおいしさを発見できるかもしれません。
その日の気分や体調によって、いろいろな温度帯のお酒を楽しんでみてくださいね。
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SYULIP編集部
日本酒ECサイトを運営しているSYULIP(シュリップ)です。 サケディプロマ、唎酒師、ソムリエ、栄養士などのライターが日本酒の楽しみ方、豆知識、おつまみ記事などを発信しています。